![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/02/59a19024b5050ea165a9d6440b6dd4c1.jpg)
近所で新築の家に住まわれた施主一家は転勤となり、小学生と園児の子どを連れて首都圏に引っ越された。転居あいさつで「うまくいけば3年くらいで戻ってくれるのですが」という若いお母さんの話しに、手をつないだ子供が頷いていたのを記憶している。「待っていますよ」と見送った。
その跡にしばらくして入居があった。道ひとつ隔てていて自治会は異なるからだろう、向かいあっていても転居してきたの挨拶などはなく、さてどこからだろうかと思っていた。そのうち、関西からの転勤で、3年くらいでまた転勤になる家族、そんな情報が近所から伝わってきた。自粛継続で顔を合わせることもなかった。
そんな付き合いであっても、近所で何か起きれば助け合わないといけないという心構えはしていた。ところが、先日、引っ越し業者の車が横付けされ、梱包された荷物を運び出しているので転勤だと分かった。最後まで交流の無いことで申し訳なかったが、出発される時は近所の人らと見送った。そのときご主人らしき人を初めて見た。なんでも東北への転勤という。
空き家になった透明なガラス窓から昼間は室内の天井が見える。日が暮れて灯りが灯らないと何かが抜け落ちたようで裏通りがその影を増す。3年したら、という施主一家の転入情報はまだない。あの子らも大きくなっただろう。私は転勤の内示を受け心の準備はしていたが直前に別のプロジェクトへかわり、転勤は取り消され1度もその経験がない。あの時、転勤していたら、今、ここには住んではいない。