a letter from Nobidome Raum TEE-BLOG

東京演劇アンサンブルの制作者が、見る、聞く、感じたことを書いています。その他、旅公演や、東京公演情報、稽古場情報など。

面白い人たち!

2018-08-22 12:12:39 | 東京公演
今回芝居のタイトルになっている、「トゥランドット姫」を演じる正木です。


稽古をしながらトゥランドット姫のハチャメチャさ、自由さにとても手を焼いています。

この姫はなんなんだ!?純粋なのか、はたまた確信犯なのか...?

掴んだ!と思ったらすり抜けていくようなこの姫にきっと男たちは惹かれていくのでしょうね^^;
((もちろん私もその一人なのですが!笑))


-----------------


さて、魅力的な登場人物は姫だけではもちろんありません!

今回の芝居どんな登場人物が出るのか?


すご〜くざっくりだけどグループ分けしてみました!


【北京に集まる人々】


・宮廷メンバー

→皇帝や姫のわがままに振り回される苦労人多数。

愚痴をこぼさなきゃやってられない...

それでも首切られたくないから頑張るよ(;_;)


・学者メンバー

→知識を売り物にして商売する貧乏学者。

すごく偉いんだけど更にのし上がるために黒を白と言い換えようと頑張る学者。

真実は真実だ!国の圧力に負けずに頑張る学者。

知識の数だけ学者が居るってくらいに色んな学者が登場するよ〜


・ギャングと洗濯女たち

→お勉強は出来ないけれど、それ以外は切れ者の親分と力で勝負の子分が合わさればギャングの出来上がり!

この芝居の中で一番のし上がる有望株!?!?

そして、親分のお母さんは洗濯場で働く。

生きる力が強い。

真実を見抜く力が強いのは民衆なのかもしれないね!

洗濯女たちのパワフルさは誰にも負けないわよ!


・党員メンバー

→もう国のやり方にはついていけない。

2つの党はついに手を組むぞ...と息巻いているものの、なかなか仲良く手を組めない;;

目標は同じ、読んでる本も同じなのに譲れないものがあるんだから難しいもんだ。


【北京外の人々】


・老人と子ども

→学者になりたい夢をもった老人とその子ども。

外から来たこの二人が色んなことを見つめて、見抜いていく。

?カイ・ホー?

→名前は出てくるが実際に舞台には登場しない、謎大き人物。国の秘密の暴露していく...


-----------------


私なりにざっくり分けたグループ説明いかがでしたでしょうか^^?

本当にたくさんの登場人物が居るので、自分だったらこのグループに入りたい!

とか、この人の言うこと分かるわ〜とか、人の魅力にどっぷり浸かって芝居を観るのもいいかも( ‘-^ )b

あとは、自分がもし俳優だったらこの役演じたいとかね♪((この観方は俳優あるあるだったりします!笑))

様々な人間が居るように、芝居の観方も様々

気楽にぜひブレヒトの芝居小屋へ(」≧∀≦)」


姫が撮った稽古場オフショット



☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作 ベルトルト・ブレヒト
訳・ドラマトゥルク 黒田容子
演出  公家義徳
音響  島猛
照明  真壁知恵子
衣裳  稲村朋子
映像アドバイザー・撮影 飯名尚人
制作  小森明子・太田昭

■キャスト
トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
ヤウ・イェル        三木元太
総理大臣          竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ   篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
ゴーゲー・ゴーグ(ギャング)和田響き
マー・ゴーグ(彼の母)   原口久美子

浅井純彦
雨宮大夢
大橋隆一郎
小田勇輔
上條珠理
坂本勇樹
仙石貴久江
永濱渉
奈須弘子
町田聡子
真野季節
洪美玉

9/7 19
8 14
9 14
10  休演日
11 19☆
12 19☆

13 19
14 19
15 14
16 14
17 14


ブレヒトの芝居小屋

全席自由 開場は開演の30分前 整理番号順の入場

料金

前売一般 3800円 前売U25→3000円〈25才以下の方対象〉

当日4500円

☆Low Price Dayは一律2500円

チケット申込

東京演劇アンサンブル TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

ticket@tee.co.jp

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俳優の仕事とは

2018-08-21 12:29:50 | 東京公演


ゴーゲー・ゴーグ役の和田響きです。

偉そうなことが書かれていると思ってページを開いた俳優及び人生の諸先輩方、残念ながらここでは鼻の伸びた若手の演劇論が語られるわけではなく「俳優ってなんやねん」という若手俳優のもがきが語られます。

若手の鑑を自称する僕からすると、鼻を折るのがご趣味な先輩がたのご要望に沿わないことについてはただただ申し訳ない気持ちで一杯です。

ま、SNSを介した先輩いじりはこの辺にしておきましょう。本当にすみません。



えー、ワタクシどもの劇団は基本的には一年中大忙し、年に3本の東京公演、旅公演、各種イベント。

貧乏ながらもいつも忙しくしております。

常々思いますのが、稽古の無い時にこそ俳優は真価を問われるということです。

人に出会い、他者を想い、経験し、ワタシや他者の現実をより実感していく。もちろん、自分で獲得したことを表現するに足る身体、声のトレーニングもしなくちゃなりません。

そうして去年の俺とは違うぜ、なんて鼻が育ち始めた頃、いよいよ芝居の稽古が始まりまるのです。そして、いざ鼻息荒く自分のポケットの中を探してみると、なんと忘れ物だらけ。


演出家に

「ばっかもーん!」

となるわけです。




日々追い立てられる犬もしくは餌に向かって走る犬のように生きているワタシタチでも時には学習もします。

この間はアレを忘れた、今度は忘れないぞ、と。

それでまた息巻いて稽古に入りポケットを探ると、なんとおんなじ物しか入ってない。

落語じゃねぇんだぞオラ。

思わず言葉が粗くなります。



作品に挑む時はいつだって足りないものだらけ十全なことなんてほとんどない。

稽古がはじまったから一生懸命にやるなんてお話になりません。

しかし、それでもやらなくちゃならないのがこの仕事です。

すみません、気候がいまいちなんで出来ませんとはいかないのです。

だからこそ稽古をしていないときにこそ、俳優はポケットに詰められるだけ色んなものを詰め込むのです。

中には尖ったものしか詰め込まないやつ、丸いものしか詰め込まないやつ、本人の無意識に詰め込んでるやつ、いろいろな人がいます。

その詰め込んだ




えー、ここまで書いて

そういえば「若手俳優のもがき」を書こうとしたんだったと思い出しました。

どうせ大層な事なんか言えやしません、こんなもんでいいでしょう。

ただ、俳優というものが世間から外れてボンヤリ生きているだけではないということは伝わったでしょうか?


さぁそれではとってつけたような宣伝ではございますが、上で書いたようにうんざりするような大変な仕事を一年中している人たちの演じる「トゥランドット」観に来てみてはいかがでしょう?

肉眼で観る舞台に立った人間の影に、普段のその人自身の顔も透けてみえるかもしれません。

もしくは自分自身が写ってみえるかも。

単純にもっとまじめに稽古場報告を書けとお叱りに来てくださる方も大歓迎です、世の中腹を据えて話せばお互いのことを多少は理解出来るはずなのです。

今作を入れあと3回となったブレヒトの芝居小屋での公演、皆さまぜひお見逃しなく!!



なお写真はイメージです。

筆者とは何の関係もありません。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作 ベルトルト・ブレヒト
訳・ドラマトゥルク 黒田容子
演出  公家義徳
音響  島猛
照明  真壁知恵子
衣裳  稲村朋子
映像アドバイザー・撮影 飯名尚人
制作  小森明子・太田昭

■キャスト
トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
ヤウ・イェル        三木元太
総理大臣          竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ   篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
ゴーゲー・ゴーグ(ギャング)和田響き
マー・ゴーグ(彼の母)   原口久美子

浅井純彦
雨宮大夢
大橋隆一郎
小田勇輔
上條珠理
坂本勇樹
仙石貴久江
永濱渉
奈須弘子
町田聡子
真野季節
洪美玉

9/7 19
8 14
9 14
10  休演日
11 19☆
12 19☆

13 19
14 19
15 14
16 14
17 14


ブレヒトの芝居小屋

全席自由 開場は開演の30分前 整理番号順の入場

料金

前売一般 3800円 前売U25→3000円〈25才以下の方対象〉

当日4500円

☆Low Price Dayは一律2500円

チケット申込

東京演劇アンサンブル TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

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笑えて 哀しい

2018-08-19 10:32:28 | 東京公演
2006年ブレヒト没後50年ブレヒトフェスティバルに、東京演劇アンサンブルの『ガリレイの生涯』が招待されベルリナー アンサンブルで公演した。

世界各国のブレヒトの芝居が集まった。

『トゥランドット姫…』の演出をする公家義徳は、その時ガリレイを演じた。

演出の広渡常敏は病床で涙を流しその報告をきいてくれた。


そしてその2ヵ月後に亡くなった。


鉄の時代を象徴する真っ赤に塗られた十字のトラスはベルリンにも運ばれた。

その前NHKで劇場中継された時のガリレイは、今回、学問を求める農民ゼンを演じる伊藤克だった。

晩年のブレヒトが生きた1953年、その苦悩がいま稽古場で重なり合い。浮かびあがる。

私が劇団に入っての初舞台はブレヒトの 『コミューンの日々』 だった。

理想を求める革命が、敵を徹底的に壊滅しなかったことで敗北した。革命と自由についての問いかけ。

いま‘革命’が、自由と理想の象徴でなく、独裁と暴力の代名詞になっているのは哀しい。

学ぶことへの憧れが、権力に屈する絶望に変わっていることが、リアルに解ってしまう時代であることが、見事にカリカチュアされればされるほど、笑えてしまい哀しい。

革命への憧れと、その中で生まれた筈の美しいものがなんだったのか?

少なくともそれが20世紀、世界を変えた。

自由で美しい人間精神を創った。



赤い鉄のトラスは間もなくブレヒトの芝居小屋とともに、廃棄され鉄屑になる運命。

鉄の時代は終わり‘いのち’の時代を次の東京演劇アンサンブルは生きる。


9月にはいのちの空間ブレヒトの芝居小屋でお待ちしてます。



志賀澤子


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作 ベルトルト・ブレヒト
訳・ドラマトゥルク 黒田容子
演出  公家義徳
音響  島猛
照明  真壁知恵子
衣裳  稲村朋子
映像アドバイザー・撮影 飯名尚人
制作  小森明子・太田昭

■キャスト
トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
ヤウ・イェル        三木元太
総理大臣          竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ   篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
ゴーゲー・ゴーグ(ギャング)和田響き
マー・ゴーグ(彼の母)   原口久美子

浅井純彦
雨宮大夢
大橋隆一郎
小田勇輔
上條珠理
坂本勇樹
仙石貴久江
永濱渉
奈須弘子
町田聡子
真野季節
洪美玉

9/7 19
8 14
9 14
10  休演日
11 19☆
12 19☆

13 19
14 19
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全席自由 開場は開演の30分前 整理番号順の入場

料金

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当日4500円

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見ている

2018-08-18 11:55:08 | 東京公演
今回、私はエー・フェーという子供の役を演じる。


学者(トゥイ)になりたいという祖父、ゼンと共にセチュアンから遥々やってきた。

この劇で唯一出てくる子供

発する言葉はとても少ないが祖父の後をくっついてちょこちょこと舞台上に現れる。


そうして見ている。周りの状況を。

交わされる言葉達を。


役者にとって台詞や態度などで発信することは大事だが、相手の言葉や感情を受け取る事の方が大事なのではないかと私は思う。

そしてそっちの方が精神を使うのだ。

とても疲れる…。

声を上げる方がその台詞によって存在を表すことができ、その人の状態を説明出来る。

受け取る側はただ相手の声から、表情から、読み取り感じなければならない。




エー・フェー

この子供が何を見て、何を感じるのか。そして、その後どう生きていくのか。

これからの稽古で、そして本番で、ひとつずつ見ていきたい。



山﨑智子(エー・フェー)


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作 ベルトルト・ブレヒト
訳・ドラマトゥルク 黒田容子
演出  公家義徳
音響  島猛
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制作  小森明子・太田昭

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トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
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総理大臣          竹口範顕
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エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
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マー・ゴーグ(彼の母)   原口久美子

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小田勇輔
上條珠理
坂本勇樹
仙石貴久江
永濱渉
奈須弘子
町田聡子
真野季節
洪美玉

9/7 19
8 14
9 14
10  休演日
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トゥランドット

2018-08-17 18:18:06 | 東京公演
小田勇輔です。

稽古が始まって1ヶ月半経ちました。

稽古場は楽しい雰囲気です。

ただ稽古はかなり大変であります。

前に進んだり進まなかったりと悪戦苦闘中です!

ところで私には個人的な楽しみがあります。

今回の劇で女性の役をやります。

公家さんから、ブサイクや気持ち悪いなどヒドイ事を言われていますが、私はとても楽しんでいます。

あと自分はボディーガードの役も演じております。

どういう人物なんだろう・・・

と毎日格闘しながら稽古をやっておりますが、正直それを追いかける事が辛いです。

しかし、やりがいがあります!

面白い作品になるので、ご期待ください!!


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作 ベルトルト・ブレヒト
訳・ドラマトゥルク 黒田容子
演出  公家義徳
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■キャスト
トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
ヤウ・イェル        三木元太
総理大臣          竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ   篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
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9/7 19
8 14
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欲望の展覧会

2018-08-16 12:08:22 | 東京公演
こんにちは。東京演劇アンサンブルの竹口です。

今回の舞台では総理大臣役をつとめます。

トゥランドットといえば、プッチーニのオペラが有名で、いつだったか、フィギュアスケートの荒川静香がこの作品の有名なアリアで滑ったことで、さらに知名度が上がりました。

わたしも高校時代にFM ラジオで全曲が放送されるのを聞いて、そのドラマチックな音楽に引き込まれて思わず二枚組のLP レコードを買い、ドミンゴになったつもりで繰り返し聴いたものです(笑)



しかし、ブレヒトのトゥランドットは、これとは随分テイストが違います。



トゥランドット姫は男を漁る好色な女。

彼女を取り巻くお偉方も、権力が欲しい、快楽が欲しい、地位と名誉が欲しい、金が欲しい、自分さえ良ければいい………といった調子で、これが国の指導者なのだと思うと、思わず頭を抱えてしまいそうな人たちのオンパレードです。


俳優たちは、こうしたいわゆる悪役たちに取り組むわけですが、彼らの持つ様々な欲望は、わたしたちには縁の遠い、特別なものというわけではなく、普段それを全面に押し出して暮らすことがないというだけで、わたしたち自身の中にも大なり小なりあるものです。

いま、稽古場では各人が自分の中にある欲望を掴み出して舞台に乗せようと、チャレンジを繰り返しているところです。

今回の舞台は客席をL字型に囲う形で、お客さんの目線の高さに浮かせた通路になっています。

ブレヒトの芝居小屋が、俳優たちが心の中から引き出してきた剥き出しの欲望の展覧会場となり、まさにこのような人たちの上から目線に囲まれて生きざるを得ない、現代の日本そのものとなるように、そして最後には、「もうあんたたちには用はない!」と、みんなで笑って引導を渡せるような、元気の出る舞台にしたいと思っています。





皆さまのご来場を、心よりお待ちしております。


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作 ベルトルト・ブレヒト
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トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
ヤウ・イェル        三木元太
総理大臣          竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ   篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
ゴーゲー・ゴーグ(ギャング)和田響き
マー・ゴーグ(彼の母)   原口久美子

浅井純彦
雨宮大夢
大橋隆一郎
小田勇輔
上條珠理
坂本勇樹
仙石貴久江
永濱渉
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9/7 19
8 14
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10  休演日
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12 19☆

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ブレヒトの芝居小屋

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大先輩の存在

2018-08-15 12:12:33 | 東京公演
本日のブログ担当の雨宮大夢です!



連日の猛暑で劇団員もバテバテ、今年から始めた家庭菜園もしおしおになってしまいました。



今回は稽古中のあるエピソードを書きたいと思います。




今回は、これまでの本公演と比べても読み稽古の日数があまり取れてません。




読み稽古の最終日になっても最後のシーンのキャスティングが全て決まりきらないという全員が不安を抱えている状況でした。





そのとき稽古場で話をしてくれたのが、今回の出演者で最年長の伊藤克さんです。



今年で89歳になられる克さんは、自身の60年代を語ってくれました。



60年の大きなうねりの中にいた克さんは

「あのとき、確かに世の中が変わると思ったんだ」


と言い、

「この世の中に満足しているのは若者ではない、それを"ぶち壊そう"というエネルギーがあるのが若者なんだ」


と語ってくれました。



克さんが昔を振り返りながら語ったあの言葉。



悔しさと、無念さがありながら、誇らしげだったあの表情を、僕たちは忘れないと思います。



「この作品が書かれたのは50年前だけど、今に突き刺さる良い芝居にしようじゃないか!」


稽古場が纏まった瞬間だったと思います。



自分のアピールじゃなくて、大先輩のエピソードになりましたが、僕もムンカ・ドゥーという役で出演します。



きっと、皆さんの記憶に残るような役になると思うので、是非お楽しみにして下さい!


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トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
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総理大臣          竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ   篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
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ブレヒトの芝居小屋

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ブレヒトの芝居小屋、最後の夏

2018-08-14 17:46:10 | 東京公演
夏の日差しを全身にうけて、乾きを訴えているような芝居小屋の大扉。

その前にギラついて並んでる劇団員の自転車たち。

その台数に焦ったりちょっと一息ついたりしながら稽古場へ入る。


「うぉー!あーあーあー!」誰かの発声練習が聞こえる。


(くすっ、そのやり方は違うんじゃないかなぁ……とひそかに思ったり(^^))。


お茶場の準備をする後輩らとすれ違いざまちょっかい出したり雑談したり、顔色をみたり。

今日も誰かからの差し入れ、夏のフルーツが届いている。

いつもありがとう。

日一日と『ブレヒトの芝居小屋の夏』が通り過ぎて行きます。


そう、もう来年の今頃にはこの小屋に私たちはいないわけで……。

今のうちに夏の稽古場の風景を目に身体に焼き付けておきたいと思いながら劇団に通っています。

が、取り組むのはこの小屋最後のブレヒト作品。

その中身を掴まえるのに頭と心のエンジンを全開するのに忙しく、相変わらず余裕がない自分です。




今回の舞台では、過去のブレヒト作品で使われた懐かしい物が登場しています。

今まで私が出演したのは5つほどなのですが、ブレヒト作品はほんの一瞬だけの登場人物、たった一言のセリフでも印象深くその作品世界に置かれていると感じることが多いです。

『ガリレイの生涯』公演の時、唯一の私のセリフは『どなた?』。

タリさん(演出家)の目はすり抜けたものの(笑)、

他の先輩がわーっと来て「違う!『どなた?』よ。」私「どなた?」。先輩「うううん、『どなた?』」「???」。

色んな言い方を試しても何が違うのかなかなか掴めず、苦労した思い出です。

どんな端役でもその一言、一つの動作が、私が『どなた?』と指し示した人物への観客の想像を乱してしまうことの重さを知りました。

そして、芝居の奥深さを感じた経験でした。

今回の芝居では、学者グーという役で劇団の大大大先輩と出演する場面が沢山あります。

劇団歴25年の中でその先輩とこんなに会話するのは初めてですが、臆することなく瞬間瞬間の先輩とのやりとりの中で何かを発見したり、感じたりできるよう、アンテナ張って集中して稽古していきたいです。



毎回衣装づくりでお世話になっているうちの大御所ミシン。



9月7日からの上演です。

ご来場お待ちしております!


町田聡子


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作 ベルトルト・ブレヒト
訳・ドラマトゥルク 黒田容子
演出  公家義徳
音響  島猛
照明  真壁知恵子
衣裳  稲村朋子
映像アドバイザー・撮影 飯名尚人
制作  小森明子・太田昭

■キャスト
トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
ヤウ・イェル        三木元太
総理大臣          竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ   篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
ゴーゲー・ゴーグ(ギャング)和田響き
マー・ゴーグ(彼の母)   原口久美子

浅井純彦
雨宮大夢
大橋隆一郎
小田勇輔
上條珠理
坂本勇樹
仙石貴久江
永濱渉
奈須弘子
町田聡子
真野季節
洪美玉

9/7 19
8 14
9 14
10  休演日
11 19☆
12 19☆

13 19
14 19
15 14
16 14
17 14


ブレヒトの芝居小屋

全席自由 開場は開演の30分前 整理番号順の入場

料金

前売一般 3800円 前売U25→3000円〈25才以下の方対象〉

当日4500円

☆Low Price Dayは一律2500円

チケット申込

東京演劇アンサンブル TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

ticket@tee.co.jp

協賛 ケンタウルスの会


稽古場ブログ、始動!

2018-08-13 12:55:23 | 東京公演
猛暑かと思っていたら、急に天候の不安定な日が続いていますね。

ブレヒトの芝居小屋では、連日『トゥランドット姫 あるいは 嘘のウワヌリ大会議』の稽古中です。

本日より、稽古場ブログをスタートします!


担当は、学者(トゥイ)・ウェン、侍女1役の、上條珠理です。


実は私、劇団に入る前は某オペラ団体で働いておりました。
その為、まず思い浮かぶのはプッチーニ作曲のオペラ『トゥーランドット』。(イタリア語読みの表記です)

大人数、大掛かりなセットが必要な為あまり上演されなかった作品ですが、ここ数年日本で公演されているようです。


美しく誇り高いトゥーランドット姫は、先祖の姫の恨みを晴らす為、言い寄る異国の王子達に謎を出し、答えられない王子達を次々首切りにしています。

それが民衆達の一大イベント!


になっている北京に、タタール国を追われた王子カラフが登場、姫に一目惚れし謎解きに挑んで、あっさり3つ正解。

絶対結婚しないと逆上する姫に、自分の名前を夜明け迄に告げるなら死んでも良いと鷹揚に答える王子。

名前が分からなければ皆首を切られてしまうと騒ぐ市民や城の家臣達に、今宵北京では誰も寝てはならない、朝には自分が愛と勝利を手にするのだからと王子が歌うのが、有名なアリア「誰も寝てはならぬ」です。

明け方、王子の名を知る女奴隷のリューが捕われ拷問にかけられるも、王子を愛するリューは、決して名前は答えない、これが愛なのですと姫に訴え自害。民衆は大いに同情、姫は氷のような心を溶かして王子の名は愛ですと高らかに宣言し二人は結ばれる、というオベラらしいモヤモヤした結末です。


さてさて、このお話をブレヒトが料理すると、一体どうなるのか!?


主人公二人の性格付けは全く違いますが、傍迷惑なのは同じ?


意外な共通点、かけ離れた設定を発見するのが私の密かな楽しみでもあります。


そしてこちら側の世界になかなか飛び込みきれていない私……ハイ、もっと思いきらなくては!


という訳で、皆様どうぞお楽しみに!


☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

作 ベルトルト・ブレヒト
訳・ドラマトゥルク 黒田容子
演出  公家義徳
音響  島猛
照明  真壁知恵子
衣裳  稲村朋子
映像アドバイザー・撮影 飯名尚人
制作  小森明子・太田昭

■キャスト
トゥランドット姫      正木ひかり
皇帝            永野愛理
皇太后           志賀澤子
ヤウ・イェル        三木元太
総理大臣          竹口範顕
宮廷学者フィー・イェイ   篠原祐哉
アー・シャー・ゼン(農夫) 伊藤 克
エー・フェー(彼の孫)   山﨑智子
ゴーゲー・ゴーグ(ギャング)和田響き
マー・ゴーグ(彼の母)   原口久美子

浅井純彦
雨宮大夢
大橋隆一郎
小田勇輔
上條珠理
坂本勇樹
仙石貴久江
永濱渉
奈須弘子
町田聡子
真野季節
洪美玉

9/7 19
8 14
9 14
10  休演日
11 19☆
12 19☆

13 19
14 19
15 14
16 14
17 14


ブレヒトの芝居小屋

全席自由 開場は開演の30分前 整理番号順の入場

料金

前売一般 3800円 前売U25→3000円〈25才以下の方対象〉

当日4500円

☆Low Price Dayは一律2500円

チケット申込

東京演劇アンサンブル TEL:03-3920-5232 FAX:03-3920-4433

ticket@tee.co.jp

協賛 ケンタウルスの会

「戯曲を読む会」第三回目のご案内

2018-08-07 09:12:12 | 芝居小屋企画
第3回 戯曲を読む会@東京演劇アンサンブル

新企画として月一回を目処に、「戯曲を読む会」を開催します!

東京演劇アンサンブルの若手の提案による、いろんな戯曲を皆で声に出して読んでみようという会です。

ワークショップという形に拘らず、誰でも気軽に参加出来ます。

第3回はアーサー・ミラーの「セールスマンの死」を読みます。決して忘れられることのない名作でもあり、アメリカで映画化もされ、ピューリッツァー賞も受賞した作品です。

候補としてほかに「12人の怒れる男」「おかしな二人」などがあげられました。

戯曲に興味がある方、作品について話し合ってみたい方等、お気軽にご参加下さい!

日時 8月18日 18時30分~21時30分
場所 ブレヒトの芝居小屋(東京演劇アンサンブル稽古場)
参加費 500円(会場費等)

参加希望の方は2日前までに03-3920-5232までご連絡ください。
ご質問等もお気軽にお待ちしています。


第二回の作品は小沢正作、広渡常敏脚本「こぶたのかくれんぼ」でした。

初回は告知期間が短いこともあって、参加者は6人でした。

第2回目は、なんと倍以上の13人の参加者が!!

メンバーも児童演劇会における超有名劇団の方や、市民劇団の方、学生、会社員、主婦、元演劇制作者など、年齢も仕事もバラバラで多彩な顔ぶれとなりました。

読了後の感想タイムでは一時間近く各々が感じたこと、疑問に思ったことなどを話し合いました。



チラシを劇団員の山﨑智子が書いていてくれました!
そちらもご覧ください!!

東京演劇アンサンブルHP
http://www.tee.co.jp

アーサー・ミラー

アーサー・アッシャー・ミラー(Arthur Asher Miller, 1915年10月17日 - 2005年2月10日)は、アメリカ合衆国の劇作家。代表作は『セールスマンの死』など。1915年にニューヨークでオーストリアのユダヤ系の家庭に生まれる。高校卒業後、ミシガン大学に入学するが、成績の低さが原因で奨学金が受けられず、更に大恐慌によって父親からの支援がなくなり、2年ほど自動車生産工場で働く。入学後、演劇を学び、在学中からラジオドラマの脚本を皮切りに劇作を始めた。1944年『幸運な男』でブロードウェーに進出を果たす。1947年『みんな我が子』がヒットし注目を集める。1949年『セールスマンの死』でエリア・カザンが演出し、トニー賞、ピュリッツァー賞を受賞。劇作家としての地位を確立し、テネシー・ウィリアムズとともにアメリカ現代演劇の旗手に躍り出た。

東京演劇アンサンブル
1954年4月,俳優座養成所を卒業した3期生の有志が結成。初めは劇団三期会を名のったが,67年 12月現名称に改称した。早くからブレヒト作品に取組み,80年元映画スタジオを改装して設けた劇場「ブレヒトの芝居小屋」を開場,活動の拠点とする。広渡常敏演出によるブレヒト作『セチュアンの善人』,『ガリレイの生涯』,チェーホフ作『かもめ』などが代表作。岸田国士作品の連続上演も行なった。