田中雄二の「映画の王様」

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『クリード 過去の逆襲』

2023-04-28 07:26:14 | 新作映画を見てみた

『クリード 過去の逆襲』(2023.4.26.ワーナー試写室)

 ロッキーの魂を引き継いで名世界チャンピオンとなったアポロの息子アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)。引退した彼の前に、刑務所から出所した幼なじみのデイム(ジョナサン・メジャース)が現れる。

 2人はかつて兄弟同然の仲だったが、クリードの少年時代のある過ちによってデイムは18年間の服役を強いられていた。クリードがプロモートしたチャベスを破って世界チャンピオンとなったデイムに、クリードは封印してきた自らの過去に決着をつけるべく、挑戦することを決意する。

 「ロッキー」シリーズを継承した「クリード」のシリーズ第3作。前2作に続いてジョーダンが主演し、自ら監督した。クリードの妻ビアンカを前2作に続いてテッサ・トンプソンが演じる。

 前2作に登場したロッキー(シルベスター・スタローン)の姿はない。つまり、「ロッキー」から独立した「クリード」の話になり、黒人たちの主張や生きざまを前面に押し出した作りになっている。そこに、人種や貧富の差、障害などの問題を入れ込むところも現代風。まあこれはこれでいいと思う。

 ただ、ボクシングシーンには相変わらず激しいものがあるが、デフォルメや技法が目に付き、かえって作り物のように感じさせられるところがあった。また、出所したばかりのデイムがいきなりチャンピオンになるという設定も、強引過ぎて興ざめさせられた。

 チャンピオンのチャベスとデイムのタイトルマッチを、アポロとロッキーの初戦になぞらえていたが、ロッキーは仮にもプロのボクサーだったではないか。デイムはいわば素人ボクサー。この違いは大きい。


『クリード チャンプを継ぐ男』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2bf9be7203bc09bf89bbebec27dbe1fa

『クリード 炎の宿敵』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/33875a1755386b3acb0727d26db5ac07

【インタビュー】『クリード 炎の宿敵』具志堅用高
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e969da7e2be4769d39685d7e3023b0c0


 

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「BSシネマ」『ガンファイターの最後』

2023-04-28 06:36:47 | ブラウン管の映画館

『ガンファイターの最後』(69)(1974.11.22.ゴールデン洋画劇場)

 テキサスの小さな町の保安官フランク(リチャード・ウィドマーク)は、正義感が強く、すべての犯罪を裁き、町を見守り続けてきたが、近代化をめざす町の有力者たちは、頑固なフランクを煙たがるようになっていた。ある日、フランクは町民の一人を正当防衛で射殺したことで、周囲の反感を買ってしまう…。

 保安官の在り方や、保安官を排除しようとする町民たちという点では、『街中の拳銃に狙われる男』(55)『ワーロック』(59)『追跡者』(71)などとも通じるところがある。

 本作は、ロバート・トッテン、ドン・シーゲルが監督をしたが、どちらもクレジットを拒否し、架空名義のアラン・スミシー監督を誕生させた映画としても有名だ。


ビデオ通話で西部劇談議『ガンファイターの最後』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/54a0bddfbdc464b6fd16966f2c34bbaf

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