不安な気持ちに負けないよう祈り続けながら歩いてゆくと、少し先の道の上になにか小さな動物が立っていた。「あれは、なんだろう。」と、じっと目を凝らすとウサギのようにも見えたけれど、疲れているせいか時々姿が透けるようにも見えた。
歩みを止めずに小動物に近づいてゆくと、以前どこかで出会っていたことを思い出した。
「お願い! 私たちを助けて。無事に下山させて。」
私は無意識に心の底から祈ると、その小さな生き物はくるりと向きを変え歩きだした。すると、同じ姿をした更に小さな生き物が茂みからぴょんと飛び出してきて後についてゆく。私もすがる思いでその後をついて歩いてゆく。でも、何も知らない友達は後ろで歌を歌いながら楽しげに歩いていて小さな生き物は見えていないようだった。
私は見失わないように必死で小さな生き物を追いかけてゆくと、目の前に小さな鳥居と祠が見えてきて、小さな生き物が鳥居の前まで行くと立ち止まり、こちらに振り返ったかと思うと身体を左右に揺らした後、スッと姿を消した。
「えっ。ちょっとまってよ。!」と、思わず声を出すと、後ろにいた友達が、
「サツキ、どうしたの? 」と聞いてきた。でも私は動揺させまいと、
「ううん。なんでもないよ。もうすぐ駐車場だよ。」と言ってその場をごまかした。
でも驚いた事に、小さな祠まで来ると視界が開け、祠まで続く石段の下には駐車場に停まっているバスの明かりが見えた。
私は焦っている気持ちを悟られないように「ほらね。」と言うと、友達は「さぁすがぁ~。サツキ。こんな道も調べてたのねぇ。」と感心していたが、私は安ど感と共にどっと疲れが出て、暖房のきいたバスの座席に腰を掛けたら、たちまち深い眠りについてしまった。
歩みを止めずに小動物に近づいてゆくと、以前どこかで出会っていたことを思い出した。
「お願い! 私たちを助けて。無事に下山させて。」
私は無意識に心の底から祈ると、その小さな生き物はくるりと向きを変え歩きだした。すると、同じ姿をした更に小さな生き物が茂みからぴょんと飛び出してきて後についてゆく。私もすがる思いでその後をついて歩いてゆく。でも、何も知らない友達は後ろで歌を歌いながら楽しげに歩いていて小さな生き物は見えていないようだった。
私は見失わないように必死で小さな生き物を追いかけてゆくと、目の前に小さな鳥居と祠が見えてきて、小さな生き物が鳥居の前まで行くと立ち止まり、こちらに振り返ったかと思うと身体を左右に揺らした後、スッと姿を消した。
「えっ。ちょっとまってよ。!」と、思わず声を出すと、後ろにいた友達が、
「サツキ、どうしたの? 」と聞いてきた。でも私は動揺させまいと、
「ううん。なんでもないよ。もうすぐ駐車場だよ。」と言ってその場をごまかした。
でも驚いた事に、小さな祠まで来ると視界が開け、祠まで続く石段の下には駐車場に停まっているバスの明かりが見えた。
私は焦っている気持ちを悟られないように「ほらね。」と言うと、友達は「さぁすがぁ~。サツキ。こんな道も調べてたのねぇ。」と感心していたが、私は安ど感と共にどっと疲れが出て、暖房のきいたバスの座席に腰を掛けたら、たちまち深い眠りについてしまった。