『メジャーリーグ2』で日本人メジャーリーガー、タカ・タナカを演じた石橋貴明がアーロン・ジャッジらヤンキースの選手たちに歓迎されたらしい。映画の力は大きいということか。思えばタナカは、イチローや松井秀喜や大谷翔平よりも早く、日本人野手として“メジャー入り"していた選手なのだ。
『メジャーリーグ2』(94)(1994.6.27.日本劇場)
前作とこの映画のモデルになった、実際のクリーブランド・インディアンスは映画の効用もむなしく相変わらず弱い。だからこそ作られた続編なのだろうが、残念ながら前作ほどの面白さはなかった。
これは、前作との5年というブランクの間に、見る側の印象がいささかぼやけていたにも関わらず、話の方はブランクなく続いていたので、予習でもしない限り、見ながら各キャラクターのおさらいをしなければならなかったことも大きく影響している。
しかも続編にしては、キャラクターに膨らみが見られない。従って、ハリウッド進出を果たした石橋貴明のタカ・タナカと新人キャッチャーのエピソードぐらいしか面白味がないのである。だから、前作で見られたような、弱小チームが強くなって勝ち進む高揚感も浮かんではこなかった。
ただ、監督のデビッド・S・ワードのインディアンスに対する思い入れの強さは伝わってくるものがあり、前作の地区優勝、この映画でのリーグ優勝とくれば、次はワールドシリーズなのだから、恐らく3も製作されることだろう。もう一度、ふんどしを締め直しての健闘に期待しようと思う。
【今の一言】実際のインディアンスは、この映画が公開された翌年の95年にはワールドシリーズに進出。その後も地区優勝の常連となった。これは映画の効用もあったということか。また、22年からはガーディアンズと名称を変えた。
「映画で見る野球」
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