中学生のプロ棋士・藤井4段のプロ入り公式戦30連勝を日本中が期待と不安とを混在させながら注目していた。結果は30連勝は達成できなかったが、14歳で中学生棋士の素直な人柄と合わせその戦績に拍手を送った。記録はいつか破られる、これまでもその都度言われてきたが、新しいステップへ踏み出して欲しい。
棋界の話し。先日、大山王将のプロとしての姿を少し書いた。その大山王将直筆の記念品を大切に保存している。一つは扇への書。これを入手したのは、東大の将棋部に所属していた後輩から。入社配属で工場勤務となった彼は工場合理化Gの事務局員も担当した。グループ員の私とは何故かよく議論した。コンサルタントは議論が面白いと止めなかった。彼が本店へ転勤の日「議論はいい思い出になりました。これを受け取ってください」と手渡してくれた品。かなり痛んでいたが今も同じ状態で保存している。
色紙の1枚。工場での講演終了後の休憩時に揮毫されたうちの1枚。「出先なので印を持ち合わせていない」ということで花押はないが目の前でしたためられたうちの1枚。当時の担当課長が記念にと持ち帰らせてくれた。額に入れ、先の扇とともに保管している。藤井4段活躍の報に接し、何年ぶりかに逸品を手にしてその重みを感じた。
「静思萬考(せいしばんこう)」、「静かに心を落ち着けて、さまざまに考える」意味を表す。これは、受け将棋を得意とした大山王将の将棋感を表すという。焦らず冷静に物事を考える、29連勝までの藤井4段の差し手解説から十将五世名人に似たものを感じた。将棋名人の強さは、定跡だけにとらわれないものであるという。藤井4段、AIを負かす力をそなえて欲しい、竜王戦は逃がしたがこれからの棋界を担う一人としてガンバレ。
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