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フィンランドの女流監督が描く「新しい恐怖」として話題のホラー映画『ハッチング』が、まもなく短期公開を終えようとしている。
いろいろと病みきった暗黒面を抱(かか)えた"ユーチューバー家族"の中で起きる、日々のアクシデント。
なかでもキワめつけは、一男一女の子供……その姉=ティンヤが森で見つけた野生カラスの卵を勝手に持ち帰り(自分で密かに温めた末に)とんでもないモンスターを孵化させてしまったこと。
なかでもキワめつけは、一男一女の子供……その姉=ティンヤが森で見つけた野生カラスの卵を勝手に持ち帰り(自分で密かに温めた末に)とんでもないモンスターを孵化させてしまったこと。
…という流れのホラーなんだが、実は、この冒頭で登場(つか闖入)してくる1羽の親カラス。
カラスはカラスでも「フィンランドのカラス」なので、知っとくと便利な❔鳥類知識がある。ほとんどの映画鑑賞者は「あの山ガラス、全身が黒かったよな」と思い込んじゃいないだろか。
まあ、たしかに……フィンランドに「黒一色のカラス」がいないワケじゃない。南北に長~い「棒立ち国土」だから、最南端の沿海地方は気候も「比較的 温暖」。日本や、世界の温帯エリア全般に生息する
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ところが!だ。
映画冒頭に映ったカラスは「黒と灰色のツートーン」。フィンランドで一番ポピュラーな「2色盛り」カラスなんだな。
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よおく❕ 目を凝らして見て
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北米や北欧、シベリア等の広大な原生林に棲む雑食鳥のカラスはとても多種に渡るため、黒&褐色ツートーンの羽毛をまとうカラスはカラスで「固有の呼称」を与えられてる。この映画『ハッチング』に出てたような「後頭部まわりの羽毛が灰色」というカラスは、英語圏では俗に「Jackdaw(ジャックダウ)」と呼ばれてる。
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ちなみに、ここフィンランドでは「Naakka(ナアッカ)」と言う。性格は映画と違ってむしろ大人しく、どちらかと言えば(カラスの中でも)タカなどの「体格差のない猛禽類」に補食されやすいカラスのようだ。
ところで、このナアッカ…
後頭部の毛色が違う…と言うと、見方によっては「人間のロングヘア」のようにも思えてこないだろうか❔
そうなのだ…❕ だからこそ、本作品の監督は「鳥のバケモノが、ヒトの(それも ロン毛の)少女へと変態しながら育つ様子」を想い浮かべられたのだろう。
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早くもヒナのうちから、↑ バケモノには「歯と耳と頭髪」が現れはじめる
鳥のアタマに毛髪が生えるとか、鳥の顔が人面に似てくる❕❔なんて発想は、カラスが「こんな羽毛の生え分けをしてる」現実に慣れ親しんだフィンランド人でもなけりゃ、おいそれと(ホラー映画の企画になんぞ)採用できないだろうから。
=了=
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