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この寒波のなか、ビールの話かよ!?
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自分、冬の夜長の寝しなには日本酒の熱燗派🍶…なのだが、同時に
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そのせいで先般、ふだんスーパーの酒類コーナーじゃ見かけない発泡酒=『"二代目" 極ZERO』(サッポロビール) の350ml缶を初めて目にするコトとなった。一般に「サッポロビール」の缶ビール・デザインと言うと、たいていの人は
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しかし、件(くだん)の『極ZERO』缶はまるで趣きが違う。
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ナンともまあ、鮮やかなブルー(明るい紺)の配色が豪胆でCOOLなこと。思わず一瞬、見とれてしまった💧
そして……次の瞬間には自分、「このデザインって、大ざっぱな雰囲気が『元祖サッポロ缶ビール』に似てなくない❔❔」と感じ始めてたのである。その昔、サッポロビールが缶入りで初登場したときには、対象銘柄は「元祖サッポロ」の1種類しかなかった。そして、デザインは次のような
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上の画像は正確には初登場時のものじゃなく、1965年に(開け方が)プルタブ化したときのバージョンだ。
当時のプルタブ式は今のプルトップ缶のとは違って、飲み口を上蓋から「完全に引きちぎって開ける」タイプ。この引きちぎった「開けさしのアルミ片」が(昭和の津々浦々そこらじゅうの)路上でフツーにポイと捨てられ、見苦し~く散らばってたのである。
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現在のステイオンタブ方式のプルトップ缶が普及し始めるのは、バブル崩壊後のことだ。平成生まれの諸君には想像もつかないだろうが、プルタブからステイオンタブに切り替わるに当たっては「際限のない金属ゴミ公害が防げて望ましい」と考える消費者より「フタの外面が缶内のドリンクに漬かるだなんて、不衛生で不潔っ❕」とネガティブな不満を漏らす人の方が明らかに多かったように記憶する。
何せ世相がバブル景気の頂点だったから、大量消費と大量投棄が謳歌されてて、環境なんか二の次に見られがちだった。浪費がフツーに常識で、レジ袋が有償だなんて(!?)夢にも思われてない時代の話である。
だから「ドリンクに漬かるのが不潔」という反対派の論法も、冷静に考えると(当時としても)浮世ばなれした了見だった。極論、「バブル惚け
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なぜなら、1970年の大阪万博辺りまでは、「缶ヌキで開ける缶ジュース&缶ビール」がまだまだ幅を利かせてた。サッポロの缶ビールにしてからが「その方式が主流」。缶ヌキという当時はポピュラーだったキッチン工具で基本、スチール製だったドリンク缶のフタ部分をぐいっ❕と抉(エグ)って開口部をコジ開けて
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当然、その時分はフタ(の外面)がドリンクに直に漬かったモノを、当たり前のように飲んでた。バブル世代の昭和人たちも自身の幼少期にゃ、同じ開缶方式を不潔だ❔なんて、微塵にも思わずゴっクゴク💧 飲み干してたんだぜ。ナニが「不衛生で不潔」だよ❔❔www
チョイ 話が逸れ過ぎた。「元祖・サッポロ缶」のデザインに戻そう。
その特色ある「ブルー基調のサッポロ缶」であるが、古い"名作"邦画の中だったら今も目撃することが可能だ。代表的なのが、1979年10月公開『太陽を盗んだ男』の中で主演=沢田研二
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ちなみに本作の中で沢田が演じてるのは、純粋過ぎるほどに化学オタクな中学校教師。
化学を応用した技術製品への探索心が募る余り、無性に「ハンドメイドの"長崎型"原子爆弾」が造りたくなってしまい、大胆不敵にも警備の手薄な原発からプルトニウムを強奪し、密かに自宅アパートで濃縮作業に取りかかる。が、濃縮プルトニウムを得るには高価な精製機材が不可欠で、その購入資金に闇金融からもカネを借りまくって多重債務に…。当初は完成させた原爆の使い途(みち)にも困ってた彼、ある日「そもそも原爆を都心で炸裂させてやると国家を恐喝すりゃ、いくらでも大金が入る」と気づき実行に移すのだが……ってえ、筋書きだ。
まだ「オタク」って呼称すら生まれてない無い時代に、これほど「趣味の中だけに棲む人種」の生態をピュアに描き切った映画も無いだろう。当時としちゃ、恐ろしいほどの先見性を持ってた珠玉の映画作品だったと思う。
さて。そんな作品から「別の缶ビール登場シーン」を
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主演の教師が自宅キッチンに仮設した「密造ラボ」で、二個の原爆が完成。狂喜乱舞して「原爆に乾杯」してる場面だ。右手に掲げたサッポロ缶(↑ オレンジの円内)の、絵柄が先の正面画像とは上下
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これは別に、沢田研二が持ち間違えているワケじゃない。
そうではなくて、この缶自体がもともと
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これをデザインしたのは(当時の)米国気鋭のデザイナーにして「ブランド戦略のコンサルタント」だったウォルター・ランドー氏。氏は他にも
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なおかつ、その受託例のいずれもが、スチール缶の上下を決めつけないロゴ配置デザインに一番の特色があった。
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社内では黒歴史? 「ランダー」という誤植のまま↓ 世に出てしまった日本麦酒(現在のサッポロビール)の企業広告
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そんなランド―氏は個人じゃ営業活動せず、早くから『ランドー・アソシエイツ』という(世界で初めての)IC戦略コンサルタント会社を設立。企業ロゴ策定の相談ごとに、早い段階から大勢のスタッフを雇っての「分業体制による大手顧客の取り込み」に邁進(まいしん)した。
同社は創業者ランド―氏の没後もデザイン顧問業を引き継いで、アメリカの名だたるブランド運営
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今にして思や、ホントすげえ起業家デザイナーさん❕ だったんだな。
そんな偉人が、「なぜサッポロ缶のデザインを"上下の無い絵柄"に描いたのか❔」 最後にタネ明かししとくと、次の
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そう。氏が初めて(コカコーラやサッポロビールの)ドリンク缶のプリントデザインを依頼された頃は、まだプルトップ缶が世に出てなかった。缶ヌキで飲み口を開けるときに「持って飲むときの缶の上下」が最終決定されるが、それは絵柄から見ると「底面で逆さま」❕❔ ってことも大いにあった。
なので、どっち側を開けられてもブランド銘柄が(周りから)視認されやすいように、彼の考案デザインには「上下が決まってないような工夫」が盛り込まれたんである。
けれどプルトップ缶の登場で、ドリンク缶には出荷時から賞味されるまで一貫した「上下の区別」が付けられた。もうランド―案みたく、デザインで「上下折衷の工夫」を凝らさんでも💧良くなった。
それでも「青色が鮮烈だった頃のサッポロ缶」は郷愁を呼び覚ますんだろう。今回の『極ZERO』みたいな"先祖返り"コーディネートが試みられたり、2009年には期間限定、現行プルトップ缶仕様での『復刻版』が発売
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=了=
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