空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

中国軍,ダルフールへ

2007-11-27 01:45:26 | Newsメモ
 息抜きにニュース見に行きましたら,中国軍が先発としてダルフールに派遣されたとか。ああ,いいなぁ,あっちはニュースも沢山流れて治安維持軍だって都合つけてもらえてと思ったら早速現地反政府勢力に反感もたれててお茶吹きそうになった(定型句):

BBC news, Africa Darfur rebels spurn Chinese force 24 November 2007

「我々は中国の到来に反対する。というのも,中国は人権問題に興味をもたないからだ。彼らはただ,スーダンの資源に興味があるだけだ」と反乱勢力Jemの偉い人,Khalil Ibrahimさんは言う。「彼らには,スーダンを出て行くよう求めよう。とりわけ石油産出地帯から。―私は,彼らを攻撃しようとは言わない。攻撃しないだろうとも,言わない」。

 まぁなんです,元記事はロイターの模様。既に訳は中村こうせい氏「ダルフール・ニュース」内「2007/11/25Reuters JEM中国PKO拒否」にあるので,私があえて訳さずとも宜しかろう。

 中村氏は「中国PKOが悪意があるとは思えないが」とおっしゃる。確かに,後発部隊のための井戸掘り・兵営設営を任務とする,たかだか135名,一個中隊規模の工兵部隊に悪意があっても実行手段に欠ける。
 …まぁ,Jem始めとする反政府側に悪意はなくとも,しかし派遣国はスーダン政府側に善意を持ちすぎているんじゃあ?というのが不信感のもと。資源目当てだろう!という非難については,うん,ちょっと弁護しかねる(→中国はソマリア再建に協力する:ソマリア)。羨ましいくらい直球勝負。

 …大体なぁ…。ソマリア暫定政府がバイドアに押し込められてた時期に,ユースフ大統領筋とプントランド石油開発で契約結んでお金振り出すんだから…。いえまぁ,その時期には既に,エチオピア介入を巡る内部情報や見通しを得ていたりしたのかもしれませんけど…。

 平和維持軍派遣なら,アフリカ以外じゃ,パキスタンと中国ならいいかなぁ,とは大統領のご意向だそうで。パキスタンだっていろいろ忙しそうだし(そいえば,Swat谷方面で攻勢ですって:BBC Pakistan troops in Swat offensive By Chris Morris, 25 November 2007),果たしてきちんと数は揃うものかと思っちゃいます。いえ,私はダルフール問題は殆どチェックしてないので,状況を知らないのですが。

 それと,見つけたので後で読むかも知れない記事メモをひとつ:BBC Warning of Darfur Arab rebellion 26 November 2007

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ソマリランドは東サナーグ,B... | トップ | そいえば「ブラックホーク・... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大雑把は間違いの下 (中村こうせい)
2007-11-28 18:54:24
記事参照いただいた上、私の言説の一部を批判していただいて嬉しく思います。
ダルフールPKOがスーダンよりだとあなたが主観的に評価するはしかし全くの間違いです。
決議1769の妥協でPKOが「主にアフリカ」の一文とスーダンの勝手な解釈でスーダンの承認なしには派遣国をみとめないとして国連の要請を無視しているため、詳細をしらないとスーダン寄りの国しかPKOに参加していないかのように見えるだけです。実際には西欧がイラク・アフガンで大きな派遣ができないことと、国連アフリカ連合PKOの指令系統がアフリカ人であることに抵抗を持って、派遣をしていないと共に、スーダン及びアフリカ連合が拒否しているのです。これはアメリカおよびアムネスティーが妨害と遅延というテーマで非難し、昨日国連DPKO長官が安保理で公式にスーダン批判を行いました。このようなPKOの構成に関する問題はオン・ゴーイングな問題なため拙速な主観的判断は避けるほうが賢明だと思います。中国についてはお好きにお考えください。
返信する
ああ,「派遣国」を複数で読んだんだ (teiresias)
2007-11-28 21:46:53
「中国PKO」へのみ言及する段落に引き続けて書いている,というところにご注意いただけると幸い。当該部隊の「派遣国」と読んでもらいたかったわけです。
それ故,

> ダルフールPKOがスーダンよりだとあなたが
> 主観的に評価するはしかし全くの間違いです。

 その点,私の意図とは異なると言明せざるを得ません。ダルフールPKOが,ではなく,中国政府はスーダン政府に好意的である,という文脈でご理解ください。直後に,中国に対するJemの「資源狙いだろう!」という非難を続けているところから,件の「派遣国」の内容について限定するところがあると読んでいただきたいところ。
 そしてその場合,

> 中国についてはお好きにお考えください。

 ということになるわけです。また実のところ,私としては中国のこの行動については好意的評価を下したいと思うところであります。「不信感のもと」云々は,Jem側の心情を推し量ったものであって,私の中国への不信感を表明したものではありません。

> 私の言説の一部を批判していただいて

 については,批判しているつもりはなかったりします。中国の工兵派遣について,私もそこに悪意を認めはしません。といって善意と解釈するわけでもなく,恐らく,それは何より,必要だったのでしょう。

 そもそも当該記事タイトルは「中国軍,ダルフールへ」でありまして。それでどうして私が全ダルフールPKO派遣(予定)国について親スーダン政権だなどと主観的判断をしていることになるものやらと。
返信する

コメントを投稿

Newsメモ」カテゴリの最新記事