栗は秋の味覚の一つとして昔から親しまれている。子どものころには柿と合わせて欠かせないおやつとして貴重な品だった。そんな栗について連日のように「栗の木に、クマ出没痕跡(枝折・食害・糞)あり。付近の方は戸締り、生ごみ、などに気をつけ、外出には鈴や音の出るものを携行してください」市からメールが入る。多い日は数件もある。
最近では庭に現れたクマの写真が紙面に載った。その写真は窓こしに撮られているようでその威圧感は遠景の写真では感じられないものがある。直接、それも突然出くわしたら、後ろを向いて走って遠ざかる、事は止めてクマの目を見てゆっくり後ろに下がるのがいいらしい。恐怖が先で落ち着いていられか否か、ゆっくり後ろ向きで逃げられるだろうか。
今年の生育は昨年並み、やや落ち気味など地域によって違いがあるのだろう。我が家には山も畑もなく、したがって生り物は何もない。しかし、有難いことに今年もこれまでに3回ほど栗が届いた。いづれも玄関口に置かれていた。栗ご飯、渋皮煮、そして皮をむいて先々でいただくため冷凍保存にした。毎年感謝しながら頂いている。
子どものころに住んでいた家には菜園の傍に栗の木が1本あった。落ちた栗のイガを、履いた長靴で踏んで二つに開き、実を取り出していた。祖父に傍でやかましく言われながら教えられたのも、今では懐かしい思い出になる。しかし、そんなには食べられない。
(今日の575) マロンだが栗と言えよと八百屋さん