田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『キング・コング』(05)

2020-09-21 08:03:45 | ブラウン管の映画館

『キング・コング』(05)

 『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督が33年のオリジナルをリメーク。76年のジョン・ギラーミン版は、舞台を現代に移していたが、今回は時代を30年代に戻している。オリジナルでヒロインを演じたフェイ・レイをラストシーンに出演させる予定だったという。冒険、秘境、怪物、ホラー、スリラー、恋愛…、まさにてんこ盛りだが、CGのコングはアニメーションを見ているような感じがした。

『キング・コング』(33)
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/292f392acda0b5e8efa7db0929b9e09d

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【インタビュー】「誰かが、見ている」佐藤二朗

2020-09-21 06:05:09 | インタビュー

「三谷さんの脚本で、慎吾くんとがっつり絡めるのが、今回の一番の楽しみでした」


https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1241764

【インタビュー】「誰かが、見ている」三谷幸喜&香取慎吾
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/de3878f89d141dce598605a74632e80e

【インタビュー】「誰かが、見ている」山本千尋
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/c7e01a681449e3c99c076821243af6c3

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『ぼくの映画人生』(大林宣彦)

2020-09-20 13:18:41 | ブックレビュー

 先頃亡くなった大林宣彦監督が、70歳を機にその半生と映画論を縦横に語った「自伝のような一冊」で、装丁と絵を、同じく今年亡くなった和田誠さんが担当している。

 この本は、著者の語りを、編集者やライターが文章としてまとめる、いわゆる聞き書き本の一種。自分も淀川長治先生との間で聞き書きをしたが、これがなかなか難しい。もともと語りと文章は別のものだから、担当者が聞いた話を、文章として適当に変えなければならないのだが、あまり変え過ぎると語り手の味を消してしまうことになるからだ。

 その点、この本は大林監督の語りを見事に再現しているばかりでなく、とても読みやすい。赤川次郎氏が、解説「『ふたり』の思い出」の中で、「あの声で、かんでふくめるように語られると、誰でも「ああ、その通りだな」と納得してしまう。映像の人でありながら、あれほどの語りの達人だったのは不思議なくらいだ」と書いているように、大林監督は淀川先生に勝るとも劣らない語りの名手であった。

 生前、ロングインタビューをした時、「大林映画は苦手」だと言っていた同行者が、取材後「話を聞いている時に感動して泣きそうになった」と告白したのを覚えている。ある意味、究極の人たらし。あの語り口に一体どれだけの人が魅了されたのだろうか。そんなことを思わせる一冊だった。

 

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『ビリーブ 未来への大逆転』ルース・ベイダー・ギンズバーグ

2020-09-19 23:01:49 | 映画いろいろ

頭文字をとって「RBG」と呼ばれ、親しまれた、アメリカのルース・ベイダー・ギンズバーグ連邦最高裁判事が亡くなった。彼女のユニークな半生は、ミミ・レダー監督、フェリシティ・ジョーンズ主演で『ビリーブ 未来への大逆転』(18)として映画化されている。

『ビリーブ 未来への大逆転』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/f210e899758d1914e36564ad95302217

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『スパイの妻』

2020-09-19 11:59:07 | 新作映画を見てみた

 1940年、神戸で貿易商を営む優作(高橋一生)は、商用で赴いた満州で、偶然、恐ろしい国家機密を知り、正義のためにそのことを世に知らしめようとする。そして、妻の聡子(蒼井優)の知らぬところで、優作は別の顔を持ち始める。だが、夫への愛が、聡子をある行動へと突き動かしていく。

 昭和初期の神戸を舞台にしたミステリー。黒沢清監督、初の“時代劇”という触れ込みで、ベネチア映画祭で銀獅子(最優秀監督賞)を受賞した。

 だが、もともとはNHK BS8Kで放送されたテレビドラマ。そのせいか、戦時中を描いた過去の映画に比べると、何か物足りなさを感じた。まあ、自分も実際にその時代を知っている訳ではないのだが…。この違和感は一体どこから生じるのだろうと考えながら見ることになった。

 また、ストーリーも濃いようで実は薄い。夫婦の行動の動機に関する描写も弱い。もっと重層的で凝った戦時ミステリー&ロマンスはたくさんある。だからベネチアで受賞した理由もよく分からない。確かに、黒沢監督作としては、見た後に残るもやもや感はいつもよりは少ないのだが…。

 ただ、受賞理由の一つに、満州での関東軍の所業を入れ込んだ点も入っているのかもしれない。いまだに戦争をひきずるかつての同盟国、イタリアとドイツは、自国の犯した罪や傷を映画の中で描き続けているから、こうした部分には敏感なのではないかと思った。

 トリックにも使われる優作が撮った劇中映画や、夫婦が山中貞雄の『河内山宗俊』(36)を見るシーンなどに黒沢監督の趣味性を感じた。高橋、蒼井ともに好演を見せるが、聡子の幼なじみの憲兵隊長を演じた東出昌大がなかなかよかった。

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『レッド・サン』

2020-09-18 07:22:04 | ブラウン管の映画館

『レッド・サン』(2018.10.21.)(1974.11.4.渋谷スカラ座.併映は『ドラゴン危機一発』)

このポスターの構図はタランティーノの映画みたい。ウルスラ・アンドレスが主役か?



 この映画、舞台設定はメキシコだが、ロケはスペイン。およそ西部劇らしからぬ風景が映るが、ガンマン(チャールズ・ブロンソン)と侍(三船敏郎)の珍道中は何度見ても面白い。

 侍が米西部に行って…という設定では、日本の少年剣士が西部で活躍する手塚治虫の『冒険狂時代』があるが未読。後に岡本喜八監督が撮った『EAST MEETS WEST』(95)や、『アリゾナ無宿』に始まる逢坂剛作の小説も、この範疇に入るだろう。

All Aboutおすすめ映画『レッド・サン』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/469e977ed783889db23eb4f6859c1dc8

『アリゾナ無宿』『逆襲の地平線』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a355958b890be25217b944f8f962e299

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【ほぼ週刊映画コラム】『ようこそ映画音響の世界に』

2020-09-18 06:31:17 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
「音は感動を伝える。映画体験の半分は音だ」
『ようこそ映画音響の世界に』

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1242262

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『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)

2020-09-17 16:01:51 | 新作映画を見てみた

『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(たんし)(Ballad)

 岩手県一関市で50年営業を続ける「ジャズ喫茶ベイシー」のマスター菅原正二氏にスポットを当てたドキュメンタリー映画。店の名前はジャズピアニストのカウント・ベイシーにあやかつて付けられた。

 アナログレコードで“音”を再生することにこだわり続ける菅原氏は「レコードを演奏する」「スピーカーは楽器」だと語る。それ故、開店以来、使い続け、日々調整を重ねてきたJBLのオーディオシステムから生み出される“音”は、聴く者に、演奏者がその場に現れたかのような錯覚を起こさせるという。

 この映画は、菅原氏へのインタビューを中心に、渡辺貞夫、坂田明らのベイシーでの生演奏や、阿部薫、エルビン・ジョーンズの生前の貴重なライブ映像、各界著名人のインタビューを収録している。中でも、指揮者の小澤征爾がジャズを語るところと、ナベサダが吹くチャップリンの「スマイル」が見どころだ。

 最初は、菅原氏と周囲の人々の、ジャズ好き独特のキザなスタイルや過度のこだわりが少々鼻に付くが、最後は、50年間一つのことをやり続けた男の矜持に胸を打たれるまでに変化した。

 ジャズ喫茶は日本独自の文化だという。コロナ過で、なくなったジャズ喫茶もあるのかと思うと寂しい気がする。今回は仕方なくオンラインで見たのだが、“音”にこだわったこの映画は、映画館で見るべきものだと感じた。

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『道』

2020-09-17 07:19:49 | 1950年代小型パンフレット

『道』(54)(1980.7.27.世界名作劇場)



 粗野な大道芸人ザンパノ(アンソニー・クイン)と、彼が買い取った少し頭の弱い女ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)は旅から旅の流れ者。そこにサーカスの綱渡りの青年“キ印”(リチャード・ベースハート)が現れ、奇妙な三角関係が生じる。サーカスの世界に憧れたフェデリコ・フェリーニが、大道芸人のわびしい生活と不器用な愛の悲しさを描いた名作。

 やっと見た! 期待通りの素晴らしい映画だった。フェリーニの初期の映画を見たことがなかった自分にとっては、これまで見た『甘い生活』(60)『サテリコン』(68)などから、ちょっと小難しいイメージがあったのだが、この映画は、情感がストレートに伝わってくる『アマルコルド』(73)の路線だった。それ故、素直に感動させられた。

 聖女を連想させるジェルソミーナ、粗暴で悪行ばかりだがどこが憎めないザンパノ。2人は与える者と奪う者という人間の両極を象徴する。そして2人の間に、真理の言葉を発する第三の男キ印を割り込ませることで、この映画には哲学的な側面が生じた。演じた3人もそれぞれ名演を見せる。また、フェリーニがこだわり続けたサーカスや、大道芸のもの悲しい描写が、映画全体に情感を与えている。

 ラスト、散々虐げた挙句に捨てたジェルソミーナの死を知ったザンパノ。彼はやっと失ったものの大きさに気づき、酒に酔い、一人浜辺で号泣する。そのバックに、ジェルソミーナがラッパで吹いていたあのメロディが…。何故かオレもザンパノと一緒に泣いたのだった。

 【今の一言】和田誠の『お楽しみはこれからだ』に載っていた、キ印がジェルソミーナを励ます名セリフ「どんなものでも何かの役に立つんだ。たとえばこの小石だって役に立っている。空の星だってそうだ。君もそうなんだ」は、拙書『人生を豊かにするための50の言葉-名作映画が教えてくれる最高の人生の送り方』でも紹介したが、もう一つキ印がジェルソミーナに語るこんないいセリフもあった。「奴(ザンパノ)はお前のことが好きなんだよ。ただ奴はそれに気づいていないだけなんだよ」 

アンソニー・クインのプロフィール↓


ジュリエッタ・マシーナのプロフィール↓


名画投球術 No.5「たまには映画もイタリアンといきたい」ニーノ・ロータ
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d99f98184f88ad18b0db44f37e379796
ジェルソミーナのテーマ
https://www.youtube.com/watch?v=QCYUda7-ZgM

パンフレット(57・東宝事業課(日比谷スカラ座 No57-9.))の主な内容は
「道」の人物について(高李彦)/フェデリコ・フェリーニ監督/「道」を彩る人々(アンソニイ・クイン、ジュリエッタ・マシーナ、リチャード・ベイスハート)/「道」それは新しいイタリア映画の出発点(飯島正)/かいせつ/ものがたり

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『ステルス』

2020-09-16 07:33:50 | ブラウン管の映画館

『ステルス』(2005.8.24.)

 大筋は、アメリカ軍が開発した知能を持った無人ステルスの暴走と、それを食い止めんとする3人の精鋭パイロットの闘い。VFXによる空中戦と音の洪水はすさまじいが、ストーリーは安易というか、アメリカのミーイズム以外の何物でもない。まあ何も考えずにゲーム感覚で見ればいいのかもしれないが…。

 監督が『ワイルド・スピード』(01)のロブ・コーエンというのは分かるとして、脚本のW.D.リヒターは『SFボディ・スナッチャー』(78)『レイト・フォー・ディナー』(91)など、なかなか面白いものを書いていただけにちょっと残念。

 パイロットの紅一点ジェシカ・ビールがなかなか魅力的。それとサム・シェパードがよくこの映画に出たなあという感じもした。ひょっとして『ライトスタッフ』(83)のチャック・イエーガーのイメージを逆手に取ったのか。この映画のステルスから『空の大怪獣ラドン』(56)を連想した自分は変なのか? などと、いろいろと考えさせてくれました。

 さて今回の仕事絡みの試写もこれで終了。お腹いっぱいです。で、今日の試写室は聖路加ガーデン内だったのだが、築地から遠いこと。まあ、大昔は外国人居留地だった所だから仕方ないのか。いろんなモニュメントがあったので、今度ヒマがある時にじっくり歩いてみよう。

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