葛飾北斎は1760年、本所割り下水といわれる場所に生まれ、1849年に89歳で本所でなくなった。そこで、墨田区はその生地近くに「すみだ北斎美術館」を設立、本年11月22日にオープンとなった。
オープンのテーマは、「北斎の帰還」と題して、幻の絵巻「隅田川両岸景色図巻」を全巻一挙初公開というのが売りの文句だ。実際この絵巻は、海外に流出したまま100年余り全く行くへ不明だったのを、オークションで手に入れたものらしい。
この絵巻は、隅田川河口の両国橋、柳橋から隅田川をさかのぼり、両岸の風景を丁寧に描きながら日本堤から歩いて吉原に入り、吉原遊びをしている絵巻で全長7mにも及ぶ大作である。最後は吉原での宴会風景で終わっているが、この絵の中心人物が葛飾北斎の自画像ともいわれるが、その証明がつかないらしい。
このほかに、牛島神社に奉納した絵の複製があった。これは素晴らしい。流行病で大被害がでた時代に、荒ぶる神=須佐能の尊 が疫病の鬼を捕まえてもう2度と悪さをしませんという誓約書を書かせている構図だ。先日どこかのTVが、関東大震災で消滅してしまい、白黒の写真しか残っていない奉納額を現代技術を駆使して、北斎の色合いを再現したものだ。
このほかに北斎美術館で、絵を描いているのアトリエでの北斎の姿を蝋人形的に見せていたのが、リアルでよかったね。
北斎の作品は富嶽36景やいろいろあるが、それら鑑賞は皆様にお任せすることにし、隣の野見の宿祢神社に。
なお、すぐ近くに、前回の河竹黙阿弥の終焉の地のあんない図があった
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