田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『インカ王国の秘宝』

2018-12-13 16:07:40 | 復刻シネマライブラリー

 アメリカの冒険家ハリー・スティール(チャールトン・ヘストン)は野望を抱いてペルーに来た。観光ガイドは仮の姿で、インカ王国に伝わる日輪をかたどった秘宝を探し出すことが本当の目的なのだ。だが、そこに、謎の美女や宝探しのライバルが現れて…。



 1954年にパラマウントが製作した、物欲の権化となって異郷をさまよう主人公が、一獲千金を狙う、宝探しの冒険映画で、後の『インディ・ジョーズ』シリーズにつながるものがある。

 また、50年代半ばに盛んに作られた、アメリカ国外にランナウェイ(逃げ出し)して製作された「ランナウェイ方式」映画の一本であり、ペルーのマチュ・ピチュで初めてロケーション撮影をした映画でもある。

 監督のジェリー・ホッパーは、ヘストンがバッファロー・ビル・コディを演じた西部劇『ミズーリ大平原』(53)でもコンビを組んだ。もともと編集で鳴らした人だけに、本作も、ユーモアを交えながら、歯切れのいいテンポで見せる。

 ルーマニアから亡命してきた謎の美女というめちゃくちゃな設定で、フランス出身のニコール・モーレイがヘストンと絡む。あまり知らない女優だが、なかなか色っぽくて良し。

 ヘストンの多彩なキャリアの中で、南米アマゾン川上流の開拓地を舞台に人喰いアリの大群と農園主の戦いを描いた『黒い絨毯』(54)とこの映画、そして米西部開拓史の端緒となった「ルイス&クラーク探検隊」のルイジアナ探索を描いた『遥かなる地平線』(55)を併せて、「パラマウント、ヘストン探検・冒険三部作」と勝手に呼ぶことにした。

パンフレット(56・新世界芸能社(洋画ウィークリー))の主な内容は
チャールトン・ヘストン、ニコール・モーリー、トマス・ミッチェル、ロバート・ヤング/製作ゴシップ/監督ジェリー・ホッパー/解説/ストーリー/インカ王国とその文化(西侃一郎)/五つの声の歌手イマ・スマック/チャールトン・ヘストン出演映画

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【インタビュー】『シュガー・ラッシュ:オンライン』菜々緒

2018-12-13 15:53:47 | インタビュー

「この映画には宝探しのような面白さがあります」



https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1173023

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『スタア誕生』完全版

2018-12-13 09:26:37 | 1950年代小型パンフレット

『スタア誕生』完全版(54=83)(1993.1.12.)



 この話は、これまでに三度映画化されている。ウィリアム・A・ウェルマン監督のオリジナル(37)は、サイレントからトーキーに移行する際のスター同士の逆転図。この映画は、当時はやっていたミュージカル仕立て。そして、わがリアルタイムのバーブラ・ストライサンド主演の『スター誕生』(76)は、女性の自立のドラマ、という具合に、同じ話を描きながら、作られた時代の雰囲気によって微妙に変化している。ところが、スターの存在、華やかさの裏にある悲劇、人生の変転という縮図はどの時代にも当てはまる。だから繰り返し映画化されるのだろう。

 この3時間にも及ぶ大作は、まさしくジュディ・ガーランドの独壇場であった。その姿は、『オズの魔法使』(39)の少女ドロシー役や、『イースター・パレード』(48)の可憐な印象が強い自分にとっては衝撃的であったが、彼女のミュージカル女優としての存在感の大きさを、今更ながら思い知らされた。

 もう一つ興味深かったのは、この映画のショートカットのガーランドが、驚くほどライザ・ミネリに似ているということだった。もちろん母と娘なのだから似ていても当たり前なのだが、この2人は、自分の中では見た目が似ていない母と娘として認知していただけに、改めて血の絆を感じさせられたのだ。

 そのガーランドは、自殺未遂後、この映画で見事に復活を果たし、アカデミー賞の本命とされたが、『喝采』のグレース・ケリーにさらわれ、再びノイローゼに陥り、後に命を落とす。ガーランドと親しかったサミー・デイビス・Jrは、この件について、著書『ハリウッドをカバンにつめて』の中で不当な結果として、怒りを露わにしている。

 つまり、実生活では、皮肉なことに、映画とは逆に、ガーランドが落ち、落ちぶれて自殺する夫役のジェームズ・メイスンの方が名脇役として生き残ったのだ。だから、時代を経た今、そうした2人の“その後”に思いをはせながらこの映画を見ると、別な意味で切なくなってしまった。

ジュディ・ガーランドのプロフィール↓


ジェームズ・メイスンのプロフィール↓


*四度目の映画化となったレディー・ガガ主演、ブラッドリー・クーパー共演、監督の『アリー/ スター誕生』が間もなく公開される。
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/20514e480032cef0dbcab5bd0d66dd6f

パンフレット(55・東宝事業部(東京宝塚劇場))の主な内容
かいせつ/ものがたり/鑑賞の栞 ジュディ・ガーランドを中心としたスタア誕生の優秀な鮎(清水千代太)/ジョージ・キューカー監督のこと/見事にカムバックしたハリウッドの名花ジユデイ・ガーランド/スタア紹介ジェイムス・メイスン、チャールズ・ビックフォード、ジャック・カースン、ルシイ・マーロウ/ビール誕生

コメント (1)
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