空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

感覚的には有意な差ではないかなーと思ってみる必要がある数字ではなかろうか

2011-04-04 22:20:24 | Weblog
昨日の工学院緊急シンポ,「被曝によってがん死亡率が30%から30.3%になったとしても誰にもわかりませんから,恐れる必要はありません(笑)」との専門家の発言に,つられて笑った人もいれば,福島から聴きに来て怒った人もいた。」1:21 AM Apr 3rd webから,SciCom_hayashi(林 衛)

 1000人いたとして,300人か303人かは誤差の範囲に見えるでしょうが,見かけ上のことですよね,おそらく。各県から無作為に1000人抽出でそういう数字が出た,というなら誤差の範囲だろうけど,全数でなら,感覚的には,これは有意な差ではないかなーと思ってみる必要がある数字ではなかろうか。

 この場合,「恐れる必要」がないのは誰か,という問いを立ててみるとよい。

 正直,関東圏なら,そりゃあ問題ないでしょうよ(※素人判断)。しかし福島浜通りは,流石に,なあ…。

 …つうか,どんな専門家だ,それ。

ryugo hayano氏 【全国の放射線レベル】4/2 9am(ちょっと更新遅れゴメン):「茨城と福島( http://bit.ly/hGo4VM)以外は,すべて通常レベルの目安を示した黄色の帯の中.福島は注意深く見る必要がある」,【グラフ更新 宮城県の放射線レベル】4/3まで(なおデータ元は文科省,宮城県);【首都圏の大気はクリーン】日本分析センターのデータ http://bit.ly/eluFYp をもとに作成.3/21-23の雨が,大気を洗った(但し落ちた放射性物質で,空間線量は平常時より少し高い)

Kojii.net Opinion : 安全と安心の狭間 (2011/4/4)

島薗進・宗教学とその周辺 放射性物質による健康被害の可能性について医学者はどう語っているか

島薗進 「しろうとの素朴な質問です。放射線医学界ではがんの放射線治療による余命効果と被ばくによるリスクを比較する研究の蓄積が大きな意義をもっていると思われます。今回の被ばくによる健康被害について放射線医学界から市民に理解しにくい「安全」論が出ていることと関わりがありましょうか。乞ご教示。  12:46 PM Apr 3rd webから
 
 (まるっきりの)一般人ならともかく,専門の学者であれば,自分の身に引き比べて,彼等がどのくらいのことなら言えそうと考えているのかとかどのくらい割り引いてものを言っているのかとか,ちょっと思ってみてはとも思う。

 えーと。例えば『イスラム教ってアブナイ宗教ですよねっ?!』なんて語る一般人がいたりする。その人はラディカルイスラミストの自爆テロだのなんだのを見て『イスラムは危険だ』と信じるのである。しかしおそらく,どう統計を取っても,あんなアレなファンダメンタリストのなれの果ては少数派なんであって。

 なので,その点からは『いえ,イスラム教は危ない宗教なんかじゃないですよ』と宗教学者は答えるだろう(もちろん,リアルに”イスラム教は攻撃的な宗教である”と断言する宗教学者もいるが)。

 しかし一般人は納得するまい。『ええー,でもだってイラクでは…(実例)。アフガニスタンだって…(実例)。これで危なくないなんてありえないです!』。宗教学者は一般人を説得するのに失敗しかねない。『だってアブナイ人がいるんでしょう?! だから危ないんです!』,この叫びに合理的に対処することは非常に困難だろう。

 恐らく,それと同じことが医学者なり,物理学者なりに今,起こっているのだ。
 学者の側の責任というなら,一般人にきちんと啓蒙してこなかったということが挙げられるのだろう,典型的に。こと原子力に限らないが,民はよらしむべし,しらしむべからず的な具合でいままであったことも問題だろう。

 しかし一般人としても,実はその相当部分はそれなりの「専門家」として生きているであろう現状からすれば,その自分の領域に安住するのみでよしとして,他のことに理解を及ぼさなかったこと,これは反省すべき点であろう。

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