日々のことを徒然に

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古文書が読めたら

2016年03月15日 | しっちょる岩国


 史料展で多くの古文書が展示されるがその紙は褐色に色変わりしている。長い巻物にしたためられたひと文字、1行が後世の貴重な史料に成ることをどこまで推察されていたか分からないが、書き残されている墨痕は歴史を伝える使命を帯びているかのように鮮やかな筆跡で残っている。

 それらを眺めても眺めても、その素養が無いので最初から根を上げていて判読に苦しむことはない。添えられた現代語訳を読みながら、少し知っている史実を展開させては楽しむ。あるいは名だたる武家と岩国藩の繋がりとその由来なども教えられる。

 最近は古地図をたどる旅への誘いも多く見受ける。古文書が読めるとそんな旅もより興味が深まるだろう。「古文書を読もう」という講座が盛況と聞くが、こうした背景があるのかもしれない。歴史を楽しむ知人がそんな講座に通い始めた。もともと歴史に素養のある人で、一度話を聞いて見たい。

 写真は天保9(1581)年10月に書かれた吉川経家の遺言状。経家は福光城主(現在の島根県太田市)、天保9年に鳥取城主として入城、羽柴秀吉の兵糧攻めにあい200日で開城を余儀なくされた。経家は自らの命の引き換えに籠城の人々の助命を申し出て、切腹した。父・経安、吉川広家(当時は経言)、子ども宛の遺言状などが並ぶ。どれも一門の幸せを願う内容に尽きる。経家の英魂を弔うため、昭和14年弔碑が建立された。
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