
「色気より食い気」、ある解説では「外見をきれいにして異性の気をひく恋愛よりも、おいしいものを食べたい気持ちのほうが強いこと」から 転じて「外見上のことよりも実益を気にするという意味でも使われる」とある。色恋の話は別にして「食べたいと思う欲望」と言った方が庶民の実感にあう。
食は年齢性別など区別なく健康、生きていくためには欠かせないなくてはならないことは誰でも知っている。しかし、その好みになると頭の数だけ違いがある。食い気が途絶えると要注意、要観察の対象になる。私はあるとき体調不良で諸検査を受けた。検査結果を見た医師は「食事はとっているか」と問う。普通に摂っていると答えると「それなら入院しなくてよし」と診断し薬を処方した。その時、、食事の重要性を改めて感じたことががる。
話を現実に戻す。高齢者ばかりの陶芸同好会、昼食をはさんで粘土と格闘している。格闘の合間の昼食は施設の食堂を利用していた。年金生活者には若干高めの値段でも内容に満足し「楽しい昼食時間」だった。ある時、食堂の運営業者が変わり、それまでの楽しく楽しみな昼食が出来なくなり、全員が弁当持参に変わった。
施設職員さんの協力もあって何年かぶり食堂を利用することになった。その1回目のメニューは肉うどん、むすび1個、コーヒーのセットで550円。食い気を満足させるメニューではないが、年齢を思うと「腹八分」という格言を思い出す。どんな推移になるのか様子見になる。弁当作りや調達からひとまず開放となった。