すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

涼しいうちに畑仕事

2012-09-05 22:05:33 | うちのキヨちゃん
 キヨちゃんに限らず、田舎の年寄りは専業でなくても畑をしている。それで、収入を得ている人もいれば、キヨちゃんのようにもっぱら自宅で食べたり、配ったりする程度の人もいる。
 それにしたって、世話は大変なわけで、貰って食べてるだけの私には何も言えないが、朝早くから皆畑に出る。
 特に今の時期は暑いので、早朝涼しいうちに仕事をして、日中は昼寝をするのがキヨちゃんのパターンだ。
 いつもなら5時頃起き出して、ちょっと虫押さえに何か口にしてから畑に行く。その間に私が神仏の水を替えたり、朝食の準備(と言っても、ほとんどあるものを食べてるけど)。ジュースを絞る頃には、戻ってくるので一緒に朝食をとる。
 それが、今朝はぐっすり眠っていて、起きたのは6時を回っていた。それでも、どうしても畑仕事をしたかったキヨちゃんは、
 「こないだの巻き寿司とかないん?」
とにわかに言う。
 「んなもん、いっつもあるかえ。」
 「何か食べんともたん。」
と、結局パンなどを勧めても、ピンとこなかったのか、砂糖菓子を口に放り込んで畑に行った。
 ところが、1時間違えば作業も違ってくるわけで、洗濯物を干し終えても掃除をしても戻らず、仕事の私は先に食べた。いくらなんでももう戻るだろうと、ジュースを絞って畑に呼びに行く。
 「母ちゃん、ええかげんにせな。ご飯食べない。」
 「ええ~。ほんなら、ジュースだけでも飲もうか。ほんでも、家に入ったらもう畑に戻るの嫌になる。」
 などと言うものだから、結局畑にデリバリーサービス。
 働き者のキヨちゃんは、結局昼もろくに食べずに仕事したらしい。涼しいうちにしてしまうはずが、こんな有様である。倒れたらしゃれにならんでよ。

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コメント (2)
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