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鳩山首相が普天間基地の移設先を5月末までに決めると発言したとき、次のような冷ややかな言葉を耳目にした。
「短期間で国内に受け入れ先を探すのは困難なので、結局11月の県知事選の結果に丸投げするのではないか」
これはあくまで皮肉の言葉であり、実際は1月24日の名護市長選の結果を鵜呑みにはしないまでも、ある程度は斟酌して大方の目途は着くものと考えられていた。
ところが辺野古反対派の稲嶺新知事が誕生しても、平野発言などもあって普天間移設はますます混迷の度合いを深くしてきている。
更に混迷に拍車をかけているのが連立を組む社民党であり国民新党である。 社民党の「辺野古絶対反対」はともかく、国民新党は嘉手納統合案を主張し、船頭が多い鳩山丸は山にでも登る有様。
更に県外移設にブレーキをかけるのが台湾海峡を波立たせる米国のこの動きだ。
中国、武器売却の米企業制裁へ 軍相互訪問も一時停止
【北京共同】中国国防省は30日、米政府による台湾への武器売却方針発表を受け、対抗措置として、米中両国軍が計画していた相互訪問の一時停止を決めたことを明らかにした。国営通信の新華社が伝えた。国防省当局者は同日、北京の米大使館武官を呼び、抗議の申し入れをした。(略) 2010/01/30 19:46 【共同通信】
ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領が、中国と問題を抱える台湾に武器輸出をするという。
平和のために軍備廃絶を叫ぶ「平和団体」には理解できない行動であろう。
当然、中国と台湾は米国の決断に対し真逆の反応を示した。
2010年1月30日
【ワシントン共同】米政府は29日、台湾に対し総額64億ドル(約5800億円)の武器を輸出する方針を決定、米議会に正式に通告したと発表した。オバマ政権による初の判断で、対台湾政策について前政権を継承する姿勢が鮮明になった。中国は強く反発、米インターネット検索大手グーグルをめぐるネット検閲問題で悪化する両国関係に影を落とすのは必至。米中G2(二大国)化が進む中で国際社会にも波紋を広げそうだ。
【台北=新居耕治】米国が台湾への武器売却を決めたことに対し、馬英九・台湾総統は滞在先の米ロサンゼルスで29日、歓迎する意向を表明した。台湾の国防部(国防省)は30日午前、武器売却は「台湾海峡の安定に寄与する」との声明を発表した。 (略)
◇
普天間基地の存在理由は、ヘリコプターを利用した海兵隊の機動力による抑止力である。
従って台湾海峡有事への対応を重要目的とする普天間海兵隊にとって、普天間基地の県外移設は選択肢にはない。
県内説の根拠は台湾海峡の有事に、地政学的にヘリコプターの行動範囲として県外は不適であるから、である。
平和ボケした「平和勢力」はベルリンの壁が取れ、冷戦による東西対立は終結したので、日本に仮想敵国は存在しなくなったと主張する勢力がいる。
だが鳩山首相がいくら友愛を叫んでも東アジアには依然として紛争の火種がくすぶっている。
その一つが拉致国家北朝鮮の存在であり、台湾海峡の有事である。
ところが、親中国の馬政権誕生以来、台湾有事はあり得ないという観点から国境の島与那国に自衛隊はまだ配備されていない有様である。
普天間基地の最も重要な存在理由が、台湾海峡有事への抑止力であることを考えれば普天間基地の移設先は「ぐるッと周って辺野古」しか考えられないのではないか。
◇
最近、普天間移設に関し鳩山内閣の関係閣僚がやっと「米軍基地の抑止力」を評価する発言をし始めたが、軍備を抑止力と考えるなら「究極の抑止力」である核武装についても論議する必要があるのではないか。
ノーベル平和賞受賞の大統領が、紛争が予想される当事国に武器輸出をしても「平和」のための抑止力になる。
これを一番実感しているのが当事国の馬総統のようだが、
米国の台湾への武器主出緩のニュースの三日前に、読売が日本の武器輸出三原則に関する社説を書いて、日本人がこれまで議論を避けてきた「現実の平和」に触れている。
どこかの政党のような「空想的平和論」ではなく、これからは「現実的平和論」も活発になされるべきである。
日本の安全保障にとって重要な問題提起だ。
北沢防衛相が武器輸出3原則の見直しに言及した。今月中旬の防衛産業との会合で、「平和国家の理念は堅持した上、経済活動に支障を来す問題は議論していいのではないか」と語った。
ところが、鳩山首相はすぐに3原則を守ると表明し、火消しに回った。見直しに反発する与党・社民党への配慮があるのだろう。
日本は今、3原則に制約され、武器の共同開発・生産に参加できないでいる。産業界は「技術交流ができないことで、国際的な進歩に遅れ、『技術鎖国』になっている」と危機感を隠さない。
航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の有力候補であるステルス機F35は、米英など9か国が共同開発した。日本は参加していないため、導入するにしても時期が相当遅れ、費用も高額になる。
「武器」の定義が広範なため、自衛隊仕様に部分改造した四輪駆動車も輸出できない。ヘルメットなども同様だ。国内販売に限られる結果、コストは割高になる。
政府の防衛予算が8年連続で減少する中、防衛産業から撤退する企業が相次いでいる。2011年度に戦闘機F2の生産が終了すると、その後5年以上は戦闘機の国内生産が途絶える。さらに多数の企業が撤退する可能性がある。
いったん企業が撤退し、専門技術者がいなくなれば、再開は容易ではない。特殊な部品が補給できず、航空機や艦船の維持・補修に支障が生じる恐れもある。
政府はこうした現実を直視し、防衛産業の衰退は国益を害すると認識すべきだ。
無論、すべての分野での現水準の維持は困難だとしても、「選択と集中」を図り、最低限の生産・技術基盤は確保すべきだ。そのためには、具体的な戦略や将来像を示すことが重要だろう。
今年末には防衛計画の大綱の改定が予定される。武器輸出3原則見直しの議論を深める好機だ。
1967年に定められた3原則は、紛争当事国や共産圏諸国への武器輸出だけを禁止していた。76年に禁輸対象がすべての国に拡大されたが、ミサイル防衛の日米共同開発や海賊対策支援など様々な例外措置も設けられている。
禁輸対象を当初の3原則に戻すのも一案だし、最低でも武器の共同開発・生産は可能にすべきだ。こうした3原則の緩和は「平和国家」の理念と矛盾しない。安全保障問題で思考停止に陥り、安易な現状維持に流れるのは禁物だ。
(2010年1月27日01時30分 読売新聞)
◇
「対等な日米関係」を標榜し、日米合意を反故にする態度をする一方、「東アジア共同体構想」をぶち上げて、日米同盟にヒビを入れるような言動をする鳩山首相だが、
今回の台湾への米武器主出緩和のニュースを知ったら何と発言するか興味のあるところである。
読売社説は北沢防衛大臣武器三原則見直し発言を受けてのものだが、鳩山首相は、社民党への配慮から折角の北沢発言を事実上否定してしまった。
国の防衛より、目先の政局を重んじる平和ボケ首相は、
きっと目を泳がせて日中台の各国に「命の尊さ」を訴え、そして「友愛で平和は保てる」と訴え、
そして、こう付け加えるだろう。
「私を信じてください」と。
米軍の台湾への武器輸出緩和で、普天間基地の抑止力が再認識されるようになった。
普天間移設はぐるっと周って、やっぱり辺野古だと思う方
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