すずりんの日記

動物好き&読書好き集まれ~!

小説「ケンちゃんとの思い出」①

2005年03月20日 | 小説・短編、他
 ケンちゃんは、僕より20も年が上だ。
 ケンちゃんは、正しい名前は「ケンジ」だけど、みんなから、ケンちゃん、ケンちゃんと呼ばれている。
 ケンちゃんは、僕の憧れなんだ。大きくて、優しくて、でもちょっぴり厳しくて。それに、無口で男らしい。ケンちゃんは、僕ん家の隣に住んでいて、僕が産まれる時も、ケンちゃんとケンちゃんの家族と僕の家族で、名前を考えてくれたんだって。ケンちゃんは僕の名づけ親であり、幼馴染みであり、家族の一員なんだ。

 ケンちゃんは、2年前、僕が小学校に入学する時も、朝からずっと傍についていてくれたんだ。その日は、たまたま、ケンちゃん、仕事が休みだったんだ。ケンちゃんは、僕が緊張して着替えをしているのを見て、ちゃんと無事に学校まで行けるのか、心配そうだったけど、僕は、気をつけて行って来いよ、っていうケンちゃんの声を聞いて、さっきまでの緊張が、どこかへぶっ飛んでしまったような気がした。
 ケンちゃんのその一言で、その時僕が、どんなに勇気づけられたか、今でも僕は、はっきりと覚えているよ。


(つづく)
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