おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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ONE EYES 第0-2場 『変わらない部屋』

2007年07月28日 01時36分27秒 | 戯曲・戯小説『ONE EYES』
 "ONE EYES"前回からの続きで、初演では特に大道具などの変化もなく、
 照明だけの変化で場転しました。

※写真は0-1場後半のもの。

   * * *

     舞台上が変化し(照明のみの変化でも可)、場面が変わる。
     そこには登場人物全員が集まっている。
     現実のような、夢の中のような、それでいて懐かしく温かい風景。

みどり「あのさあ、こんなに大勢の人が集まるなんてそうそうないじゃない。それも廃校になった学校の中で。かっこいいじゃん。記念になると思わない?秘密のパーティーみたい。こうゆう時にお約束なのは、記念写真よね。ねえ、みんなで集まって写真撮らない?」
麻衣子「はぁーっ?なに言ってんのあんた?」
恵美 「(みどりに)私とあなた、初対面ですよね」
慎平 「これがパーティーかよ」
みどり「まあそうなんだけど、いいじゃん、撮ってみようよ」
修  「いいじゃん、撮ろうぜ。出来たらちょうだいね、みどりちゃん」
みどり「もちろん、」
麻衣子「あたしパス!意味ない!」
修  「え~麻衣ちゃ~ん、」
麻衣子「あんたはうるさい!」

     間。

慎平 「あぁ、撮ろうか。そんな気になってきた」
みどり「でしょ慎平君さっすが!」
恵美 「まあいっか、撮ってみよう。確かにいい記念かもね」
麻衣子「えー、ウザイ」
恵美 「いいじゃん麻衣、撮ってもらおうよ」
麻衣子「はなれて見てるー」
修  「麻衣ちゃん、一緒に写ろうよ。いい思い出になるよ」
麻衣子「えー、ここの卒業生同士で撮んなよ。あたしは関係ないって事で」
みどり「じゃあ皆さん並んでください」

     他のメンバーは適当に返事をする。
     そして全員適当に集まる。
     みんなダラダラしてるのに我慢できなくなり、修が仕切り始める。

修  「ほらっ、前の人は座って! 慎は高い方なんだから後!(もしくは、「慎は前で座って!」など)」
慎平 「なんだよお前張り切ってるな」
恵美 「修くんカッコいいー」
麻衣子「(遠くから)そう?普通じゃん」

     修内心ショック。
     でもそれを表には出さず“人員を整備”する。
     次第に写真を写せる状態にまとまってくる。

みどり「もっと集まって!入りきらないですよ」
慎平 「みどりちゃんカメラはー?」
みどり「あっ…それに気付いてなかったなー」
将  「みどり相変わらず抜けてる」
みどり「…うるさいな」

     ポッケやカバン、さまざまなところを探るみどり。

みどり「あれっ?いつも持ってるのに今日はない。いいや、携帯のカメラで我慢して」
将  「みどり、僕デジカメ持ってるからこれで撮ってあげるよ」
慎平 「あっ俺も持ってる!」
みどり「ホント?嬉しい!ほんとはあたしも写りたかったんだよね」

     慎平の一言はスルー。所在無げになる慎平。

     将、カメラポジションに移動。

麻衣子「あっ、将くんが撮るの?ならあたしも入る!」

     みどり、ムッとする。

将  「じゃあいいかな…よし全員入ってる」

     将、カメラを構える。
     撮られる方も構える。
     将、なかなか撮らない。
     首なぞ捻っている。

みどり「早く撮りなよ」
将  「…んー…なんか、表情が硬い」
慎平 「そう?」
将  「うん」
千夏 「みんな硬いってー」
みどり「どうしろってのよ」
将  「そうだな…全員首でも回して下さい」
みどり「何よそれ?」
将  「いいから、グルグルと」
徹  「え?」
みどり「なんなのよ一体…?」
将  「回して下さい」
麻衣子「将さん何か考えがあるんですよ、言う通りにしましょう?」

     皆、グルグルと首を回し始める。

将  「ストップ!撮るよ」

     全員、そのままの姿勢で止まるが、

矢崎 「ちょっと待て!」
みどり「やだよそんなの!(皆に)ねえ?」
慎平 「将くんどういうつもり?」
将  「いいんですよ、もうどこ向いたって……頭固いなぁ。但しレンズだけは見ないで下さい、あとはどこ向いてもいいですから」
恵美 「なんだかなあ…」
慎平 「写真一枚撮るのに、大変なんだな」
麻衣子「だから将さんには考えがあるんですって!」
千夏 「早く撮りましょ!」
将  「いくよ!」
将を除く全員「はーい」

     シャッターを切る音がする。

     光がみどりに集まる。

全員 「そのとき撮った写真は、今も私の中に在ります」
みどり「その写真は、好きだった人が撮った物だからというだけではなく、いつも、私に何かを伝えてくれようとしていました。……彼が去ってからも、私はずっと此処に居ます。私に何が起こっても、一人きりになってしまうことがあっても、私はこの場所に居続けようと思います。……いつか、何年かあとに、また私は彼に出会うかも知れません。そのときは、わらえたらいいと思うのです。……だから、」
全員 「私はずっと、この写真の、この場所、そしてこの場所にいた人達…この眼差しを、絶対に忘れません!」

     ブリッジの曲が始まる。

男性陣「劇団○○、」
女性陣「○回公演、」
全員 「『ONE EYES』!」

     ここでダンスが入ってもよいね。

   * * *

 ここまではプロローグです。

 (あれば)ダンスの後、本編が開始します。

 初演の時は、ダンス同好会に入っていて、僕たちの演劇研究会に移ってきた
友人に頼んでダンスの振付をしてもらいました。

 結構ダンスって体力を消費するものなんですよねー

 ま、僕は踊ってないのですが