日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

待合室の会話

2016年03月16日 | 地域


 町の小さな医院の待合室。顔見知りの人もそうでない人も親しそうに世間話がはずむ。はずむ、といえばいかにも楽しそうに見えるが、病持ちという共通点が心やすさを誘い出しているのかもしれない。年金支給日の会話は何かしら声が明るく聞こえる。待合室を占める大方の人がその該当者だからかもしれない。

 何度も時計を確認している女性、「まにあいますか」と並んでいる高齢の女性に声を掛けられ、はっと気付いたように「大丈夫です」と笑顔で返す。入院している親の薬を取りに来たというその人は、バスの時間が気になっていると応える。昔を思えばそうでもないが、車社会の今はバスで点と点を行き来するのは辛いことだ。

 会話中の人が診察室に入る。話し相手を失った人は次の話し相手を求めて席を移動する。話したくてしゃべりたくて仕方ないのだろう。声の大きさがちょっと気になるが話は嫁の自慢話し、少しならいいが度が過ぎると自慢話は聞きづらくなる。短文を書く時も気をつけるようアドバイスをもらう。

 旅の話し、高齢女子会の失敗談、連れ合いのやりそこないをオーバーに話して待合室を笑いに満たす。そんな話を聞き洩らすまいと部屋の隅で花がじっと聞いている。窓の向こうの澄みきった青空が眩しい。
コメント (2)
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