毎日JP ポスドク:1人採用で5百万円…文科省が企業に「持参金」 2009年5月6日 11時45分 更新:5月6日 12時28分
要点:ポスドクの就職難についに文科省が対応,ポスドクを採用する企業に1人につき500万円の雇用経費を支払う。この事業のため,H9年度補正予算案に5億円を計上。いわばポスドクの「持参金」を国が持つ格好になるわけで―その種のblogなり掲示板なりで『これは事実上文科省が大学院重点化方針に対する責任を認めたものである!』と燃え上がる方々が出てくるかと思われる。
通例,企業の高位学位持ちの採用は技術系修士が中心のようで(学部で仕事に必要な高度な専門知識が獲得できるわけでない,という分野・大学では大学院進学が常識),博士採用はあまりない。使う側から見れば,専門知識はあっても年嵩で扱いづらかったり(そしてまた得てしてひねた人格になったりする例があるのである。少数ではあれ,母体数が小さいから目立つわな),給料が当初からあまりに高額になろうところ,使えるかどうかわからない人物にそんな高額の投資をするのは辛いところ。そんなだったら,若く脳味噌のやわかい人をとって自前で訓練し,場合によってはひも付きで大学院行かせてやって資格を取らせる―ほうが賢そうである。
でポスドクが大量に余っているわけで,食っていけないからには一般就職をも希望するわけだが,そこで企業側の「食わず嫌い」が問題となる―というのが今回の施策の応じるところ,というわけでしょう。
当然高度な専門知識人への求人は,そうした人物を要請する職務はあるのである。多少話はずれるが,高校教師でも優秀なのを引っこ抜いて大学院に行かせ,修士をとらせるという制度も運用されている。
だが給料の点など不安を持つだろう―D持ちなら,年間給与だけでも500万近い。これはちょっと,冒険の額だ。二の足を踏む企業さんに対して,ポスドク採用後の雇用計画,業務計画など採用計画を出してもらって審査して,ヨシこれなら国費を出すに値するという人事計画に援助金を出すと,まあそんな具合に,文科省としては雇用促進のためにインセンティブ経費を出そうというのであって,決して不良在庫処分のために金を使おうというわけではないと言うだろう所。
ま,たかが5億ですから,実際に就職斡旋できる数も大したことはないではありますが,やはり母体数が少ないからにはその少数者に道が開けるというのは大きな話。私としては喜ばしい話として受け取りたいところです。
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この手の話は医学系ばかりかと思いきや,農学部まで飛び火した。一件最大10万円。しかし論文博士審査に関わって―ということで,5万10万は多いが陶器のカップ1万5千円程度ならお互いの思い出のためにということで世間的付き合いのうちとも言えよう。
課程博士にまで調査の手を延ばす,調査には厳しい内容が求められようというかそれ以前に基本的に課程博士って学生ですから。基本的に,そもそも金がないのですよ。教授に付け届けの金銭をというより,教授の科研費で旅費支出してもらったりして寧ろ先生から金銭的援助を受ける格好ですが何か(正確にはそれは先生の金ではないですが,使用の権限を握っているという意味で)。
だから,論文博士―基本的にはすでに社会人であって,それ相応の収入もあるところ,『イヤ先生すいません,私の博士審査にお時間とらせてしまって…ほんと申し訳ございません。は,ちと,その間のお車代―審査でお帰り遅くなった際のタクシーなどございましょう,その分として,少々包んでまいりまして,あのどうかお納めください』てな話はありそうで,であればこそ世間の付き合いの常識の範囲内だろうと受け取った人も多かろう所。
つか5万だの端金で博士審査なんて手間やってられるか。
…あいや,あのその,私みたいな若手ペーペーなら,博士審査などにお呼ばれなど大いに名誉なことで,寧ろこっちから手弁当手出しで伺いますが,旧帝大教授様ともなればンな端金審査の日当にもならんだろう。いやしっかと審査して出すなら,自己の業績にもなり大学から多少のお手当も出ようところでしょうが。
けどそれなら自分で自分の研究して自分のプロジェクト推進して論文書いたり本出したり発表したり,それ元に科研費あててがぽっと実験機材買うとかのほうがどう考えても使える額は大きいよねぇ。
この場合,確かにいわゆる私腹には入らないですが,つか我々,基本,自分の趣味(研究)で給料もらって研究費貰ってるわけで,『科研費をもらう』とゆーのは『別口で給料をもらう』を意味するといっても過言でないんですが。どっち道,研究に使うんだから。日常生活? してるつもりですが,『休みだから,そりゃ研究室にいるに決まってんでしょう』と素で言いますがなんでこの表現で意味が通じないんですか一般人? 休みなのになんで家にいるんです。資料がないでしょうが資料が。家でなんの作業ができるんです。寝るか食事するかくらいしかできんでしょうが。だからきちんと寝にも食事しにも帰ってますよほら生活してるでしょう。それ以外の時間なら研究室にいて仕事してるに決まってんでしょうなんで所在確認の電話とか必要なんです。
まーそーいう普通の学者でない,勉強やめちゃった教授とかが問題になるんでしょうけどね,こーした事件の場合。とちょっと差別的発言。
私が博士審査とかするよーになる頃には上掲したよーな問題は一掃されてましょうし,つか金で買い取らなきゃいかんよーな風呂場の焚き付け読まされよーもんなら単に却下して終わりですが何か。
要点:ポスドクの就職難についに文科省が対応,ポスドクを採用する企業に1人につき500万円の雇用経費を支払う。この事業のため,H9年度補正予算案に5億円を計上。いわばポスドクの「持参金」を国が持つ格好になるわけで―その種のblogなり掲示板なりで『これは事実上文科省が大学院重点化方針に対する責任を認めたものである!』と燃え上がる方々が出てくるかと思われる。
通例,企業の高位学位持ちの採用は技術系修士が中心のようで(学部で仕事に必要な高度な専門知識が獲得できるわけでない,という分野・大学では大学院進学が常識),博士採用はあまりない。使う側から見れば,専門知識はあっても年嵩で扱いづらかったり(そしてまた得てしてひねた人格になったりする例があるのである。少数ではあれ,母体数が小さいから目立つわな),給料が当初からあまりに高額になろうところ,使えるかどうかわからない人物にそんな高額の投資をするのは辛いところ。そんなだったら,若く脳味噌のやわかい人をとって自前で訓練し,場合によってはひも付きで大学院行かせてやって資格を取らせる―ほうが賢そうである。
でポスドクが大量に余っているわけで,食っていけないからには一般就職をも希望するわけだが,そこで企業側の「食わず嫌い」が問題となる―というのが今回の施策の応じるところ,というわけでしょう。
当然高度な専門知識人への求人は,そうした人物を要請する職務はあるのである。多少話はずれるが,高校教師でも優秀なのを引っこ抜いて大学院に行かせ,修士をとらせるという制度も運用されている。
だが給料の点など不安を持つだろう―D持ちなら,年間給与だけでも500万近い。これはちょっと,冒険の額だ。二の足を踏む企業さんに対して,ポスドク採用後の雇用計画,業務計画など採用計画を出してもらって審査して,ヨシこれなら国費を出すに値するという人事計画に援助金を出すと,まあそんな具合に,文科省としては雇用促進のためにインセンティブ経費を出そうというのであって,決して不良在庫処分のために金を使おうというわけではないと言うだろう所。
ま,たかが5億ですから,実際に就職斡旋できる数も大したことはないではありますが,やはり母体数が少ないからにはその少数者に道が開けるというのは大きな話。私としては喜ばしい話として受け取りたいところです。
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課程博士にまで調査の手を延ばす,調査には厳しい内容が求められようというかそれ以前に基本的に課程博士って学生ですから。基本的に,そもそも金がないのですよ。教授に付け届けの金銭をというより,教授の科研費で旅費支出してもらったりして寧ろ先生から金銭的援助を受ける格好ですが何か(正確にはそれは先生の金ではないですが,使用の権限を握っているという意味で)。
だから,論文博士―基本的にはすでに社会人であって,それ相応の収入もあるところ,『イヤ先生すいません,私の博士審査にお時間とらせてしまって…ほんと申し訳ございません。は,ちと,その間のお車代―審査でお帰り遅くなった際のタクシーなどございましょう,その分として,少々包んでまいりまして,あのどうかお納めください』てな話はありそうで,であればこそ世間の付き合いの常識の範囲内だろうと受け取った人も多かろう所。
つか5万だの端金で博士審査なんて手間やってられるか。
…あいや,あのその,私みたいな若手ペーペーなら,博士審査などにお呼ばれなど大いに名誉なことで,寧ろこっちから手弁当手出しで伺いますが,旧帝大教授様ともなればンな端金審査の日当にもならんだろう。いやしっかと審査して出すなら,自己の業績にもなり大学から多少のお手当も出ようところでしょうが。
けどそれなら自分で自分の研究して自分のプロジェクト推進して論文書いたり本出したり発表したり,それ元に科研費あててがぽっと実験機材買うとかのほうがどう考えても使える額は大きいよねぇ。
この場合,確かにいわゆる私腹には入らないですが,つか我々,基本,自分の趣味(研究)で給料もらって研究費貰ってるわけで,『科研費をもらう』とゆーのは『別口で給料をもらう』を意味するといっても過言でないんですが。どっち道,研究に使うんだから。日常生活? してるつもりですが,『休みだから,そりゃ研究室にいるに決まってんでしょう』と素で言いますがなんでこの表現で意味が通じないんですか一般人? 休みなのになんで家にいるんです。資料がないでしょうが資料が。家でなんの作業ができるんです。寝るか食事するかくらいしかできんでしょうが。だからきちんと寝にも食事しにも帰ってますよほら生活してるでしょう。それ以外の時間なら研究室にいて仕事してるに決まってんでしょうなんで所在確認の電話とか必要なんです。
まーそーいう普通の学者でない,勉強やめちゃった教授とかが問題になるんでしょうけどね,こーした事件の場合。とちょっと差別的発言。
私が博士審査とかするよーになる頃には上掲したよーな問題は一掃されてましょうし,つか金で買い取らなきゃいかんよーな風呂場の焚き付け読まされよーもんなら単に却下して終わりですが何か。
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