次の日僕は、ケンちゃんが一足先に出て行くっていうお母さんの声で、玄関に出て行った。
悲しいくらいに晴れ渡った空だった。
ケンちゃんは、ケンちゃんのお父さんに車で送ってもらうようだった。僕は、車に乗り込んだケンちゃんを見て、思わず叫んだんだ。
「ケンちゃん!どうして行っちゃうの!僕はケンちゃんのことをずっと好きだったのに!ねぇ!!ケンちゃん!!なんとか言ってよ!!」
ケンちゃんは、こっちを向かなかった。涙がぽろぽろと、僕の頬を流れて落ちた。
「ねぇ!ねぇってばぁ!!」
車は、なんのためらいも無く、僕のケンちゃんを、どこかに連れて行った。
誰かが、僕の頭を撫でていた。ケンちゃんのお母さんだった。
「ごめんね。・・・でも、しょうがないのよ。引越し先のマンションでは、ペットは飼っちゃいけないのよ。」
僕のお母さんが、僕の涙を拭きながら言った。
「捨てるのもかわいそうだし、やっぱり保健所でちゃんと処分してもらうしかありませんものね。」
「どんなにかわいくっても、所詮は、犬だったんですよ。」
僕は、――― その時聞いた悪魔の囁きを、今も忘れることはできない。
そして、ケンちゃん、君は、今も僕の誇りだよ・・・。
(おわり)
悲しいくらいに晴れ渡った空だった。
ケンちゃんは、ケンちゃんのお父さんに車で送ってもらうようだった。僕は、車に乗り込んだケンちゃんを見て、思わず叫んだんだ。
「ケンちゃん!どうして行っちゃうの!僕はケンちゃんのことをずっと好きだったのに!ねぇ!!ケンちゃん!!なんとか言ってよ!!」
ケンちゃんは、こっちを向かなかった。涙がぽろぽろと、僕の頬を流れて落ちた。
「ねぇ!ねぇってばぁ!!」
車は、なんのためらいも無く、僕のケンちゃんを、どこかに連れて行った。
誰かが、僕の頭を撫でていた。ケンちゃんのお母さんだった。
「ごめんね。・・・でも、しょうがないのよ。引越し先のマンションでは、ペットは飼っちゃいけないのよ。」
僕のお母さんが、僕の涙を拭きながら言った。
「捨てるのもかわいそうだし、やっぱり保健所でちゃんと処分してもらうしかありませんものね。」
「どんなにかわいくっても、所詮は、犬だったんですよ。」
僕は、――― その時聞いた悪魔の囁きを、今も忘れることはできない。
そして、ケンちゃん、君は、今も僕の誇りだよ・・・。
(おわり)