「おまたせ。」
「ありがとう。」
コーヒーを受け取りテーブルの上に置く。姉は自分の湯呑茶碗を置いてから私の前に座った。
「あれっ、姉さんはお茶なの。」
「ああっ、そうね。コーヒーは朝飲んだから。」
「あら。それならお茶でもよかったのに。ごめんね。気を遣わせて。」
「いいわよ。気にしなくて。」
向かい合わせて二人でお茶を飲む。静かな時間が流れる。久しぶりの対面。何から話そうかと少しばかり気が焦る。
「そうそう。そういえば、このあたりの風景もずいぶん変わったわねぇ。おかげで家を見落としそうだったわ。」
「それは、あなたがなかなか来ないからでしょ。それに、鴨長明もいっているでしょう。川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず。世の中にある人と栖と、又かくのごとしって。」
「姉さんってほんと変わらないなぁ。」
「なにが?」
「いやねぇ。話に鴨長明のたとえとか持ち出す所よ。」
「そうかなぁ・・・。そうそう、そんな事はさておき、昨日の話の続きよ。」
早速に話の本題を切り出して来た。そんな姉に失笑しそうになったけど、ぐっと堪えて少しとぼけてみた。
「昨日の話って? 」
「あらいやだ。それって意地悪? 」
思わず笑ってしまった。
「ごめん。冗談よ。昨日の話ね。」
姉はうんうんと頷くと、私の話に注目した。
「本当に驚いたわ。まさか寛太兄ちゃんに会うなんて思わなかったから。」
「本当なのね。彼・・・元気そうだった? 」
少し心配そうな表情の姉。やはり気になるようだ。
「うん。元気そうだったよ。今は松之郷に帰ってきて恩田技研で長のつく役職してると言ってたわ。」
「へぇ。がんばってるんだ・・・。松之郷に帰ってきてって言ったわね。それまではどうしてたの。」
「なんでもね。出張やら出向で海外勤めだったそうよ。」
「そうかぁ・・・。でも、無事でよかった。」
姉は少し安堵したようだった。
「それからね。サツキさん元気にしてますかって言っていたから、元気にしてますって答えておいたよ。」
「・・・そう。」
姉は少しうつむき、ギュッと握った手をじっと見ていた。きっと何かを思っているのだろう。
「ありがとう。」
コーヒーを受け取りテーブルの上に置く。姉は自分の湯呑茶碗を置いてから私の前に座った。
「あれっ、姉さんはお茶なの。」
「ああっ、そうね。コーヒーは朝飲んだから。」
「あら。それならお茶でもよかったのに。ごめんね。気を遣わせて。」
「いいわよ。気にしなくて。」
向かい合わせて二人でお茶を飲む。静かな時間が流れる。久しぶりの対面。何から話そうかと少しばかり気が焦る。
「そうそう。そういえば、このあたりの風景もずいぶん変わったわねぇ。おかげで家を見落としそうだったわ。」
「それは、あなたがなかなか来ないからでしょ。それに、鴨長明もいっているでしょう。川の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず。世の中にある人と栖と、又かくのごとしって。」
「姉さんってほんと変わらないなぁ。」
「なにが?」
「いやねぇ。話に鴨長明のたとえとか持ち出す所よ。」
「そうかなぁ・・・。そうそう、そんな事はさておき、昨日の話の続きよ。」
早速に話の本題を切り出して来た。そんな姉に失笑しそうになったけど、ぐっと堪えて少しとぼけてみた。
「昨日の話って? 」
「あらいやだ。それって意地悪? 」
思わず笑ってしまった。
「ごめん。冗談よ。昨日の話ね。」
姉はうんうんと頷くと、私の話に注目した。
「本当に驚いたわ。まさか寛太兄ちゃんに会うなんて思わなかったから。」
「本当なのね。彼・・・元気そうだった? 」
少し心配そうな表情の姉。やはり気になるようだ。
「うん。元気そうだったよ。今は松之郷に帰ってきて恩田技研で長のつく役職してると言ってたわ。」
「へぇ。がんばってるんだ・・・。松之郷に帰ってきてって言ったわね。それまではどうしてたの。」
「なんでもね。出張やら出向で海外勤めだったそうよ。」
「そうかぁ・・・。でも、無事でよかった。」
姉は少し安堵したようだった。
「それからね。サツキさん元気にしてますかって言っていたから、元気にしてますって答えておいたよ。」
「・・・そう。」
姉は少しうつむき、ギュッと握った手をじっと見ていた。きっと何かを思っているのだろう。