私が意識を取り戻した時、目の前にあったものは、あのまぶしい緑ではなく、冷たい石の天井だった。村人たちの姿が消えた代わりに、失望が私の目を覆った。ジムが横で、宮本を寝かしつけていた。私は、肩の傷の熱さと包帯のせいで起き上がることができないので、目を天井に向けたまま、ジムに声をかけた。
ジムの話によると、私が気を失った後、村の人たちはすぐに帰ってしまったそうだ。ジムは宮本をちらっと見て、こいつはこいつで、死にたくないって叫びながら中に狂ったように走って行くし、大変だったんだ、と行っていた。ジムは、・・・気づいていない。あの銃口が、私を狙っていたということを。まるで、私たちを、山から出られないようにするかのように。まるで、はるか昔にかけられた“呪い”に生け贄を捧げるかのように。宮本は何と言っていたか、ジムに聞くと、彼は、自分たちはアジア人の怒りに触れてしまったんだ、おまえが撃たれたのは野犬狩りの流れ弾なんかじゃなくて、村人がおまえや自分たちに狙いをつけていたからだ、と言っていた、と言った。やっぱりそうだ。宮本は、気がついている。ジムは、宮本がノイローゼになっていると思い込んでいるのだ。
・・・もう、山を下りられない。下りたら殺される。私は、宮本の衰弱と自分の肩の怪我を理由に、山を下りるのを拒否した。ジムは、こいつまで気が狂ったかとでも言うように、まぁ落ち着け、わかったよ、と軽く生返事をしたきりだった。
(つづく)
ジムの話によると、私が気を失った後、村の人たちはすぐに帰ってしまったそうだ。ジムは宮本をちらっと見て、こいつはこいつで、死にたくないって叫びながら中に狂ったように走って行くし、大変だったんだ、と行っていた。ジムは、・・・気づいていない。あの銃口が、私を狙っていたということを。まるで、私たちを、山から出られないようにするかのように。まるで、はるか昔にかけられた“呪い”に生け贄を捧げるかのように。宮本は何と言っていたか、ジムに聞くと、彼は、自分たちはアジア人の怒りに触れてしまったんだ、おまえが撃たれたのは野犬狩りの流れ弾なんかじゃなくて、村人がおまえや自分たちに狙いをつけていたからだ、と言っていた、と言った。やっぱりそうだ。宮本は、気がついている。ジムは、宮本がノイローゼになっていると思い込んでいるのだ。
・・・もう、山を下りられない。下りたら殺される。私は、宮本の衰弱と自分の肩の怪我を理由に、山を下りるのを拒否した。ジムは、こいつまで気が狂ったかとでも言うように、まぁ落ち着け、わかったよ、と軽く生返事をしたきりだった。
(つづく)