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2月21日付 よみうり寸評
真っ二つに切断された「清徳丸」の船体が無残で痛々しい。吉清(きちせい)治夫、哲大さんの父子船だ。その父子が帰ってこない。父のジャンパーだけが見つかった◆時間がたてばたつほど、当然、捜索は難しくなる。海上自衛隊のイージス艦「あたご」自身はこの衝突の直後、無残な父子船に対して、どんな救助、捜索活動をしたのか◆見張り、回避行動のお粗末を思い、事後の通報、連絡の遅れを思うと、即刻の救助活動がどうだったかにも疑問符がつく。「あたご」の乗員が漁船の灯火を視認したのが「2分前」から「12分前」に、「緑の灯火だけ」だったのが「赤も」に変わった◆12分前に視認しながらイージス艦はずっと自動操舵(そうだ)のままだった。時間とともに当直連絡員間の連携の悪さなど監視体制のお粗末が一層あらわになってきた◆20年前の潜水艦「なだしお」衝突事故の教訓が全く生きていない。沖縄の米海兵隊の不祥事に「たるんでいる」「どうなっているんだろう」などと政府首脳の発言があったが、これでは他人事ではなくなった◆父子船の悲劇に胸が痛む。
(2008年2月21日14時27分 読売新聞)
◇
情緒綿々たる名文に読む人は胸を打たれる。
だがちょっと待って欲しい。
いくら名文でも、このような思い入れたっぷりのメンタリティでイージス艦事故を断罪して欲しくない。
事実の解明に過剰な同情論を持ち込むと事実が見えなくなってくる。
上記コラムに代表されるようにマスコミの清徳丸側への過剰なまでの感情の入れ込みようは事実解明の妨げとなる。
連日のマスコミの漁協側への同情、それと裏腹のイージス艦バッシングは事実解明を通り越して常軌を逸しているといわざるを得ない。
中にはイージス艦が無ければ事故は起きなかったと・・・。
まるで必死の面持ちで被害者に入れあげる沖縄マスコミの社説「米兵中学生暴行 それでも少女に非はない 」を髣髴とさせる。
事故後一週間経って不明の親子二人は依然として発見されず「清徳丸」所属漁協捜査打ち切りだという。
テレビワイドショーでも「にわか専門家」が海上交通のウンチクを垂れてイージス艦側の落ち度を追求する。
■優先権を守れば事故は避けられるか?■
大臣までも⇒石破防衛相「回避すべき船、法令上明らか」・イージス艦事故 (23:05)
<石破茂防衛相は24日のNHK番組などで、イージス艦衝突事故に関し「大きな船だから向こうが避けるだろう、では法令が順守されていることにならない。避けるべき船は法令上明らかだ」と述べ、イージス艦に回避義務があった可能性が高いとの認識を示した。〔共同〕 (23:05) >
海上交通の法規には疎いので、道路交通法の知識で述べるが、自動車同士の衝突事故の場合いくら一方に優先権があってもカマホリ(失礼)でない限り一方が100%悪いということはほとんどない。
こんな意見もある。↓
<なだしお事故では、回避義務がどちらにあったかが大きな争点になったが、平成6年の東京高裁判決は、なだしお側に事故の主因があったと認定した。「今回もあたごに主因があったと思われる。だが、追突でない限り一方に100%の過失があるということではない」(田川弁護士)と、双方の過失割合もポイントとなるとみられる。>(なだしお事故から捜査を検証 イージス艦衝突)
自動車事故の経験者ならお分かりだろうがこちらに優先権があっても状況によって「前方不注意」を適用され「7対3」とか場合によっては「6対4」の責任を問われることもある。
自分に優先権があるからといって急停止の出来ない大型トレーラーの前に飛び出したら事故が起きることは交通法規以前の問題だ。
ましてや海上の大型船が急停止したリ急旋回するのに小型船より劣るということは素人でも分かる。
清徳丸乗務員の意見も聞かないと欠席裁判になると思いコメントを避けてきたが、氾濫するマスコミ情報の中には目立たないが次のような意見もある。
相手がよけると思い込み? 動作重い大型船の慣習2008.2.22 08:44
<海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、漁船やプレジャーボートなど小型の船舶と、自衛隊の艦船や大型の貨物船が接近した場合、小回りが利く小型船の方が状況を判断し、動作が重い大型船をよけるケースが多いことが22日、海事関係者の話で分かった。>
つまり法規上はともかく、小回りが利く小型船の方が状況を判断し、動作が重い大型船をよけるほうが実際の運行実務上は船舶の衝突回避にはより有効なのである。
大型船はかじを切っても慣性で曲がりにくく、停船操作をしてもスピードはなかなか落ちない。
それで法規上は大型船に回避義務があるとしても、実務上は小型船の方が大型船の動きを見てよける実態があるというのだ。
このような海洋航行上の慣習から判断すると清徳丸が直角にぶつかって真っ二つに割れている事実はイージス艦側は勿論だが、清徳丸側にも危機回避に不注意が有ったのではないかと疑わざるを得ない。
法規上イージス艦に回避義務があったとしても、清徳丸側に道路交通法で言う「前方不注意」があったと。
いざと言う場合の危険回避は法規上の優先権有無の問題以前に、
船舶が守る最低限の義務ではないのか。
■イージス艦は軍艦ではない■
又イージス艦は実際は軍艦そのものであるにもかかわらず憲法上は「軍艦ではない」という。
従って諸外国では軍艦と小型船等が交差する場合軍艦に優先権が有るが日本ではイージス艦も普通の船舶の法規をそのまま適用し、
「船が海上で交差する可能性がある場合、相手の船を右側に見る船が右にかじを切るなどして衝突を避ける義務があると規定しており、今回の事故はあたご側に回避義務があった可能性が高い」といった議論がまかり通るのである。
このように巨大な軍艦を軍艦と看做さない「平和憲法」がイージス艦と小型漁船を同じ法規で扱うという不都合を生んでいるのである。
■防衛省の情報隠蔽?■
イージス艦は事故以来証拠物件として海上保安庁のが押収しており、乗務員も海自幹部や石波大臣とも連絡は取れない状況だと聞く。(テレ朝サンデープロジェクト)
イージス艦か清徳丸か、責任の所在が明確になっていない現状では、海上警察である海上保安庁が情報を押さえているので防衛大臣といえども全ての情報を持ってはいないというのも理解できる。
海上保安庁が調査中なので海自幹部としては、こうしか言えないのだが・・・。↓
「調査中」繰り返す海自幹部ら 漁船・イージ…⇒見出しに悪意が。
事故当初、マスコミが一斉に報じた山崎郁夫海将補の「報道関係者の質問に答えないよう」という発言は「防衛省の情報隠蔽」をミスリードするマスコミの防衛省叩きに利用されたが、
毎日新聞の中川聡子記者のように真実を伝える記者もいる。
見出しの「報道陣に知らんぷり」は整理部(見出しを決める)の海自バッシングの要求を拒めなかったのだろう。
良くあることだが、真実を掲せる代わりに見出しで妥協するとか・・・。
イージス艦事故:親族に海自幹部「報道陣に知らんぷりを」 - 毎日jp(毎日新聞)の魚拓<海自館山航空基地での清徳丸の船体公開で、吉清さん父子の親族に付き添った横須賀地方総監部幕僚長の山崎郁夫海将補(55)が下船する親族に対し、報道関係者の質問に答えないよう求めた。記者の抗議で謝罪した。
親族を乗せた交通艇が午後3時20分ごろ、基地内の船着き場に着き、親族が下船する際、山崎海将補は「報道陣がいますが一言も話さず、知らんぷりで通って下さい」と発言した。抗議に山崎海将補は「そう聞こえたなら誠に申し訳ない」としたうえで「(親族を待つ)報道陣の多さに驚いた。親族もびっくりし、トイレに行きたいという人もいたので、『早めにバスに乗り込んでください』という意図だった。情報を隠すつもりはなかった」と釈明した。公開に参加した親族の女性は「『取材が殺到して困る。マスコミをシャットアウトしてほしい』とこちらからお願いしたうえでの発言で、責めないでほしい」と話した。【中川聡子】毎日新聞 2008年2月20日 >
◇
【おまけ】
軍隊VS国民」対立煽るNHK
平井 修一
事故とはあってはならないものであり、にもかかわらず起きるからこそ
事故である。交通事故は一日当たり13人も24時間以内に死んでいる。2日後、3日後に死んだ人を含めれば相当な数になる。
イージス艦「あたご」と漁船の衝突事故をNHKは鬼の首を取ったよう
にしつこく報道しているが、反日、反軍ネタだから容共左派スタッフの
血が騒ぐのだろう。
海難事故も実は珍しいものではない。「海上保安統計年報」が平成18年の一年間の救難統計を公表しているが、「要救助海難発生救助」では2008隻、7409人が対象で、死者・行方不明者数は108人である。衝突は368件だから一日1件ある。
大事故ならともかく2人が死んだにしてはNHKの扱いは異常なほどで、つまりは自衛隊との衝突だから絶対に許せない、と言うわけなのだろう。
軍隊(軍人)が民間人を殺した(危害を加えた)、平和憲法改悪阻止、
守ろう9条・・・集団自決や今をときめく沖縄のレイプ事件と同じ構図だ。
脅威のワンパターンである。
今日届いたNHKの受信料請求書によると、NHKは「安心・安全で、
信頼される情報や番組、生活に役立つ、心を豊かにする質の高い番組」という、公共放送の原点としての役割を果たしていくとある。
小生から見れば「独断・偏向で、反日を煽る情報や番組、売国に役立つ、容共左派ごころを豊かにする悪質な番組」に聞こえる。制作の現場が日本放送労働組合に牛耳られ、愛国心とモラルがないから不祥事はとどまることを知らない。こんどはどんな悪事がばれるのか、しっかりウオッチしていこう。
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