空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ゲディ首相,国連安全保障理事会に失望:ソマリア

2007-06-30 13:09:21 | ソマリア関連
 ソマリア首相ゲディ氏は国連平和維持軍がアフリカ連合のミッションを引き継ぐことに期待する。「この決定的瞬間に行動しないと,将来大なる費用を要する事となりましょう」という。しかし国連側は慎重であり,まず来月のソマリア国民和解会議の様子を見てから,と考えている模様。

 モガディシュでは,民間人,政府関係者,エチオピア軍への攻撃は日常の事件である。ハウィエ氏族とイスラム法廷連合の残党がその主たる反抗者と考えられている―事態がこうでは,平和維持軍派遣は難しい。

「そんなこというのはフェアじゃないよ,『平和にしろ,そしたら維持しに行く』だなんて」。ゲディ首相は不満を漏らす。

BBC news, Africa Somali PM wants UN peacekeepers 29 June 2007

 平和維持の軍なのだ,国連部隊は。平和を作り上げる軍隊じゃない。それほどの強制力を,もし持ちえたなら―その時は国連軍は紛争の当事者の一つとなるだけ,かもしれない。
 もうちょっと強力な国連軍が欲しいだけだ,程度問題だ,と反論があるかとも思われる。しかしその「もうちょっと」がどれほど正確に推し量れるものか。

 暫定政府としても,手詰まりの感があるだろう。

 先日の夜間外出禁止令が治安維持に役立った感はない。イスラム法廷連合関係者への大赦も効果薄い。ユースフ大統領は,モガディシュ刑務所に囚われの200名を解放することとした由。効果の程は,この流れでは,あまり期待できないだろう。

 ともあれ,差し当たり,AU軍の増強が求められる。そのためには資金と,ソマリア自体の治安向上が必要で…とまたループが始まる。ループを断ち切る切欠は,さて何だろうか。

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