『クリード 過去の逆襲』(2023.4.26.ワーナー試写室)
ロッキーの魂を引き継いで名世界チャンピオンとなったアポロの息子アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)。引退した彼の前に、刑務所から出所した幼なじみのデイム(ジョナサン・メジャース)が現れる。
2人はかつて兄弟同然の仲だったが、クリードの少年時代のある過ちによってデイムは18年間の服役を強いられていた。クリードがプロモートしたチャベスを破って世界チャンピオンとなったデイムに、クリードは封印してきた自らの過去に決着をつけるべく、挑戦することを決意する。
「ロッキー」シリーズを継承した「クリード」のシリーズ第3作。前2作に続いてジョーダンが主演し、自ら監督した。クリードの妻ビアンカを前2作に続いてテッサ・トンプソンが演じる。
前2作に登場したロッキー(シルベスター・スタローン)の姿はない。つまり、「ロッキー」から独立した「クリード」の話になり、黒人たちの主張や生きざまを前面に押し出した作りになっている。そこに、人種や貧富の差、障害などの問題を入れ込むところも現代風。まあこれはこれでいいと思う。
ただ、ボクシングシーンには相変わらず激しいものがあるが、デフォルメや技法が目に付き、かえって作り物のように感じさせられるところがあった。また、出所したばかりのデイムがいきなりチャンピオンになるという設定も、強引過ぎて興ざめさせられた。
チャンピオンのチャベスとデイムのタイトルマッチを、アポロとロッキーの初戦になぞらえていたが、ロッキーは仮にもプロのボクサーだったではないか。デイムはいわば素人ボクサー。この違いは大きい。
『クリード チャンプを継ぐ男』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2bf9be7203bc09bf89bbebec27dbe1fa
『クリード 炎の宿敵』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/33875a1755386b3acb0727d26db5ac07
【インタビュー】『クリード 炎の宿敵』具志堅用高
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/e969da7e2be4769d39685d7e3023b0c0