『虹を掴む男』(47)(1996.9.2.)
テクニカラーの美しさとダニー・ケイの芸達者ぶりが堪能できる古典映画。主人公が見る白日夢の中で、ケイがさまざまなヒーローに成り切るのが見どころだ。監督はノーマン・Z・マクロード。
思うに、ケイの芸の見せ方は、後のジェリー・ルイス同様に、自らの芸に酔って一つのシークエンスを引っ張り過ぎるきらいがある。この映画も少々くどい。それ故か、彼の芸は、フレッド・アステアやジーン・ケリーのように、至芸や伝説としては、われわれ後追い世代には語り継がれなかったのかもしれない。
ただ、こうした古典映画の良さは単純明快なところ。もし今作られたら、主人公の夢を精神分析したり、マザコンの部分がもっと掘り下げられたりして、ウディ・アレンの映画のような、妙なものになってしまいそうな気もする。
テクニカラー美人と呼ばれたバージニア・メイヨだが、この映画の彼女からは少々けばけばしい印象を受けた。彼女は『死の谷』(49)のようなモノクロ映画の方が魅力的、などと言うと往年のファンに怒られそうだが…。
【今の一言】この映画は、2013年に『LIFE!』としてリメークされた。
【映画コラム】平凡な男が己の人生を変えていく姿を描いた『LIFE!』↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/497634
ダニー・ケイのプロフィールは↓
バージニア・メイヨのプロフィールは↓
パンフレット(50・太陽洋画ライブラリー)の主な内容
解説/梗概/この映画に主演するダニイ・ケイ