『春の珍事』(49)(1979.11.25.)
大学の先生(レイ・ミランド)が、偶然発明した薬(木材を避ける液体)のおかげで大リーグ、セントルイス(カージナルス?)の“にわかピッチャー”になるというコメディ。
小学生の頃、漫画『巨人の星』で、この映画に関する挿話を読んで以来、見たかった映画。監督はベテランのロイド・ベーコン。『三十四丁目の奇蹟』(47)や『グレン・ミラー物語』(54)でも有名なバレンタイン・デイビスの脚本がうまい。
主人公を支えるキャッチャー役のポール・ダグラスがいい味を出し、主人公の恋人役のジーン・ピータースがとてもかわいい。この薬を整髪料と間違えて髪につけ、木製のくしでとかそうとしたら…というギャグに大笑いさせられた。
ところで、『巨人の星』はバットをよけて通る魔球、大リーグボール3号を、この映画の設定になぞらえていたが、老人が謎の薬のおかげで期間限定で若返るという楳図かずおの漫画『アゲイン』も、この『春の珍事』と『くたばれ!ヤンキース』を下敷きにしているのでは…、と思った。
【今の一言】この『春の珍事』の“少年版”とも呼ぶべき『がんばれ!ルーキー』(94)は、右腕のけががもとで剛速球が投げられるようになった12歳の少年ヘンリーが、弱いけれど人気だけはある老舗球団のシカゴ・カブスに入団するという話だった。
パンフレット(アメリカ映画宣伝社(American Picture News))の主な内容
解説/物語/影の歌/この映画の面白さ