「日本国憲法第7条により衆議院を解散する」、今期限りで引退される大島衆院議長最後の発声で、31日への投票へ向けて先生方は突っ走ることになった。その任期満了1週間前であるが型どおりの選挙となる。新内閣誕生から10日ほど、国民に具体的政策の提示の無いままの選挙、前と前々内閣の延長政治と取られても仕方ないだろう。
選挙前になって文藝春秋11月号への寄稿が話題になっている。それは現職の財務事務次官の「日本は今、国と地方で1160兆円の借金を抱えるのに、これを直視しないまま「ばらまき合戦」の政策論が横行している。黙ってはおれない、と心ある官僚の直言と思える。
私も読んでみた。家庭に例えれば、給与は変わらないのに借金をどんどん膨らませるという簡単なことだ。このことに対す国への警告でよく理解できた。困っている人を救わないのかと政調会長はまくし立てたそうだが、困っている人は救済すると書かれている。まあ、選挙直前なので与党の反発のすさまじさは面白いが、麻生前財務大臣の了承を得た寄稿という隠れ蓑に興味が湧く。
そんなことを思いながら、庭で陰に隠れていた千両を表に移した。気づかなかったが名前らしく無数の緑の実がついている。政治は、千両のように見られていなくても勤めを果たす人がまっとうに評価されるものであって欲しい。報道では選挙の争点は経済と一方的に流す。私はまず「何事にも嘘をつかない、何事も隠さない」正直な政治を願っている。何も難しくはない、そうすれば国民は政治を信用する。