
月2回、高齢者ばかりの陶芸同好会がお世話になるのは「由宇ふれあいパーク」、仲間うちでは「ふれパク」と呼んでいる。施設は海抜500㍍の位置にあり、晴れた日には遠く四国の山並み、日によっては石鎚山が見えることもある。眼下には波穏やかな多島美の瀬戸内海を行き交う大小の船が趣を添える。
通い始めて12年になる。毎年、年の瀬近くになると翌年の干支をつくっているが、今年で一巡することになる。いま教室には何十匹もの創作ネズミが誕生を待っている。これだけのネズミが誕生すると、教室は一段と賑やかになるのでは、そんな心配をしている。令和初の歳末が穏やかであれと願っている。
ふれパクは企業や専門学校の新人教育、校外授業の児童生徒、各種同好団体などなどが多種多様な利用方法をしていることがHPやフェイスブック、施設内に掲示の写真で分かる。その一つに、児童生徒らの礼状がある。クラスや学年単位で綴られたものや壁に貼られるなどしてエントラスに展示されており、自由に読むことが出来る。
施設周辺の自然利用は、児童生徒らには体験型の教育訓練に最適な施設と思っている。それを経験した喜びや感動を綴り、思い出になった、また来たいなど職員の指導に賛辞を送っている。終戦直後に小学校入学の自分には隔世の感があるが、共同や団体生活が叫ばれる昨今、これからの生活の糧に、ふれパクでの体験が活かされていく、礼状の字間にそんなことを思う。