承前(1) ,承前(2) ,承前(3) ,承前(4)。田崎和江(金沢大名誉教授)の飯館調査の件。新着記事:
中日新聞 金大2チーム除去に挑む まき散らされた放射性物質 【石川】2011年8月31日
「福島第1原発の事故で、まき散らされた放射性物質をどう取り除くのか。福島の自治体や住民にとって頭の痛い課題に、各大学の研究チームが知恵を絞っている。鉱物、バクテリア、水、貝殻の粉…。安心して暮らせるよう、あの手この手で放射性物質の除去(除染)に挑む。(早川昌幸、福田大展) 太田富久教授ら 海にも応用吸着する薬剤 田崎和江名誉教授ら 体に取り込むバクテリア」
だってさ。
根幹部分については:
「金沢大の田崎和江名誉教授(地球環境学)らは、高い放射線量下でも繁殖し、放射性物質を体内に取り込むバクテリアを除染に使えないか研究中だ。飯舘村長泥地区の水田の土壌で見つけたバクテリアで、セシウムを周囲の粘土鉱物で包み込んで、体内に吸収する変わった性質をもつ。セシウムの放射線が粘土鉱物で遮蔽(しゃへい)され、水田に水を張った実験では、一カ月ほどで線量が半減したという。土中からセシウム自体がなくなるわけではないが、はぎ取った表土の保管や除染による副産物の処理といった問題は起きない」
だそうで。
福島民報(及び福島民友でしたか)による,放射能を分解するバクテリアが出て云々という話は,富山新聞に引き続き中日新聞によっても確認されない。
何が起こったのか?
私としては,田崎先生が真っ当な人だという前提に立っている。しかし福島の地元新聞がほぼ同文で”放射能を分解するバクテリア”について報じたということから,情報提供元からしてくるっているのではないかという疑いがある。
じゃあ,狂っているのはこの教授なのか,新聞記者なのか,それとも他の何者なのか?
…まあプレスリリースの段階で,福島の当該市の担当者の情報処理能力が怪しく,怪しげな文書を新聞社に発給してしまったか―或いはその話を聞いた福島地元新聞両社の記者が頭突き合わせて『えーと難しかったけど君理解した?』『んー僕の理解だとこんなん?』『あーそーかも。うんうん,この方向で記事作ろうかー』『そうしようかー』な感じで処理してしまったか。
私としてはこの時点で当該記事を書いた記者の能力に大いに疑問を持っているので,後者の可能性が強いとみるが,そこまでアレな記事になったのは情報提供元からして怪しい(=名誉教授ご自身の説明ではない,ないし,教授の専門的説明を解説する翻訳者が同席していない)ものと想像する。
ところで
NATROMの日記 今回報道された急性白血病と福島原発作業の因果関係は? 2011-08-30
「疫学的な知見」「白血病細胞が増殖する期間からの知見」「事前の健康診断で白血球数の異常がなくても不思議はない」「報道が正確でない可能性は?」「忘れるな」の5節構成。勉強になる頁の気配。今後の勉強のためにメモ。特に「忘れるな」は重要。今,こうした話題で盛り上がる人たちは,はたして一年後も同じ情熱をもって語ることであろうか?
そんなわけですが,未だに田崎和江先生について,みなさんきちんと追っていらっしゃいますでしょうか。たった一か月前の話ですが。そういえば例の『地球科学』に論文が掲載される頃ですね。
追記1。あとチェックポイント一つ。上掲中日新聞では,当該バクテリアは「飯舘村長泥地区の水田の土壌で見つけたバクテリア」(引用)とされる。富山新聞ではタンザニアでの発見とされる。微妙にずれているのは,報道用配布資料の質と量ないし聞き取る新聞記者の能力によるものであろうか(おそらくそうだとおもうー)。
追記2。『なんで日本人の発言のために翻訳者が必要なの?』って思うかもだけど,専門家の語る専門的話題ってもう日常的な日本語じゃないのよー。下手すると同分野の博士持ちですら理解できなかったりするのよー。
追記3。でまあちょっと記事を関連検索しようとした私がバカだった。
とんでもない速報 【環境】バクテリア除染有効 福島県飯舘村の水田の放射線量が大幅に低下 金沢大名誉教授が発表 2011年8月10日水曜
これもアレだが,そこ経由でこんなものが:
Beyond 5 Senses アグニホートラと放射能
ルンルの会 アグニホートラを始めよう~生命力に満ちた環境再生への切り札~
…最近痛感するのだが,ちゃんとした人のちゃんとした文章を読み続けていないと頭がアレになる。仕事の関係上,『週刊東洋経済』なんぞ読んでみてはいるのだが,アレでは頭の劣化は止まらない感じ。いや週刊誌のなかでは最良の部類に入ると思うが。ということで,一応備忘録として上の記事をメモしてはおくのだが,…あまり読まない方が宜しい。脳が腐る。
中日新聞 金大2チーム除去に挑む まき散らされた放射性物質 【石川】2011年8月31日
「福島第1原発の事故で、まき散らされた放射性物質をどう取り除くのか。福島の自治体や住民にとって頭の痛い課題に、各大学の研究チームが知恵を絞っている。鉱物、バクテリア、水、貝殻の粉…。安心して暮らせるよう、あの手この手で放射性物質の除去(除染)に挑む。(早川昌幸、福田大展) 太田富久教授ら 海にも応用吸着する薬剤 田崎和江名誉教授ら 体に取り込むバクテリア」
だってさ。
根幹部分については:
「金沢大の田崎和江名誉教授(地球環境学)らは、高い放射線量下でも繁殖し、放射性物質を体内に取り込むバクテリアを除染に使えないか研究中だ。飯舘村長泥地区の水田の土壌で見つけたバクテリアで、セシウムを周囲の粘土鉱物で包み込んで、体内に吸収する変わった性質をもつ。セシウムの放射線が粘土鉱物で遮蔽(しゃへい)され、水田に水を張った実験では、一カ月ほどで線量が半減したという。土中からセシウム自体がなくなるわけではないが、はぎ取った表土の保管や除染による副産物の処理といった問題は起きない」
だそうで。
福島民報(及び福島民友でしたか)による,放射能を分解するバクテリアが出て云々という話は,富山新聞に引き続き中日新聞によっても確認されない。
何が起こったのか?
私としては,田崎先生が真っ当な人だという前提に立っている。しかし福島の地元新聞がほぼ同文で”放射能を分解するバクテリア”について報じたということから,情報提供元からしてくるっているのではないかという疑いがある。
じゃあ,狂っているのはこの教授なのか,新聞記者なのか,それとも他の何者なのか?
…まあプレスリリースの段階で,福島の当該市の担当者の情報処理能力が怪しく,怪しげな文書を新聞社に発給してしまったか―或いはその話を聞いた福島地元新聞両社の記者が頭突き合わせて『えーと難しかったけど君理解した?』『んー僕の理解だとこんなん?』『あーそーかも。うんうん,この方向で記事作ろうかー』『そうしようかー』な感じで処理してしまったか。
私としてはこの時点で当該記事を書いた記者の能力に大いに疑問を持っているので,後者の可能性が強いとみるが,そこまでアレな記事になったのは情報提供元からして怪しい(=名誉教授ご自身の説明ではない,ないし,教授の専門的説明を解説する翻訳者が同席していない)ものと想像する。
ところで
NATROMの日記 今回報道された急性白血病と福島原発作業の因果関係は? 2011-08-30
「疫学的な知見」「白血病細胞が増殖する期間からの知見」「事前の健康診断で白血球数の異常がなくても不思議はない」「報道が正確でない可能性は?」「忘れるな」の5節構成。勉強になる頁の気配。今後の勉強のためにメモ。特に「忘れるな」は重要。今,こうした話題で盛り上がる人たちは,はたして一年後も同じ情熱をもって語ることであろうか?
そんなわけですが,未だに田崎和江先生について,みなさんきちんと追っていらっしゃいますでしょうか。たった一か月前の話ですが。そういえば例の『地球科学』に論文が掲載される頃ですね。
追記1。あとチェックポイント一つ。上掲中日新聞では,当該バクテリアは「飯舘村長泥地区の水田の土壌で見つけたバクテリア」(引用)とされる。富山新聞ではタンザニアでの発見とされる。微妙にずれているのは,報道用配布資料の質と量ないし聞き取る新聞記者の能力によるものであろうか(おそらくそうだとおもうー)。
追記2。『なんで日本人の発言のために翻訳者が必要なの?』って思うかもだけど,専門家の語る専門的話題ってもう日常的な日本語じゃないのよー。下手すると同分野の博士持ちですら理解できなかったりするのよー。
追記3。でまあちょっと記事を関連検索しようとした私がバカだった。
とんでもない速報 【環境】バクテリア除染有効 福島県飯舘村の水田の放射線量が大幅に低下 金沢大名誉教授が発表 2011年8月10日水曜
これもアレだが,そこ経由でこんなものが:
Beyond 5 Senses アグニホートラと放射能
ルンルの会 アグニホートラを始めよう~生命力に満ちた環境再生への切り札~
…最近痛感するのだが,ちゃんとした人のちゃんとした文章を読み続けていないと頭がアレになる。仕事の関係上,『週刊東洋経済』なんぞ読んでみてはいるのだが,アレでは頭の劣化は止まらない感じ。いや週刊誌のなかでは最良の部類に入ると思うが。ということで,一応備忘録として上の記事をメモしてはおくのだが,…あまり読まない方が宜しい。脳が腐る。
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