田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『クリード 炎の宿敵』

2018-12-06 11:10:23 | 新作映画を見てみた
 前作『クリード チャンプを継ぐ男』(15)で新章に突入した「ロッキー」シリーズ。前作のアポロの息子アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)に続いて、今回は『ロッキー4 炎の友情』(85)のロシア人ボクサー、イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)と息子のビクターが登場。親子二代、息子同士の宿命の戦いが描かれる。



 プロデューサー兼トレーナー役で助演するシルベスター・スタローンのカードの切り方は、もはや何でもありでルール無用の様相を呈している。今回は、ドラゴ親子もさることながら、彼らを捨てた女役で、何と元妻のブリジッド・ニールセンまで出てきたのには驚いた。

 監督はライアン・クーグラーに代わって、新人のスティーブン・ケイプルJrが起用されたが、ボクシングを通した家族の話として、あるいは見る側が望む通りに展開する予定調和の話として、達者な演出の腕前を披露する。

 ラングレンが「この映画の主要なテーマの一つは時間の経過だ。スタローンの人生とロッキーの人生、私の人生とイワンの人生には通じるものがある」と語るように、最初の『ロッキー』(76)から40数年、『ロッキー4』からも30年、という時の流れが、見る側にとっても、この映画を感慨深いものにしている。

 例えば、アドニスが一度ロッキーから離反するシーンは、ミッキー(バージェス・メレディス)とロッキーのそれと重なるし、前作にも増してビル・コンティ作曲のオリジナルの音楽が流れることも、涙腺を刺激する。

『クリード チャンプを継ぐ男』↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2bf9be7203bc09bf89bbebec27dbe1fa
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『いつも上天気』

2018-12-06 06:57:06 | 1950年代小型パンフレット

『いつも上天気』(55)(2006.6.21.)

 スタンリー・ドーネン&ジーン・ケリーの共同監督によるミュージカル。



 いつもは明るいケリーの映画だが、これはちょっと苦い。戦争から一緒に復員した3人組が10年後に再会するが、違う人生を歩んだ彼らはもはや昔のような仲良しには戻れないという話だからだ。

 もっとも、そこにケリーとシド・チャリシーの恋をからめ、『雨に唄えば』(52)の雨同様に、ケリーがローラースケートを履いて歌い踊り、恋の喜びを表現する圧巻の場面がちゃんと用意されてはいる。

 それにしても『IT'S ALWAYS FAIR WEATHER』を『いつも上天気』とは、よくこの邦題を付けたものだと感心する。確かに人生は、この映画のように“いつも上天気”とはいきません。

 ジーン・ケリーのプロフィール↓

パンフレット(55・外国映画社(フォレン・ピクチャー・ニュース))の主な内容は
かいせつ・物語・スター・メモ(ジーン・ケリー、ダン・デイリー、シド・シャリッシ)監督スタンリイ・ドネン・各誌の批評

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