環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)は国会でその審議が開始される見通しになっている。参加12カ国ののまとめ役を自負した大臣は協定署名直前に訳ありで辞任せざるを得なくなり、署名式には副大臣が参加、和服や警備体制の暴露などでこれまた不評をさらした。協定が発効すれば最も困るのは農畜産関係といわれる。この困る人らのためにどこまで襟を正して取り組んでいたのか、結果から思えば疑問を抱かせる。
こんな大上段にこぶしを振り上げる話ではないが、散歩の道すがら農政の端を覗き見る事がある。よく野菜の育っていた肥沃な畑が宅地になり、新しい家が建ち新しい家庭の生活がはじまる。農業を続けられない、あるいは宅地にせざるを得ない理由がそれぞれにある。子どものころ遊んだ広い田畑はすっかり姿を変えている。
この時期、黄色に色付いた柑橘類をあちこちで見られるが、どの果樹も枝が悲鳴を上げないかというくらい生っている。生ってるが収穫された様子はあまり見かけない。我慢しきれなくなり落下した実が根本に転がっている。人に似て声をだすならどんな呼びかけをするだろうか、置き換えてみるとやるせない。柿も似たような運命をたどることが多い。
市特産のレンコンも生産の維持、消費の拡大策が報道を賑わせる。子どものころ通学路で見かけていた、この地域の伝統的な白菜や赤カブ大根の復活を目指した活動も話題になっている。宅地に変わった農地は戻らないが、今ある環境で昔の味が戻って来ることを楽しみにしている。採種のために高価なミツバチもハウスの中に放たれると聞く。そんな手立てを持たない者は地産地消で協力することだろう。
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