
国の名勝・錦帯橋の架かる錦川沿いをカラフルなジーゼル車が走るのは「錦川清流線」、その運行会社は第三セクターの錦川鉄道(株)、錦町駅から川西駅までの12駅約33㌔が清流線、岩徳線経由で岩国駅まで運行されている。会社のHPには「ここは 自然美術館 川の流れにあわせてゆっくりと走ります 四季折々の美しい景色を楽しんでいただくために」、とある。いつ乗車しても沿線は美しいと感じている。
清流線、当初は山陽・山陰を結ぶ陰陽連絡鉄路として岩国から島根県日原までのJR岩日線として計画された。一部区間で運行されたが、社会情勢や国鉄分割民営化など大きなうねりの中で清流線は誕生し、今日が開業30周年になる。錦町駅では開業30周年記念感謝の集いが開かれ、周辺は賑わったという。この集いが新しい賑わいへの引き金になることを願う。
沿線を取り巻く四季の美しさとは別に、沿線人口や利用客の減少、車社会への移行など経営環境は厳しく、報道で知る限りではきびしい経営環境という。活況を取り戻そうと会社としていろいろなアイディアが実行されているものの、業績回復への大きな効果は報道されていない。沿線のためには末永く運行して欲しい。
先日、最近採用された新人運転士の研修風景がTVレポートされていた。「ワンマンカーならではの乗客との会話を楽しむ機会がある、これを大事にして顔を覚えてもらう」、という笑顔に先行きの明るさを感じた。山あいを走る路線、安全のため標識も多いとか、指差確認と復唱、笑顔ができれば乗客は安心する。ガンバレ清流線。