a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

笑えて 哀しい

2018-08-19 10:32:28 | 東京公演
2006年ブレヒト没後50年ブレヒトフェスティバルに、東京演劇アンサンブルの『ガリレイの生涯』が招待されベルリナー アンサンブルで公演した。

世界各国のブレヒトの芝居が集まった。

『トゥランドット姫…』の演出をする公家義徳は、その時ガリレイを演じた。

演出の広渡常敏は病床で涙を流しその報告をきいてくれた。


そしてその2ヵ月後に亡くなった。


鉄の時代を象徴する真っ赤に塗られた十字のトラスはベルリンにも運ばれた。

その前NHKで劇場中継された時のガリレイは、今回、学問を求める農民ゼンを演じる伊藤克だった。

晩年のブレヒトが生きた1953年、その苦悩がいま稽古場で重なり合い。浮かびあがる。

私が劇団に入っての初舞台はブレヒトの 『コミューンの日々』 だった。

理想を求める革命が、敵を徹底的に壊滅しなかったことで敗北した。革命と自由についての問いかけ。

いま‘革命’が、自由と理想の象徴でなく、独裁と暴力の代名詞になっているのは哀しい。

学ぶことへの憧れが、権力に屈する絶望に変わっていることが、リアルに解ってしまう時代であることが、見事にカリカチュアされればされるほど、笑えてしまい哀しい。

革命への憧れと、その中で生まれた筈の美しいものがなんだったのか?

少なくともそれが20世紀、世界を変えた。

自由で美しい人間精神を創った。



赤い鉄のトラスは間もなくブレヒトの芝居小屋とともに、廃棄され鉄屑になる運命。

鉄の時代は終わり‘いのち’の時代を次の東京演劇アンサンブルは生きる。


9月にはいのちの空間ブレヒトの芝居小屋でお待ちしてます。



志賀澤子


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作 ベルトルト・ブレヒト
訳・ドラマトゥルク 黒田容子
演出  公家義徳
音響  島猛
照明  真壁知恵子
衣裳  稲村朋子
映像アドバイザー・撮影 飯名尚人
制作  小森明子・太田昭

■キャスト
トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
ヤウ・イェル        三木元太
総理大臣          竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ   篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
ゴーゲー・ゴーグ(ギャング)和田響き
マー・ゴーグ(彼の母)   原口久美子

浅井純彦
雨宮大夢
大橋隆一郎
小田勇輔
上條珠理
坂本勇樹
仙石貴久江
永濱渉
奈須弘子
町田聡子
真野季節
洪美玉

9/7 19
8 14
9 14
10  休演日
11 19☆
12 19☆

13 19
14 19
15 14
16 14
17 14


ブレヒトの芝居小屋

全席自由 開場は開演の30分前 整理番号順の入場

料金

前売一般 3800円 前売U25→3000円〈25才以下の方対象〉

当日4500円

☆Low Price Dayは一律2500円

チケット申込

東京演劇アンサンブル TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

ticket@tee.co.jp

協賛 ケンタウルスの会