すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

キヨちゃんワールド

2012-09-03 20:59:00 | うちのキヨちゃん
 長くキヨちゃんの娘をしているが、未だに会話がメビウスリングにはまってしまう事がある。以前、ボケの木に実がなった時
 「何の実だろう?」
 「ボケの木じゃけん、ボケの実じゃない?」
 「見た事ないなあ。」
 「なあ。初めてじゃな。」
 「ほんで、何の実だろう。」
というメビウスリングにはまった。
 今日、仕事をしているとヘルパーさんから電話。
 「今、家の前を通ったけど、干してるものあるよ。雨だよ。」
と、仕事で通りかかったヘルパーさんが心配して電話くれたのだ。
 急いで家に電話。
 「母ちゃん、雨。」
 「知っとるわ。」
 「何か干してない?」
 「入れたわえ。」
多分、洗濯物は入れたのだろうが、何か干したままのはずだった。しかし、言ってもなかなか通じない。しかし、結局これはヘルパーさんの取り越し苦労で、雨に濡れても困らないものだったらしい。
 そして、家に帰ってから雨の話になった。
 「今日は雨だったけん、リュウは外に長くおれなんだよな。」
 「ええ?夕方まで外におったよ。」
 「え?ほんでも雨降ったろう?」
 「降ったよ。物凄い雷で、リュウが怖がって可哀想だった。」
 「ほれ、やっぱり降ったんでえ。ほんなら、外に夕方はおらんかったろうがえ。」
 「雷鳴んりょるのに、リュウ出しっぱなしにやせんわ。」
・・・・?へ?だから、入れたんだろ?
 「稲光がすごくて、ピカッてなった途端に、リュウが慌てて走ってな。母ちゃんすぐに家の中に入れてやったんよ。」
 「・・・だから、夕方より早い時間に中に入れたんよな。」
 「うん。」
 何故か疑問もなく会話は完結する。そして、
 「今日は雷怖かった。リュウも母ちゃんも可哀想だった。」
と締めくくった。褒めてやるべきか、慰めてやるべきか・・・。



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コメント (3)
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