おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
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SUKYSH CLOUD~太陽の降る村~ その4

2011年05月17日 06時56分20秒 | SUKYSH CLOUD
○ファーネスの村・キロの家の中
  通された部屋は、応接間兼居間といった感じの部屋で、
  キロの言う通り、あまり広くはなかった。
  テーブルと椅子を片付けて、
  ライタとボイスカとバルシアの三人が
  なんとか横になれる程度の広さだった。
  部屋の内装は、玄関から向かって右に大きな姿見の鏡がある。
  そして左側には衣服入れがある。
  部屋の中にあるのはそれくらいのものだったが、
  部屋全体にきちんと掃除が行き届いていて、小綺麗な、
  住む人の人柄が偲ばれるような、気持ちのいい部屋だった。

  キロは奥の部屋でお茶を淹れている。

バルシア「どーぞおかまいなくぅ」

  キロが、淹れたお茶を持って部屋に入って来る。

キロ「裏の山で採れた薬草を煎じたものです。旅の疲れなんて吹き飛
  びますよ。どうぞ」
ライタ「いただきまーす!」

  ライタは出されたお茶を一気に飲み干す。

ライタ「……ひえっ、辛っ、苦っ……!」
キロ「………」
ライタ「ちょっと……水、もらえるかな?」
キロ「……待って下さい」

  キロは再び奥の部屋へと引っ込む。

バルシア「一気に飲むからよ……それにしてもこのお茶、不思議な味
    ねえ」

  そこにキロが戻ってくる。
  そして、ライタに水を渡す。
  ライタは急いで水を飲む。

キロ「味は保証しかねますが、効き目は抜群です。魔法の薬といった
  ところですね」

  ボイスカがキロに向き直る。

ボイスカ「お前さん、魔法使いかね?」
キロ「えっと……そんな大それたものじゃないんですけど、精霊魔法
  がいくつか使えます。そのお茶も、精霊魔法の力を応用して作っ
  たもので……」
ライタ「魔法使いかあ! 初めて会ったよ。話には聞いてたけど、炎
   を呼んだり、水を呼んだり出来るんだろ?」
キロ「……はい……まあ」
ライタ「すごいなー!」
バルシア「そういえば自己紹介がまだだったわね。私はバルシア。フ
    ィンドゥーマ教の司祭よ。よろしくね」
キロ「よろしくお願いしますぅ」
ライタ「俺はライタ。旅の剣士だ。よろしくな」
キロ「……はい」
ボイスカ「わしはボイスカ。この自信過剰(ライタの事)の師匠として
    この旅に同行しておる」
キロ「………」
バルシア「さて、自己紹介が済んだところで、本題に移りましょうか。
    単刀直入に聞くけど、キロちゃん、さっきは何故あんなのに
    追いかけられていたの?」
キロ「それは……話せば長くなります。よろしいですか?」
バルシア「もちろん! ね?」
ライタ「ああ、もちろんだよ」
ボイスカ「わしも興味があるの」
キロ「最近なんです。あの警備ロボットが村の至る所に現れたのは」
ボイスカ「警備ロボット? 何を見張っとるんじゃ?」
キロ「ゴウリの実です。この村にはあちこちにゴウリの木が生えてい
  るんですが、この実には不思議な力があるんです」
ライタ「不思議な力? どんな?」
キロ「私には祖父がいて――その奥に寝てるんですが――病気で、そ
  の病気の薬になるのはゴウリの実だけなんですんです。その他に
  も、魔法の力を応用すれば、ゴウリの実を媒介にして、様々な奇
  跡を起こすことが出来ると聞いています」
ライタ「そのゴウリの実と、警備ロボットと、なんの関係があるんだ
   ?」
バルシア「その不思議な力を持つ実を、アイグラント帝国が独占しよ
    うとしているのね、きっと」
キロ「その通りです。昔はこの村の人なら誰でも自由に拾い集めるこ
  とが出来たのに、今ではあのアイグラント帝国のロボットの目を
  盗んでしか採取することが出来なくなってしまいました」
バルシア「さっきはおじいさんの為にその実を集めていたところを、
    警備ロボットに見付かってしまったというわけね」
キロ「そうです。これまでは上手くやっていたのに、今日初めて、見
  付かりました。皆さんがいらっしゃらなければ、どうなっていた
  か想像もつきません。本当にありがとうございました」
ライタ「アイグラントの奴らに襲われている人を黙って見過ごすわけ
   にはいきませんよ。ねえ、師匠」
ボイスカ「ああ、当然じゃ」
キロ「ありがとうございます。それでは皆さんお疲れでしょう。狭い
  家ですが、ゆっくりお休み下さい」
ライタ「ちょっと待った! 出来たらでいいんだけどさ、そのゴウリ
   の実ってやつを見せてもらえないかな」
バルシア「私も興味あるな」
キロ「あぁ、いいですよ。ちょっと待ってて下さい」

キロ、奥の部屋へ引っ込む。
しばらくして部屋に戻ってくる。

キロ「……これです」
ライタ「……へえ~っ!」
バルシア「綺麗ね」

  ゴウリの実は、ふわふわとして光沢のある、銀色の綿毛に
包まれていた。

キロ「綺麗でしょ? でも用があるのは中身の方。こうして割って、
  中を取り出すんです」

  キロはテーブルの上で、右手に持った金属の道具で、
器用に中身を取り出した。

キロ「これに魔法的な作用を施して、おじいちゃんの薬にするんです」
ライタ「……これ生で食べたら、美味い?」
バルシア「ばっかねぇ。これ今は希少価値なんだから、そんな贅沢な
    こと言えないでしょう?」
キロ「昔は私もよく生で食べてました。甘酸っぱくっておいしいです
  よ」
ライタ「食べてみたいぃーっ。アイグラント帝国、やっぱり許すま
   じ!」
ボイスカ「……じゃあそろそろ寝ることにするかの。キロさん、我々
    が寝るのはこの部屋でいいのかな?」
キロ「そうです……狭いけど我慢してください」
ライタ「そんな……宿代が浮くだけで大助かりだよ」
バルシア「キロちゃんはどこで寝るの?」
キロ「私は奥の部屋にベッドがありますから。……あっ、布団出しま
  すね」
バルシア「ありがとう。どこにあるの? 手伝うわ」
ライタ「あぁ、おれも」

  バルシアとライタは自分たちの寝る布団を奥の部屋から出して、
  部屋に敷いた。

バルシア「それじゃあ、お休みなさい」
キロ「はい。お休みなさい」

ライタ達はそのまま眠りについた。

  キロはその晩、小さな水晶球を前にして、呪文を唱えていた。

キロ「……やっぱりあの人達についていくのが私の運命なのね……で
  も……おじいちゃん、どうしよう?」


 おっはようございますう~
 お休み機関に入ったとはいえ、何やかやと忙しい、おっちーです~
 昨日はパソコンスクールで、今日はデートですう。
 昨日彼女、調子悪そうだったからなあ。(メールで話して、電話でお母さんに様子を訊いただけですが)
 今日は大丈夫かなあ。
 ちょっと心配なんです。
 今日、会えたらいいな。