多国籍西部劇
スペインでロケをしたマカロニ・ウエスタン風の異色西部劇です。
19世紀末、日米修好のためにアメリカにやってきた日本の使節団が、列車で西部を横断しているところを強盗団に襲われ、大統領に贈る宝剣を奪われます。宝剣を取り戻すため、三船敏郎演じる侍が強盗団の後を追います。
西部劇に侍が登場するという話は荒唐無稽ですが、公開当時は三船、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロンという日米仏の3大スター共演の超話題作として大ヒットしました。
フランス人のアンリ・アルカンによる西部劇らしからぬカメラワークが印象的で、デビッド・リーン監督作で有名なモーリス・ジャール作曲の妙な音楽も耳に残ります。
女優陣ではドイツ系のウルスラ・アンドレスとフランスのキャプシーヌが登場して彩を添えました。
この“多国籍映画”を手堅くまとめたのが、『007』シリーズなどを手掛けたイギリスのテレンス・ヤング監督。この映画は、ミスマッチの面白さで見せますが、アクション映画監督としての彼の手腕はもっと評価されてもいいと思います。
ブロンソンもドロンも食った三船の圧倒的な存在感が光ります。