ヤナギハナガサの次の連載を始める前に10月撮影したスタック写真と3枚のマクロ写真を載せます。今回はタンポポのスタック写真です。どういうわけか1本だけ残っていたタンポポの穂のスタック写真を撮りました。スタック数は27枚です。深度合成の効果が良く現れていると思います。
撮影日:2012.10 / 機材:Pentax 7,100mmマクロレンズ,スライダー(Velbon) / ソフトウエア:Combine ZP / ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭
ヤナギハナガサの次の連載を始める前に10月撮影したスタック写真と3枚のマクロ写真を載せます。今回はタンポポのスタック写真です。どういうわけか1本だけ残っていたタンポポの穂のスタック写真を撮りました。スタック数は27枚です。深度合成の効果が良く現れていると思います。
撮影日:2012.10 / 機材:Pentax 7,100mmマクロレンズ,スライダー(Velbon) / ソフトウエア:Combine ZP / ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭
ヤナギハナガサの花が埋まっていた花床より雌しべが顔を出しています。上から花粉が落ちてくるので確実に受粉できます。雌しべは花の内部に閉じ込められているので他の花の花粉を受粉する確率は少ないと思います。
撮影日:2012.10.20 / ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭(T. TAKAHASHI)
ヤナギハナガサの1個の花の形は全体としてロート型です。花の末端部は”鞘”のような花床に収まっています。この様子は記事[#!784]で示しました。右下部分に見えるのは花が抜けた後の”鞘”のような花床です。今回の写真はこの部分を上方から撮った顕微鏡写真です。全体として五角形であり周辺は微細な”毛”で覆われています。
撮影日:2013.10.20 ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭(T. TAKAHASHI)
ヤナギハナガサの花の内外の壁には毛状構造体(以下”毛”と略称)がたくさん生えています。おそらく花弁の壁面が水に濡れるのを防ぐ役割を果たしているのでしょう。実際,雨の日に花を見ましたが,水分は花の中心部に水滴となって溜まっていました。水分はおそらく内部には侵入していないでしょう。この”毛”をデジタル顕微鏡を用いて×250で撮影した画像をトリミングした画像を載せます。微細な構造を見るため画像はシャープ処理されています。
中央付近の白文字Aの横にある”毛”に注目すると長さは0.35mmで太さは0.2mmです。長さや太さの若干異なる”毛”も存在します。”毛”には約0.2mmの斜めの周期的構造が見られます。右巻きらせん構造を形成していると考えられます。
撮影日:2012/10.25 ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭
ヤナギハナガサ内部の雄しべ付近の花粉を撮りました。×250で撮影した画像をトリミングしました。0.1mmのスケールバーと比較すると右上の花粉の直径は0.025mm(250μm)でありうことがわかります。この花粉よりやや大きめと小さめの花粉もあるようです。
撮影日:2012.10.25 ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭
◆ ヤナギハナガサの内部のデジタル顕微鏡写真(×200)です。前回とは違った角度で撮影しました。 花粉を包んでいた嚢が二つに分離して花粉のほとんどは既にを放出されている様子が良く分かります。
◆ 今回のシリーズはデジタル顕微鏡を用いて撮影しました。撮影倍率は顕微鏡に表示されますが,PC画面に表示される大きさは圧縮率にもよります。そこで実際のサイズは同条件で撮影した目盛を基準に決めることにします。本文内で記載されている長さはこのようにして決めた値です。以下このシリーズは同様です。
撮影日:2013.10.20 ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭(T. TAKAHASHI)
ヤナギハナガサの内部のデジタル顕微鏡写真(×100)です。"根"のような部分まで見えるように,前回の写真より倍率を下げて撮影しました。”根”のような部分は花床に入り込んでいた部分であり,雄しべ全体が成長するための栄養分と情報を送っている部分です。
撮影日:2012.10.20 ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭(T. TAKAHASHI)
前回とは別のヤナギハナガサの内部の写真です。2本の雄しべが見えており花糸も確認できます。手前側の雄しべの花糸は花の奥の方まで伸びており,一番太いカ所の太さは約0.1mmです。この葯の嚢は既に破れており花粉が付着しています。向う側の雄しべは花の側壁から生えているように見えます。
撮影日:2013.10.20 ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭
◆ ヤナギハナガサの花弁の内部のデジタル顕微鏡写真(×100)です。花ををピンセットで挟んで引張ると花が裂けて花の内部が見えるようになります。ロート状の花の底の方に1個の黄色の雄しべの葯が見えます。花の内部には全面的に毛状体が生えています。毛状体は疎に生えています。
◆ ほとんどの花の雄しべは花の前面に突き出ており,花粉を昆虫や風で他の花に移動させています。ヤナギハナガサの雄しべはロート状の花の底に映えており花粉は外部にでにくいと考えられます。しかも雄しべの上部には毛が生えているので花粉が外部に出るのは困難ですから同花受粉しているのではないかと思います。
撮影日:2013.10.20 ミクロラボΠ-SABAE ポリ亭