
最近、開院した医院の建物について「なんで和風何だろう」と商売をしている知人が話す。2年くらい前に近くに開院した別の医院はチョットモダンな洋風の造り。病院や医院が建つといえばそれなりの洋風建築、それは開院に当たり折り込まれるチラシを見ているとそういう先入観をいつの間にか持ってしまう。
先の和風医院は風致地区に位置することもあり和風にされた。風致地区では建築にある種の規制があり、思うがままの建築が出来ないことは、父が新築の時に経験した。数十年も前のことだが法律は生きているようだ。先日、この医院の場所をすぐ近くで尋ねられた。目の前ですと教えると「エッ、これ」と言う返事。洋風建築を想像されていた、黙っていたがそう感じた。
商売をしている知人は続ける。後継ぎ、後継者不在で空き家や解体が増える。この地区は古い町並みで、一軒ごとの間口が狭く次の活用になかなかつながらない、だんだんと寂しくなる通りを気遣う。近々ドラッグストアの建設が始まるとして準備が進んでいる。活性化になるのか見守りたいと話す。
確かに、解体された家屋の隣家を保護するのためにブルーシートを張られた家が目につく。その家が空き家となり、ブルーシートはほころびその用をなさず、風に揺れる姿もある。「町や通りの賑わいは人がいてこそ成り立つ」親の代から70年続いた専門店を閉めた同期は、個人商店の技量だけでは大型店に勝てない社会変化を痛感していた。今日も解体準備中の家を見た。