空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Kidalはフランス軍(MNLA,IMA?)の手に落ちる

2013-01-30 22:33:35 | Newsメモ
 どうか平穏を

BBC Mali conflict: France says its troops now in Kidal 30 January 2013 Last updated at 12:30 GMT

 フランス軍がKidal空港を確保,市街のパトロールに入る。夜9:30ころにヘリを含む4機の航空機で進入してきたものである。

 この事態はTimbuktu陥落から24時間ほどで成し遂げられてしまった。

 Kidalは,所謂イスラミスト勢力の手中に落ちた中では,最後の重要拠点であった。この三週間ほどというもの,Gao,Timbuktuを次々解放してきた。

 但し,(マリ政府に明確に敵対的な)イスラミスト勢力は同市を既に退去しているという。上掲記事冒頭には,誰がこの町の支配権を握っているか不明であるとあるが―

 これが,例のAzawadイスラム運動(Ansar Dineからの離脱組)が,今現に町に責任を持っているのは自分たちだと主張するようなのである。

 彼らは「極端主義とテロリズム」を非難し,平和的解決を求めていると語る。IMAの広報担当がフランス軍のKidal来着を確認し,その指導者が彼らと対話しているというのである。

 なお,世俗派のNational Movement for the Liberation of Azawad (MNLA)であるが,彼らは土曜のうちにKidalに入り,そこではイスラミストの姿を見なかったのだという由。また,フランスとともにテロリスト集団を除去する用意ができているとする。

 尤も,マリ軍は民間人に犯罪行為仕掛けるから南にお引き取りくださいね,ともいうのだが。
 また,解放された都市(Kidalのことかなあ)ではどーも過激派シンパのお店が略奪されたりしたそうだが。

 なおAnsar Dineの指導者Iyad Ag GhalyやAQIMのAbou ZeidらはKidal北の山岳地帯に入りこんだとか。

 ともあれ,主要都市を奪取するという,イスラミスト過激派に対する作戦の第一段階は成功したと言ってよいものと思われる。

 第一段階だが。


 朗報?としては,水曜,ケープタウン大のTimbuktu Manuscripts ProjectのディレクターShamil Jeppie氏がいわく,同地域の30万点の写本のうち,90%以上は無事である見込みと。例の3万点所蔵の研究所が多少焼かれた程度で済んだ―というわけだ。
 ―まあ私も,ネロ指令は実際上遂行不可能だとは信じていたが…まさか図書館を焼くとはなあ…3000点ほどで済んだのは,まだしも,だろうか…。


 …なお,Jihadistsらは写本の価値は知っていたようで―一部は略奪していった模様。
 闇社会に消える可能性があるが,しかし,消滅を免れたものがあることに私はまだしもの安堵をする。

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1 コメント

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Unknown (たいりしあす)
2013-01-30 22:38:02
毎日新聞「マリ:仏軍、キダルの空港制圧…過激派の本拠地」(http://mainichi.jp/select/news/20130131k0000m030031000c.html)2013年01月30日 20時17分
日本語ソースでは毎日が速かったかな。
「仏軍のキダル進攻が始まる直前に、北部遊牧民による世俗主義武装組織が「キダルを制圧した」と発表した」
とあって,MNLAの活動についても報じている。
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