ふううう~~~っ、へちま亭文章塾の投稿作品の推敲も一段落し、これから知人にお披露目です。どんな意見が聞かれるか…わくわく。
さて、今日からは、今から約7年前に書いた短編小説を公開いたします。妙な、アニメ的な雰囲気が、気に入っていなくもない、この作品。
今、改めて読んでみて、ああ、文章って何やってもいいんだな、と考えさせられました。
では、題名「~プロローグ~」です。
『~プロローグ~』
ふうとため息をつくことで、目の前の問題が解決すればこんなに楽なことはないのだが、そんな楽な話はない。
それでもふうとため息をつかねばならないのがこの世の常で、私は深深とため息をついてしまう。
「ふううううう~~っ」
「おいっ」
がんっ! ごろんごろん・・・ごつっ!! しーん・・・
今のはこうべを垂れて私の態勢が前に傾いていたところに急に後ろから押すもんだから、態勢を崩して頭から地面に突っ込み、そのまま前転を三回して前方の木の幹に突っ込んでやっと止まった様子を、擬態語と擬声語で表現したものである。
「そうなったらどうするのよっ!?」
「はっ?」
あたしは高校一年の女の子である。そして今あたしを後ろから突き飛ばしたのは、私のクラスメートの男子である。とりあえずそれだけわかれば十分でしょ?
「・・・で、どうするんだよ?」
「・・・あぁ・・・」
「ああじゃなくて! この状況をお前は何とかしたほうがいいんじゃないか!?」
「そうなのよねぇ」
あたしとこいつの周りには、裸の体に、腰ミノをつけ、手には槍と盾みたいのを持った、アフリカに住んでるどこかの部族の原住民みたいのが十人くらいで、輪になって踊っていた。
嘘じゃないし、夢でもない。
だからあたしは困っている。
その原因が、今あたしたちの足元にある本にあるみたいなのだが、そんな原因がわかったところで、目の前の問題が解決しなきゃあ、全然意味がない。
その目の前の問題が、あたしたちを見つめている。そして目線をあたし達から逸らさないままで、グルグルと踊りながら回っている。
そっちの方にあんまり目をやっていると、頭がくらくらしてくる。
「・・・俺、眠くなってきた」
「ばかっ! こんなときにどうしてあんたは・・・」
「きっとこいつらの踊りには催眠効果があるのだ・・・」
「そういう問題じゃぁないっ!!」
あたしはゲシ!と頭をぶっ叩く。
それにしても・・・
ここは、学校の図書館の地下にある、書庫の中のはずである。
しかし、いつのまにか、まわりの景色は、植物の生い茂った・・・ジャングル、とでもいうような様子に変わっている。
この本のページを開いた時には、まだまわりは書庫だった・・・
とりあえずこの場を逃れたいのだが、この原住民が邪魔をして、ここから抜け出すことが出来ない。
「あんた、こいつらと戦える?」
「冗談ゆうなよ」
「・・・聞いてみただけ。」
ここが本の中の世界だったら、そろそろ誰かが助けに来るとか、こいつらがあたしたちを捕まえるとか、もちろんそれはいやだけど、何か新しい展開があっていいはずなのに、そんな兆しもない。
「・・・どうしようか」
「どうしようもないねぇ」
・・・ったくこいつは・・・こんな状況下で全然態度が変わらないのはすごいと思うけど、ちっとは状況を変える努力をしてみろ!! せめて嘘でもいいからふりだけでもしてみせてくれっ!!
「戦ってみようか」
「そんなの嘘でしょ」
「よくわかった」
「・・・殺す」
次の瞬間、あいつが原住民に向かって駆け出した。そのままタックルを食らわす。
「へ?」
固まったまま動けないあたし。
体当たりした勢いで倒れこんだあいつが、あたしの方に目をやろうとした瞬間・・・
大地が揺れた。
恐慌をきたす原住民達。あいつがあたしの手を引いて逃げ出す。
駆けてきた後ろを見返ると、原住民達はまだひたすらおろおろしている。殊勝にもまだ舞を続けようとしている奴、地面に這いつくばって動けなくなっている奴、なんだかよくわからないが突っ立ったままでふらふらしている奴。けれどなぜか一人として、あたしたちを追いかけようとする奴はいなかった。そりゃあほっとはしたけど、なんだかちょっと物足りないような・・・
* * *
こんなんで、続きは明後日。
では。
さて、今日からは、今から約7年前に書いた短編小説を公開いたします。妙な、アニメ的な雰囲気が、気に入っていなくもない、この作品。
今、改めて読んでみて、ああ、文章って何やってもいいんだな、と考えさせられました。
では、題名「~プロローグ~」です。
『~プロローグ~』
ふうとため息をつくことで、目の前の問題が解決すればこんなに楽なことはないのだが、そんな楽な話はない。
それでもふうとため息をつかねばならないのがこの世の常で、私は深深とため息をついてしまう。
「ふううううう~~っ」
「おいっ」
がんっ! ごろんごろん・・・ごつっ!! しーん・・・
今のはこうべを垂れて私の態勢が前に傾いていたところに急に後ろから押すもんだから、態勢を崩して頭から地面に突っ込み、そのまま前転を三回して前方の木の幹に突っ込んでやっと止まった様子を、擬態語と擬声語で表現したものである。
「そうなったらどうするのよっ!?」
「はっ?」
あたしは高校一年の女の子である。そして今あたしを後ろから突き飛ばしたのは、私のクラスメートの男子である。とりあえずそれだけわかれば十分でしょ?
「・・・で、どうするんだよ?」
「・・・あぁ・・・」
「ああじゃなくて! この状況をお前は何とかしたほうがいいんじゃないか!?」
「そうなのよねぇ」
あたしとこいつの周りには、裸の体に、腰ミノをつけ、手には槍と盾みたいのを持った、アフリカに住んでるどこかの部族の原住民みたいのが十人くらいで、輪になって踊っていた。
嘘じゃないし、夢でもない。
だからあたしは困っている。
その原因が、今あたしたちの足元にある本にあるみたいなのだが、そんな原因がわかったところで、目の前の問題が解決しなきゃあ、全然意味がない。
その目の前の問題が、あたしたちを見つめている。そして目線をあたし達から逸らさないままで、グルグルと踊りながら回っている。
そっちの方にあんまり目をやっていると、頭がくらくらしてくる。
「・・・俺、眠くなってきた」
「ばかっ! こんなときにどうしてあんたは・・・」
「きっとこいつらの踊りには催眠効果があるのだ・・・」
「そういう問題じゃぁないっ!!」
あたしはゲシ!と頭をぶっ叩く。
それにしても・・・
ここは、学校の図書館の地下にある、書庫の中のはずである。
しかし、いつのまにか、まわりの景色は、植物の生い茂った・・・ジャングル、とでもいうような様子に変わっている。
この本のページを開いた時には、まだまわりは書庫だった・・・
とりあえずこの場を逃れたいのだが、この原住民が邪魔をして、ここから抜け出すことが出来ない。
「あんた、こいつらと戦える?」
「冗談ゆうなよ」
「・・・聞いてみただけ。」
ここが本の中の世界だったら、そろそろ誰かが助けに来るとか、こいつらがあたしたちを捕まえるとか、もちろんそれはいやだけど、何か新しい展開があっていいはずなのに、そんな兆しもない。
「・・・どうしようか」
「どうしようもないねぇ」
・・・ったくこいつは・・・こんな状況下で全然態度が変わらないのはすごいと思うけど、ちっとは状況を変える努力をしてみろ!! せめて嘘でもいいからふりだけでもしてみせてくれっ!!
「戦ってみようか」
「そんなの嘘でしょ」
「よくわかった」
「・・・殺す」
次の瞬間、あいつが原住民に向かって駆け出した。そのままタックルを食らわす。
「へ?」
固まったまま動けないあたし。
体当たりした勢いで倒れこんだあいつが、あたしの方に目をやろうとした瞬間・・・
大地が揺れた。
恐慌をきたす原住民達。あいつがあたしの手を引いて逃げ出す。
駆けてきた後ろを見返ると、原住民達はまだひたすらおろおろしている。殊勝にもまだ舞を続けようとしている奴、地面に這いつくばって動けなくなっている奴、なんだかよくわからないが突っ立ったままでふらふらしている奴。けれどなぜか一人として、あたしたちを追いかけようとする奴はいなかった。そりゃあほっとはしたけど、なんだかちょっと物足りないような・・・
* * *
こんなんで、続きは明後日。
では。