
ゴーゲー・ゴーグ役の和田響きです。
偉そうなことが書かれていると思ってページを開いた俳優及び人生の諸先輩方、残念ながらここでは鼻の伸びた若手の演劇論が語られるわけではなく「俳優ってなんやねん」という若手俳優のもがきが語られます。
若手の鑑を自称する僕からすると、鼻を折るのがご趣味な先輩がたのご要望に沿わないことについてはただただ申し訳ない気持ちで一杯です。
ま、SNSを介した先輩いじりはこの辺にしておきましょう。本当にすみません。

えー、ワタクシどもの劇団は基本的には一年中大忙し、年に3本の東京公演、旅公演、各種イベント。
貧乏ながらもいつも忙しくしております。
常々思いますのが、稽古の無い時にこそ俳優は真価を問われるということです。
人に出会い、他者を想い、経験し、ワタシや他者の現実をより実感していく。もちろん、自分で獲得したことを表現するに足る身体、声のトレーニングもしなくちゃなりません。
そうして去年の俺とは違うぜ、なんて鼻が育ち始めた頃、いよいよ芝居の稽古が始まりまるのです。そして、いざ鼻息荒く自分のポケットの中を探してみると、なんと忘れ物だらけ。
演出家に
「ばっかもーん!」
となるわけです。

日々追い立てられる犬もしくは餌に向かって走る犬のように生きているワタシタチでも時には学習もします。
この間はアレを忘れた、今度は忘れないぞ、と。
それでまた息巻いて稽古に入りポケットを探ると、なんとおんなじ物しか入ってない。
落語じゃねぇんだぞオラ。
思わず言葉が粗くなります。

作品に挑む時はいつだって足りないものだらけ十全なことなんてほとんどない。
稽古がはじまったから一生懸命にやるなんてお話になりません。
しかし、それでもやらなくちゃならないのがこの仕事です。
すみません、気候がいまいちなんで出来ませんとはいかないのです。
だからこそ稽古をしていないときにこそ、俳優はポケットに詰められるだけ色んなものを詰め込むのです。
中には尖ったものしか詰め込まないやつ、丸いものしか詰め込まないやつ、本人の無意識に詰め込んでるやつ、いろいろな人がいます。
その詰め込んだ
えー、ここまで書いて
そういえば「若手俳優のもがき」を書こうとしたんだったと思い出しました。
どうせ大層な事なんか言えやしません、こんなもんでいいでしょう。
ただ、俳優というものが世間から外れてボンヤリ生きているだけではないということは伝わったでしょうか?

肉眼で観る舞台に立った人間の影に、普段のその人自身の顔も透けてみえるかもしれません。
もしくは自分自身が写ってみえるかも。
単純にもっとまじめに稽古場報告を書けとお叱りに来てくださる方も大歓迎です、世の中腹を据えて話せばお互いのことを多少は理解出来るはずなのです。
今作を入れあと3回となったブレヒトの芝居小屋での公演、皆さまぜひお見逃しなく!!

なお写真はイメージです。
筆者とは何の関係もありません。
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作 ベルトルト・ブレヒト
訳・ドラマトゥルク 黒田容子
演出 公家義徳
音響 島猛
照明 真壁知恵子
衣裳 稲村朋子
映像アドバイザー・撮影 飯名尚人
制作 小森明子・太田昭
■キャスト
トゥランドット姫 正木ひかり
皇帝 永野愛理
皇太后 志賀澤子
ヤウ・イェル 三木元太
総理大臣 竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ 篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫) 山﨑智子
ゴーゲー・ゴーグ(ギャング)和田響き
マー・ゴーグ(彼の母) 原口久美子
浅井純彦
雨宮大夢
大橋隆一郎
小田勇輔
上條珠理
坂本勇樹
仙石貴久江
永濱渉
奈須弘子
町田聡子
真野季節
洪美玉
9/7 19
8 14
9 14
10 休演日
11 19☆
12 19☆
13 19
14 19
15 14
16 14
17 14
ブレヒトの芝居小屋
全席自由 開場は開演の30分前 整理番号順の入場
料金
前売一般 3800円 前売U25→3000円〈25才以下の方対象〉
当日4500円
☆Low Price Dayは一律2500円
チケット申込
東京演劇アンサンブル TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433
ticket@tee.co.jp
協賛 ケンタウルスの会