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ブリンケンの対韓荒療治とは❔
菅政権の公明党と同じく中国は敵か味方かハッキリしろと言ってるだけ。
つまりアメリカが韓国の蝙蝠外交に遠慮をしなくなってきただけ。
米国がいきなり韓国に戦争を仕掛けなくても、日米が金融制裁するだけで韓国は沈没する。
韓国の二股外交の終焉だ。
日米共同宣言は中国を名指しで批判した。
一方米韓共同宣言は中国を批判せず。
文政権のウソつき体質を知り尽くしたブリンケン米国務長官は記者団の前で直言する荒療治・ブリンケ療法を行った。
韓国側の報道はやはり「都合の良い解釈」が見受けられる。
米国も初めての外遊で初対面の場合は「リップサービス」が多々ある。
だが嘘つき韓国の場合は別問題。
記者団の前で本音攻撃の荒療治をした。
実際に翌日のアラスカ会談ではかなり激しい会談になっている。
今後は米国も韓国には特に厳しい態度で迫ってくるだろう。
>同盟国アメリカを取るのか、中国・北朝鮮にすり寄り“南北首脳会談再び”という夢を追い続けるのか。
文在寅政権の苦悩は深まるばかりだ。文政権には後者をぜひ選択いただきたい。
欧米諸国は覇権国家・中国の動きに反対する流れになっている。
韓国のように国防は米国、経済は中国などとのコウモリ外交はいつまでも続くわけがない。
近いうちにどの国からも相手にされなくなるだろう。
少なくても米国と日本はもう韓を見捨てた。
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「日米2プラス2」とあまりに違う…「米韓2プラス2」は中国と北朝鮮でギクシャク 韓国 “置き去りにされる”懸念も
バイデン米政権のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が、政権発足後初の外遊として日本と韓国を訪問し、それぞれの国で外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)に臨んだ。
歴代米政権で国務長官の最初の訪問地にアジアが選ばれるのは異例で、バイデン政権が「最も重要な競争相手」と位置付ける中国に、同盟強化で対抗する意図が込められていた。アメリカにとってはインド太平洋地域に中国包囲網を形成するための布石となる外遊だったが、両高官を迎えた日韓両国では協議は対照的な結果に終わった。
日米では中国を名指し批判
まずは3月16日に東京都内で開かれた日米2プラス2。 会談後に発表された共同文書では、中国を名指しして「ルールに基づく国際体制を損なう(インド太平洋)地域の他者に対する威圧や安定を損なう行動に反対する」と批判、日米が連携して中国に対峙していく姿勢を鮮明にした。 また、中国海警局の武器使用権限を明確化した海警法への深刻な懸念と共に、沖縄県・尖閣諸島の防衛に日米安保条約5条が適用されることを改めて確認した。過去の日米2プラス2では中国を名指しすることはなく、中国への警戒感を前面に打ち出した形だ。 北朝鮮については「北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認」し、安保理決議の義務に従うよう求めた。また、拉致問題の即時解決についても必要性を確認した。
「中国」「非核化」抜きの米韓共同声明
一方、その翌日にソウルで開かれた米韓2プラス2。共同声明の中味は、日米の発表とはあまりにもかけ離れていた。アメリカにとって最優先事項のはずの「中国」と「北朝鮮の非核化」の文字が抜け落ちていたのだ。 「域内の安全保障環境への挑戦が高まるなか、韓米同盟が共有する価値は、ルールに基づく国際秩序を損ない、不安定にするすべての行為に反対するという、両国の公約を支えている」 「韓米は平和と安定を維持し、合法的取引を妨害されず、国際法を尊重するという両国共同の意志を強調した」 「韓米は、韓国の(東南アジアに向けた)新南方政策での連携・協力を通して、自由で開かれたインド太平洋地域を作るために、共に協力していく決意を再び強調した」 いずれも中国を念頭にしたと見られるが、名指しは避けている。中国を刺激したくない韓国の意向が反映された結果だ。 中国は韓国の最大の貿易相手国であり、簡単には逆らえない相手だ。かつて地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備をめぐって、中国に事実上の経済制裁をかけられ大打撃を被ったトラウマがある。北朝鮮の後ろ盾でもある点を勘案すれば、中国の機嫌を損ねたくないのが本音だ。 北朝鮮についても日米2プラス2での「北朝鮮の非核化」という表現はなく、「北朝鮮の核・弾道ミサイル問題が同盟の優先関心事であることを強調し、この問題に対処し、解決するという共同の意思を再確認した」にとどめた。 北朝鮮が「非核化」を論じる際、その対象を「朝鮮半島」としている。米国の「核の傘」の撤廃も求めており、北朝鮮だけが非核化することに反発しているためだ。そのため「北朝鮮の非核化」は、北朝鮮を刺激すると考える韓国側の意向が反映され、回避された。 バイデン政権は現在、トランプ政権時代の北朝鮮政策の見直しを進めている。ただ「北朝鮮の非核化」を目指す方針は揺るぎなく、米韓2プラス2では両者の違いが際立った。
アメリカの本音爆発、韓国離れの懸念
生煮えの共同声明に不満を募らせたのか、ブリンケン国務長官は記者会見で本音を爆発させた。 まず、中国については「我々は、中国が一貫して約束を破っていると認識している」と明言し、中国がいかにインド太平洋地域の安全を脅かしているか議論した、と明かした。 その上で「中国に対して同盟間で共同歩調を取ることが必要」「中国の反・民主主義的行動に対抗することが重要」と訴え、韓国に対中政策で足並みを揃えるよう迫った。 北朝鮮問題でも「我々は『北朝鮮の非核化』に専念している」と明確に述べ、韓国との見解の相違を鮮明にした。北朝鮮をめぐっては、人権問題にも言及し、「北朝鮮住民は圧政的な政権の下で、広範かつ体系的な人権蹂躙を受けている」と厳しく批判した。 北朝鮮の人権問題に関しては、文在寅政権は問題提起を避けるような対応を取ってきた。北朝鮮非難のビラ散布を禁止する法律を成立させたり、国連の北朝鮮人権非難決議の共同提案国にも2年連続で不参加を決めたりしている。こうした姿勢はアメリカだけでなく国際社会からも問題視されている。
韓国に“踏み絵”
今回の米韓2プラス2が浮き彫りにしたのは、同盟を重視するバイデン政権が中国や北朝鮮に向き合う際、韓国の積極的な協力は期待できないという点だ。このため、アメリカの韓国離れが加速する恐れも出てきた。 その兆候は既に表れている。日米豪印4カ国の集まり(QUAD=クアッド)だ。 バイデン政権は、中国の台頭に対する懸念や民主主義的価値観を共有するQUADの枠組みを、インド太平洋政策の土台として重視している。4カ国首脳によるオンライン会議も開催され、域内でのワクチン支援などを打ち出した。 米韓2プラス2の共同記者会見でもこのQUADに関する質問が出た。 韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外相は「QUADに対する直接の論議はなかった」と振り切る一方、ブリンケン長官はQUADを「志を同じくする国々の非公式なグループ」と規定した上、「我々が直面している課題に対処するのに、日米韓、米韓、日米を含む準地域グループでの取り組みが非常に有益だ」と述べ、韓国の参加に含みを持たせた。 韓国は今回の2プラス2を通して、中国や北朝鮮、さらには日韓問題でアメリカに同調できるか“踏み絵”を突きつけられた形だ。同盟国アメリカを取るのか、中国・北朝鮮にすり寄り“南北首脳会談再び”という夢を追い続けるのか。文在寅政権の苦悩は深まるばかりだ。 【執筆:フジテレビ 解説副委員長(兼国際取材部) 鴨下ひろみ】
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バイデンの最後通牒を蹴り飛ばした文在寅 いずれ米中双方から“タコ殴り”に
鈴置高史 半島を読む 国際 韓国・北朝鮮 2021年3月22日掲載
速報韓国の明日を占う釜山市長選挙 勝手に争点にされた「日韓海底トンネル構想」のトンデモ
民主主義の側に戻れ
鈴置:3月17、18日にソウルで開いた米韓の閣僚会議は両国の間に深い溝があることを世界に知らしめました。中国包囲網を作ろうとする米国が民主主義国家の側に立つよう求めたのに対し、韓国がソッポを向いたのです。
破綻が明白になったのは3月17日の米韓外相会談でした。会談の冒頭、A・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官を横に置いて、中国と北朝鮮の非道を強く非難したのです。
中国に関しては香港の自治侵害、台湾への圧迫、新疆ウイグル自治区とチベットでの人権侵害、南シナ海での国際法違反を、北朝鮮については同国国民に対する組織的で広範囲の人権侵害を指摘しました。原文を米国務省の資料から引用します。
・China is using coercion and aggression to systematically erode autonomy in Hong Kong, undercut democracy in Taiwan, abuse human rights in Xinjiang and Tibet, and assert maritime claims in the South China Sea that violate international law. And the authoritarian regime in North Korea continues to commit systemic and widespread abuses against its own people.
さらに「米韓同盟は価値を共有する」「人権と自由、法治を重視する自由で開かれたインド太平洋という未来を共に実現したい」「もちろん、米韓は価値を共有している」「我々は基本的権利と自由を求める人々の側に立ち、弾圧する側に反対せねばならない」などと、韓国に対し「民主主義の側に戻れ」と繰り返し要求したのです。
・ The alliance is unwavering, it’s ironclad, and it’s rooted in friendship, in mutual trust, and in shared values.
・We want to achieve our shared vision of a free and open Indo-Pacific, anchored by respect for human rights, for democracy, for the rule of law.
・And, of course, we’re standing together in support of our shared values.
・We must stand with people demanding their fundamental rights and freedoms and against those who repress them.
ハンギョレは「ブリンケン米国務長官、中国・北朝鮮に強硬発言…韓国に同調を要求」(3月17日、韓国語版)で、「会談場を凍りつかせた爆弾発言」と評しました。
米国を甘く見ていた
――なぜ、「凍りつかせた」のでしょうか。
鈴置:文在寅(ムン・ジェイン)政権は中国と北朝鮮の顔色をうかがって、両国の非道を一切、批判しません。言及さえしないのです。
その韓国に対し米国の国務長官が「中朝を非難せよ」と公式の場で命じた。それも会談の冒頭、いわゆるメディア用語でいう「頭撮り」の時間ですから記者もカメラも入っている。
メディア含め韓国側は、公開の席で米国から立ち位置を明確にするよう求められるとは思ってもいなかった。そんなことになれば米韓の亀裂が世界に明らかになってしまう。米国にそこまでの覚悟はない、と甘く考えていたのです。
中央日報の「韓米外相会談、予想外の決心発言『北朝鮮の人権蹂躙に対抗せよ』(3月18日、日本語版)で、虚を突かれた韓国側の心情を吐露しています。
・この日の会談の冒頭発言はメディアに公開することで事前に合意していた。それをよく分かっていたブリンケン長官が冒頭発言でこのように中国を直撃したのは今回の訪韓で該当懸案を重要に扱うという意図を示したとみられる。
・ブリンケン長官の発言は予想より度合いが強いというのが外交街の見方だ。当初同盟の修復を強調するバイデン行政府は初対面のような会談で異見を呈するような議題は公開的には取り上げないだろうという見方が多かったためだ。
バイデンの最後通牒を蹴り飛ばした文在寅 いずれ米中双方から“タコ殴り”に
鈴置高史 半島を読む 国際 韓国・北朝鮮 2021年3月22日掲載
韓国民に直接「踏み絵」
――ブリンケン長官はなぜ、公開の席で韓国を叱りつけたのでしょうか。
鈴置:文在寅政権にいくら「中朝にゴマをするのをやめ、米国側に戻れ」と言ってもらちがあかない。翌18日の2+2(外務・防衛担当閣僚会議)の後に発表された米韓共同声明にも、中国や北朝鮮への非難は盛り込まれませんでした。韓国が反対したからです。
そこでブリンケン長官は韓国メディアの前で「人権弾圧を批判しろ」と語ることで、韓国人に直接「米国をとるのか、中国か」と迫ったのです。
バイデンも使った「直接話法」
――米国も強引な手を使いますね。
鈴置:韓国に対しては特別です。韓国は会談内容を自分に都合よく発表するからです。会談の場でいくら米国が要求しても、韓国政府は「米国から要求はまったくなかった」などと発表します。
バイデン(Joe Biden)大統領が副大統領だった時に同じ手を使いました。2013年12月6日、朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談した際の冒頭発言で「米国の反対側(中国)に賭けるな」と語ったのです(「かつて韓国の嘘を暴いたバイデン 『恐中病と不実』を思い出すか」参照)。
日米韓の軍事協力を求める米国に対し、朴槿恵政権は「慰安婦など歴史問題で日本の態度が悪い」ことを掲げ拒絶していた。そこでバイデン氏は「日本の問題ではなく、本当は中国が怖いからだろ」と図星を突いたのです。
韓国記者の前で指摘することで「米国はすべてお見通し。つまらぬ言い訳はもうするな」と韓国民に直接伝えようとしたわけです。
もっともこの発言は短く、表現もやや抽象的だったので韓国政府は当初、「通訳のミス」と言い張りました。それが功を奏さないと次には「バイデンは失言王」などと宣伝、反米感情を掻き立て、国民の目を米国の怒りからそらすのに成功しました。
今回はさすがに韓国政府も誤魔化せませんでした。ブリンケン長官がくどいほど「民主主義の側に戻れ」と語ったからです。どんなに勘の鈍い記者でも韓国批判と気づきます。
元慰安婦は国務長官に抱きつけず
――韓国メディアはブリンケン発言を隠さず報じたのですか?
鈴置:3月12日の国務省の定例会見では「慰安婦問題を蒸し返すな」との趣旨の報道官の発言を、ほぼすべての韓国メディアが無視するか、歪曲して報じました(「元慰安婦は今度は国務長官に抱きつくのか 米国の怒りを報じない韓国メディアの歪曲報道」参照)。
3月17日のブリンケン発言では韓国批判部分はきちんと引用しました。ただ、「アトランタ事件への哀悼」部分はほとんどの媒体が無視しました。
3月16日、米ジョージア州アトランタで起きた連続銃撃事件で、マッサージ・パーラーで働く女性が多数、殺されたのですが、うち4人が韓国系でした。
人種犯罪の可能性が濃いと見られたこともあったからでしょう、ブリンケン国務長官は冒頭発言で深い哀悼の意を表しました。普通だったら韓国メディアは「被害国民に米高官が謝罪した」と大々的に報じるはずですが……。
――「アトランタ事件への哀悼」が韓国で報じられなかったのは?
鈴置:殺されたのがマッサージ・パーラーで働く人だったためと思われます。韓国人は風俗産業の従事者を激しく差別します。遠い国で働く同胞がひどい目に会っても、職業故に同情しないのです。彼らを利用できる時は別ですが。
なお唐突ですが、「元慰安婦は今度は国務長官に抱きつくのか 米国の怒りを報じない韓国メディアの歪曲報道」で言及した、元慰安婦のブリンケン長官との面会は実現しませんでした。
その結果、「D・トランプ(Donald Trump)大統領に抱きつく元慰安婦」シーンは、ブリンケン長官では再現できませんでした。
仲間外れに転落
――米韓亀裂を韓国紙はどう報じましたか。
鈴置:もちろん、保守系紙は「米国離れ」に警告を発しました。文在寅政権の「離米従中」を批判した中央日報の社説「韓米外交・国防長官会議で明らかになった米国の基調変化、直視するべき」(3月19日、日本語版)から引用します。
・米国務長官がソウルで北朝鮮人権はもちろん、香港・新疆の人権弾圧を具体的に取り上げて共同対応を要求したのは前例がないことだ。ブリンケン国務長官は本会談でも、北朝鮮・中国の人権に対する韓国の明確な立場表明と韓日関係改善を求めたことが分かった。
・韓国政府が従来の戦略的曖昧性だけを守って受け入れを避ける場合、大韓民国は同盟の蚊帳の外に置かれて仲間はずれの境遇に転落する公算が大きい。
朝鮮日報の社説は主に文在寅政権が「北朝鮮の非核化」を主張しなかったことに焦点を当て、その「従北」ぶりを非難しました。「文政権が韓米共同声明に『北の非核化』を盛り込まないよう動いた」(3月19日、韓国語版)のポイントを翻訳します。
・現在、韓米同盟の最大の懸案は北の核だ。しかし韓米共同声明のどこを見てもその言葉は見当たらない。「北の核・弾道ミサイル問題が優先的な関心事であり解決する」とあるだけだ。
・米国は日本との2+2の共同声明で「完全な北朝鮮の非核化」を明示した。韓米共同声明だけから「非核化」が抜けたのは、韓国側の要求と見るほかない。「なぜ、抜けたのか」との質問に、外交部は「分量制限のため」と答える。笑うべきなのか、泣くべきことなのか。
・こうして金正恩(キム・ジョンウン)ショーをもう一度やり、次の大統領選挙で勝つことがこの政権の目標であろう。彼らは遠からず北の核の黙認とほう助という本性を現すだろう。
両紙共に、今回の米韓2+2を通じ、中国と北朝鮮に言いなりの文在寅政権の本質が噴出した、と糾弾したのです。
「最も弱い輪」の次は日本
――中国はさぞ、喜んだでしょうね。
鈴置:中国共産党の対外宣伝媒体、Global Timesは米韓共同声明が発表された3月18日の夕刻に、いち早く「China-free US-SK joint statement shows Seoul’s rationality, pragmatic consideration of geopolitical interest: analysts」を掲載しました。
見出しを見るだけで分かりますが「米国は米韓共同声明に対中非難を盛り込むのに失敗した!韓国よ、よくやった。褒めてやるぞ」と小躍りする記事です。
「米国側の駒を1枚、減らした」というだけではありません。「韓国抱き込みをテコに中国包囲網を崩す」作戦を展開できると中国は考えているはずです。
Global Timesは前日の17日にも韓国に関する評論を載せていました。「S.Korea ‘weak link’ of US strategy to encircle China」です。中国包囲網という鎖を断ち切るには、韓国という最も弱い輪から壊せばよい、との主張です。
日本企業をいじめる一方、韓国企業は大事にする。すると、日本の経済界から「反中陣営に加わったから我々が損をする」との声があがり、日本という「次に弱い輪」も崩れて行く――とのシナリオを中国は描いているでしょう。
韓国外相が米国に反抗
米韓2+2が終了した直後、3月18日夕刻には中国を喜ばせるニュースがもう1つ発生しました。鄭義溶外交部長官が聯合テレビのインタビューで「米国は我が国の唯一の同盟国であり、中国は最大の交易国だ。米国と中国の間で両者から1つを選ぶのはありえないことであり、そんな接近法は不可能と考える」と語ったのです。
こうした発想は韓国では珍しくありませんが、外交部長官が米韓2+2の直後に言い放ったのにショックを受けた韓国人も多かった。「何と言われようと、中国包囲網には加わらない」と米国に向かって韓国政府が公式に宣言したのも同然ですから。
聯合ニュースの「鄭義溶、『我々にとって米国も中国もいずれも重要…二者択一は不可能』」(3月18日、韓国語版)で発言を読めます。
――米国は踏み絵を突き付けた結果、ソッポを向かれてしまいましたね。
鈴置:それは織り込み済みだったと思います。文在寅政権の中枢部は反米左翼が占めています。大統領自身も「米帝国主義が諸悪の根源」と断じる本を愛読し、国民にも勧めています(『米韓同盟消滅』第1章第1節「米韓同盟を壊した米朝首脳会談」参照)。
「米国か、中国か」と踏み絵を突き付ければ、こうした反応が返って来るのは十分に予想できました。
「次」の親米政権に期待
――では、なぜ……。
鈴置:ブリンケン長官が踏み絵を突き付けた相手は文在寅政権ではなく、韓国の国民だったのだと思います。韓国人一人一人に「我々と肩を並べて中国と戦う覚悟があるか。中立という選択はないぞ」と言い渡したのです。
何を言おうが反米路線を変えない文在寅政権を相手にしても意味はない。それよりも1年後――2022年3月の大統領選挙で親米政権が誕生するよう画策した方が合理的なのです。
「中立を許さない厳しい米国」との姿勢を示せば選挙で反米左派候補の票を減らし、親米保守候補を後押しできます。現にブリンケン発言に驚いた保守系紙は「米国側に戻ろう」と叫び始めたではありませんか。
逆に、「離米従中にも怒らない米国」を続ければ、「二股外交も可能」と判断した韓国人は安心して左派候補に投票できる。「甘い顔をする米国」は、反米左翼政権の永続を助けることになるのです。
菅義偉政権も同じことを考えているようです。反米反日で確信犯の文在寅政権とは交渉などしない。「約束を平気で破る国」との交渉は意味がないからですが、仮に交渉するとしても、海洋勢力側に戻る可能性のある政権とせねば、敵に塩を送ることになるのです。
日米は「文在寅は相手にせず」で呼吸を合わせています。もし、米国が文在寅政権との間で話し合いを進めるつもりなら、日本に対し「韓国に譲歩してやれ」と言ってきてもおかしくなかった。
実際、韓国政府は今回の日米2+2で「韓国との話し合いに応じない日本を米国が叱ってくれる」と期待し、韓国記者にもそう説明していた。しかし現実は「日本を叱ってくれる」どころか、韓国に踏み絵が突き付けられてしまった。
韓国は隠していた「中韓2+2」
――では、中国はぬか喜びに終わる……。
鈴置:中国も「米国の踏み絵」は予想していたと思います。米国同様に韓国を圧迫する方法を整えています。中韓2+2もその1つです。
――同盟関係にもない中韓が2+2という枠組みを持つのですか?
鈴置:韓国が発表しなかったので日本ではあまり知られていませんが、2020年11月に王毅外相が訪韓した際、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官との間で2+2の開催に合意しました。中国外交部のサイト(2020年11月27日、英語版)で確認できます。
もし、韓国の大統領選挙で親米派候補が優勢になってきたら、中国は韓国に2+2の開催を要求、会談で――記者も聞く会談冒頭で「親米派が勝ったら韓国は大変なことになる」と脅し上げればいいのです。
通貨危機で韓国を脅す
――米国はどう対抗するのでしょうか。
鈴置:米国には奥の手があります。コロナ対策で各国が異常に通貨を増発したために、世界中でいつ激しい金融収縮が起きてもおかしくない状況です。
いざという時に米国がドルを貸さなければ、韓国は通貨危機に陥る可能性がある。その時、普通の韓国人も「反米のツケ」を理解するでしょう。日本にも手を回す必要がありますが今の日韓関係から見て、米国から回状が来なくとも日本は韓国にドルを貸しません。
先例があります。1997年のアジア通貨危機の際、米国の銀行は韓国からドル資金を引き揚げたうえ、米通貨当局は日銀を通じ邦銀の韓国へのドル融資をやめさせました(『米韓同盟消滅』第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。
――米韓両国は為替スワップを結んでいます。
鈴置:期限は2021年9月末で規模は600億ドルです。ただ、それでは本格的な通貨危機を防げません。為替スワップはドル不足に陥った韓国の市中銀行に対し、米連邦準備理事会(FRB)がドルを貸す仕組みです。通貨スワップのように、中央銀行である韓国銀行がドルを借りてウォンの買い支えに使えるわけではないのです。
通貨スワップに関しては面白い報道がありました。3月17日に米国のJ・イエレン(Janet Yellen)財務長官と、韓国の洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官が電話協議しました。
中央日報の「米財務長官『韓国の危機克服に韓米通貨スワップ重要』」(3月18日、日本語版)によると、イエレン長官は「2008年のグローバル金融危機後、危機克服において韓米通貨スワップが重要だった」と語りました。
どういう意図での発言かは不明ですが、米韓の金融当局者の間に「韓国が通貨危機に陥る可能性を排除できない」との共通認識があるのは確かです。
なお、この電話協議に関する、米国側の公式発表は米韓同盟の重要性を謳い、韓国側の公式発表は金融面での協力を強調しましたが、いずれも「通貨スワップ」には言及していません。
状況が煮詰まるとタコ殴り
――いずれにしても、韓国は米中双方からいじめられる……。
鈴置:二股外交とは、そういうものです。韓国の指導層は二股をかければ米中双方から大事にされると一時はほくそ笑んでいた。でも、状況が煮詰まると、双方からタコ殴りにされるのです。
https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/70294.html
抑止力・即応性の強化へ 沖縄県の尖閣諸島で日米合同演習実施=報道 2021年03月22日 大紀元
https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/70294.html