
それぞれに思い出のある35年と40年に渡って使い続けていた2個の腕時計、同じ時期に相談したかのように時を刻まなくなった。素人判断は電池切れ、時計店で確認すると電池切れではない。寿命なら買い替えと相談すると、どちらも形は古いが良品なので「分解点検」を勧める。長く付き合のある老舗なので見積もり額を聞き分解点検を依頼する。
それから数日、メーカーから「部品が無いので分解点検できない」と連絡ありという。残念だが次の手を考える、といっても購入する方法しか残っていない。懐具合と相談しながら陳列のあれこれから選ぶ。思いの値段の10倍15倍の品が「良く売れます」と店員は誘導する。年金暮らしなのにそんな風体にどうして見えるのか問うてみたいが、それが接客マニアルかもしれないと苦笑しながら高級品や流行品には手が出ないと断る。
驚いたのは大方の製品が「ソーラー駆動の電波修正」方式だった。いま知ったのかと笑われそうだが仕方ない現実だ。それは昨年も終わろうとするころの話。懐が許す電池不要、日付時刻合せ不要、派手でない標準的な形を購入した。何もすることはない簡便な時計に進歩を感じながら、12月と1月は31日まである。日付合わせ不要なら3月1日が正しく表示されれば信頼に値する時計になる。
気分だけの危惧は見事に外れ昨日「1」を表示し安心させる。今のところ満足な状況下にある。化粧箱に取り扱い説明書が入っている。大きさは名刺大だが150頁以上ありその半分は英文だが充実した内容に驚く。電子マニアルでどうぞの多い昨今から外れていて嬉しい。さてこれから何年期待に応えてくれものか、それはそれとして大事に使い時を大切にしよう。