BBC Adultery no longer a criminal offence in India 27 Sep 2018 By Soutik Biswas
不義密通が刑事罰の対象にはならなくなった―「罰せられろよ!」というのはまあサレ側からは思われようが、警察力を導入しての犯罪かね、と問われれば、まあ唸らざるを得まい。それは「魂の殺人」ではあれ、一般にそういわれる行為と同様、いちいち全てに警察を介入させるべきものとは―
―ああ。
肉体的接触を問題にした場合、なるほど、痴漢と比較して考えることができるのか。痴漢は警察の介入がなされるべきものだが、じゃあ不貞行為は―不貞行為の場合はまさしくその当事者の”両性の合意”があるため、それがない痴漢とは別立てに考えなければならない。痴漢行為と単純な比較類推ができないのは法的に婚姻状態にある人物の存在があるからか。
とまあ、現代日本の状況を思い起こしつつ考えてみたらインドの話はその斜め下をいっており
「India's top court has ruled adultery is no longer a crime, striking down a 158-year-old colonial-era law which it said treated women as male property.
Previously any man who had sex with a married woman, without the permission of her husband, had committed a crime.」
女性を独立の人格主体と見做そうじゃないかという話である。上の理屈なら、女性側の同意がなくとも男性側(夫)の同意があれば女性(妻)の婚姻外の性行為は合法ということになり、まあ要は極論、合法的に売春宿運営ができる。そりゃマズイ。
「However, India's ruling BJP government had opposed the petition, insisting that adultery should remain a criminal offence.
"Diluting adultery laws will impact the sanctity of marriages. Making adultery legal will hurt marriage bonds," a government counsel told the court, adding that "Indian ethos gives paramount importance to the institution and sanctity of marriage".」
とまあ、BJP的には、これは結婚の尊厳を傷つける悪しき判決だというのだが、西欧民主主義的な雰囲気からすればむしろ好ましいものといえるだろう。いままでは所有物としての女の移動であったところ、これからは主体的な意志決定としての契約になるのであり、その分、その関係を打ち砕く行為はその者(不貞行為者)の自己同一性を打ち砕くが故により”罪”が重い。”魂の自殺行為”ということになる。
…とまあ、女性側にも一個の独立の主体であることを、いわば強要するので、そうした主体状態が実質的に実現可能とはいいかねる状況ではむしろ女性への新たな抑圧になりそうだが、うん…。
今までは「It also did not allow women to file a complaint against an adulterous husband」であって、浮気ダンナをしばく法的根拠がなかったわけだが、さあこんどは、浮気ダンナを法的にしばく経済的基盤を有しているかどうかが問題となり、一応仮にも独立の経済主体扱いではまああろう市民社会のなか、金銭をどうにもできずに泣き寝入りという例も…というわけだ。
「But Manusmriti, an ancient Hindu text, says: "If men persist in seeking intimate contact with other men's wives, the king should brand them with punishments that inspire terror and banish them".」
あーマヌスムリティ、インド法典の名前が言及されてる。
…いまの日本では相当の読書人しか知らないような名詞じゃないかな、これ。
…インドの成長を思うに、将来的にはちょっと意味ある知識になるかも。
まあ…このインドの植民地時代の法の悪いところは、女の自己決定を全く認めていない点などにあり、そうした点をどうにかするなら不貞行為を違法のままおいておくのはさほど悪くはないかもしれない:
「Adultery is considered illegal in 21 American states, including New York, although surveys show that while most Americans disapprove of adultery, they don't think of it as a crime.
"The criminal statutes remain in force for largely symbolic reasons, and there isn't enough enforcement risk for anyone to incur the political costs of repealing them," Deborah Rhode, a professor of law at Stanford University and the author of Adultery: Infidelity and the Law told the BBC.」
実際に、毎度運用することはないにせよ。
たとえば、いわゆる托卵行為について、ただの詐欺ではないよなあ、と言うときに運用するとか。そんなメルクマールとして生き残らせるのは、そこそこ合意が取れそうではある。いまだって男側による濫用が問題とされているわけでもあり。
不義密通が刑事罰の対象にはならなくなった―「罰せられろよ!」というのはまあサレ側からは思われようが、警察力を導入しての犯罪かね、と問われれば、まあ唸らざるを得まい。それは「魂の殺人」ではあれ、一般にそういわれる行為と同様、いちいち全てに警察を介入させるべきものとは―
―ああ。
肉体的接触を問題にした場合、なるほど、痴漢と比較して考えることができるのか。痴漢は警察の介入がなされるべきものだが、じゃあ不貞行為は―不貞行為の場合はまさしくその当事者の”両性の合意”があるため、それがない痴漢とは別立てに考えなければならない。痴漢行為と単純な比較類推ができないのは法的に婚姻状態にある人物の存在があるからか。
とまあ、現代日本の状況を思い起こしつつ考えてみたらインドの話はその斜め下をいっており
「India's top court has ruled adultery is no longer a crime, striking down a 158-year-old colonial-era law which it said treated women as male property.
Previously any man who had sex with a married woman, without the permission of her husband, had committed a crime.」
女性を独立の人格主体と見做そうじゃないかという話である。上の理屈なら、女性側の同意がなくとも男性側(夫)の同意があれば女性(妻)の婚姻外の性行為は合法ということになり、まあ要は極論、合法的に売春宿運営ができる。そりゃマズイ。
「However, India's ruling BJP government had opposed the petition, insisting that adultery should remain a criminal offence.
"Diluting adultery laws will impact the sanctity of marriages. Making adultery legal will hurt marriage bonds," a government counsel told the court, adding that "Indian ethos gives paramount importance to the institution and sanctity of marriage".」
とまあ、BJP的には、これは結婚の尊厳を傷つける悪しき判決だというのだが、西欧民主主義的な雰囲気からすればむしろ好ましいものといえるだろう。いままでは所有物としての女の移動であったところ、これからは主体的な意志決定としての契約になるのであり、その分、その関係を打ち砕く行為はその者(不貞行為者)の自己同一性を打ち砕くが故により”罪”が重い。”魂の自殺行為”ということになる。
…とまあ、女性側にも一個の独立の主体であることを、いわば強要するので、そうした主体状態が実質的に実現可能とはいいかねる状況ではむしろ女性への新たな抑圧になりそうだが、うん…。
今までは「It also did not allow women to file a complaint against an adulterous husband」であって、浮気ダンナをしばく法的根拠がなかったわけだが、さあこんどは、浮気ダンナを法的にしばく経済的基盤を有しているかどうかが問題となり、一応仮にも独立の経済主体扱いではまああろう市民社会のなか、金銭をどうにもできずに泣き寝入りという例も…というわけだ。
「But Manusmriti, an ancient Hindu text, says: "If men persist in seeking intimate contact with other men's wives, the king should brand them with punishments that inspire terror and banish them".」
あーマヌスムリティ、インド法典の名前が言及されてる。
…いまの日本では相当の読書人しか知らないような名詞じゃないかな、これ。
…インドの成長を思うに、将来的にはちょっと意味ある知識になるかも。
まあ…このインドの植民地時代の法の悪いところは、女の自己決定を全く認めていない点などにあり、そうした点をどうにかするなら不貞行為を違法のままおいておくのはさほど悪くはないかもしれない:
「Adultery is considered illegal in 21 American states, including New York, although surveys show that while most Americans disapprove of adultery, they don't think of it as a crime.
"The criminal statutes remain in force for largely symbolic reasons, and there isn't enough enforcement risk for anyone to incur the political costs of repealing them," Deborah Rhode, a professor of law at Stanford University and the author of Adultery: Infidelity and the Law told the BBC.」
実際に、毎度運用することはないにせよ。
たとえば、いわゆる托卵行為について、ただの詐欺ではないよなあ、と言うときに運用するとか。そんなメルクマールとして生き残らせるのは、そこそこ合意が取れそうではある。いまだって男側による濫用が問題とされているわけでもあり。
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