空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリランド大統領選は国内の混乱を引き起こしつつあり

2009-08-12 12:17:06 | ソマリランド関連
Garowe Online Somalia: Somaliland's ruling party kicks off election campaign Aug 8, 2009 - 1:47:13 PM

Garowe Online Somalia: Somaliland MPs urge president to re-consider election Aug 11, 2009 - 12:10:53 PM

 8日,ソマリランド与党が大統領選の選挙運動を開始したと報ぜられました。投票日は9月27日などと言われます。野党の皆様はどうかと言いますと,与党副大統領Ahmed Yusuf Yasinが非難して曰く

「ナイロビとは,ソマリの問題から離れて儲けを出そうとするソマリ人にとってはホームグラウンドなわけだ。私はどうも分からんのだが,なんで大統領候補二人はそこにいるんだろうね?」(意訳)。野党候補がこの選挙直前の大事な時期に国元におらず,外国首都に滞在していることをあてこすります。

 普通なら,非難は尤もといえましょうが―与党の対応には問題がありすぎます。最近,調停のためのInterpeace係さんを追放してます。それ以前,何度も何度も選挙予定日を繰り延ばしてます。理由というのは,選挙人名簿が用意できないから―なんていうんですが,今回,その口実だった選挙人名簿ができてないのに見切り発車する形で選挙戦開始を一方的に宣言する格好。

 すでに有力野党Kulmiyeは選挙管理委員会への不信任を宣言しています。
 そして下院は大統領に再考を求める決議を出したわけです。
 これは4条からなり,

1. 選挙人名簿なしでの選挙は違法である
2. 選挙人名簿なしでの選挙実行に関して,即座に再考するよう大統領および選挙管理委員に求める
3. でなくば,下院は適切な,憲法に則った行動をとるであろう
4. 現政権はソマリランドの国際的なイメージを傷つけるような,いかなる行動も避けるべきである

 ソマリランドは最近,特に大統領一派の政治的にふさわしくない行動によって名声を落としているといえます。プントランドがきちんと大統領選出を民主的手続きによって行い,汚職・過去の売国的秘密協定の疑いで火達磨的(ってことは,通常のTIA的意味では軍事クーデターとかいろいろな手で権力の座にしがみつこうとするんじゃねぇか的)なMuseから,完全に平穏裏に権力移譲したのと好対照です。

 ソマリランド議員たちの行動は,杞憂とは言えないものと思われます。


 そーいえばわが国でもなんか選挙があるそーですけど,政治的な行動・発言は避けるべきことと通達が来てましてね(挨拶)。まあそんな通達に関わりなく,今まで通り政治について大いにメモ書きしていきますが(※ソマリア事情について)。

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