朝日新聞 北朝鮮、「聖地で特異現象」報道 正恩氏の権威づけ狙う 2011年12月23日12時45分
「北朝鮮の朝鮮中央通信は21日、金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去の当日や発表日に、中朝国境にある白頭山で湖の氷が割れるなど「特異な自然現象」が起きたと伝えた」
「同通信によると、金総書記が死去した17日の朝、白頭山山頂のカルデラ湖「天池」で氷が割れ、大音響が響き渡った。気温は零下22.4度まで下がり、周辺は吹雪。「天地を揺るがすような大音響が発生したのは観測以来初めて」という。 また、死去が発表された19日には、白頭山一帯にある金総書記の名を冠した「正日峰」の上空が「観測が始まって以降一度もあったことがない赤い夕焼け」に染まったという」
おいまて世俗国家。奇跡なんぞ起きるな。
@binbin1956 小谷敏 「北朝鮮は金正日の死んで泣かないと処罰される国だから怖いと学生が言うので、日本でもディズニーランドやマクドナルドで働いている人は、笑わないと処罰されるじゃないかとぼくがいうと、みんな固まってしまった。 」(2011/12/21)
上手い質問だと思った。
@binbin1956 小谷敏 「いま2年生のゼミで、『ディズニー化する社会』という本を読んでいる。ディズニーランドのビジネスモデルが広く世を覆っているというお話。学生たちは一様にバイト先での「感情労働」の圧力が大きなストレスの元だと言っていた。やはりこの国の勤労者は、いつもニコニコ笑っていないと処罰されるらしい 」(2011/12/22)
まあうまい皮肉にはなってるかな。
朝鮮民主主義人民共和国の国民も,ディズニーランド従業員も,少なくとも理念的にはある種の契約を”相手”と結んでそこにいる点では同様。
しかし,ディズニーランド従業員の場合,「プライベート」があること,契約解除がより容易であること…で朝鮮民主主義人民共和国の場合と異なるものと思われる。
ディズニーランド従業員の場合,(まあ建前上かもしれないが)8時間の勤務時間を終え,私服に着替えれば「勤労者」の”身分”から解放される。コンビニでブティックでレストランで料亭で,彼(女)はそこにいる「勤労者」からの「感情労働」のサービスを享受できる。
朝鮮民主主義人民共和国の場合,「勤務時間」の概念がない。寝ても覚めても朝鮮民主主義人民共和国国民でありつづける。
―そうであることに対する給付が存在する点では同様である。ディズニーランド従業員の場合,お給料が貰える。北朝鮮(以下略称で)国民の場合,主権国家の国民として,まあその,社会保障なりなんなりがあるわけだ。なお私はこの二つの立場を経験したことがなく,経験者が身近にいないのでそれらをどー評価するかは論評を避ける。
契約に違反した場合,その契約から放逐されるという点でも同様である。ディズニーランド従業員の場合,勤務時間中,目の前の任意の客に『ッだらァこゥのだァラッしゃッコノ!』とかメンチ切る?とかしたら,まあその,最も厳しい処罰としては従業員としての資格を剥奪されるのだろう。クビだな。北朝鮮国民の場合,偉大なる領導者に適切な真情からの思いを捧げない場合,最も厳しい処罰としては生命―ないし市民権,生存権―を剥奪される恐れがある(と我々は想像している。いや実情はどうか知らんが)。
契約解除の点。ディズニーランドから解雇されれば,そりゃあお給料なくなって苦労するでしょう。そんな大企業から懲戒解雇とか喰らえば,事実上の奉公構状態になるかもしれません。でも他で職を見つけることは原則可能だよね。それに自らの意思で『やめまーす』というのはいつでも可能だ。
北朝鮮の社会契約から自分を離脱させようとすれば―…どんな様であるかは,我々は報道で時折見るわけである。
プライベートということなら,ディズニーランド従業員の場合,家に帰って家族等々に上司の悪口とかなんとかすることはできる。してもとがめられるということはあるまい。別にその家族は,党中央もといディズニーランドに『うちの娘は勤務先の悪口を言っているのです!』と密告はするまい。
北朝鮮の場合―あれ,もしかして,『そんな娘を育てた親も悪い!』と一族郎党纏めて処罰されたりするかな,もしかして。それなら密告もしないか。もしそうなら,『密告しない』という結果にかけては,双方同じということになる。
―で,これ,パラレルなんだろうか,本当に?
―件の学生さんは,その点を指摘できるとよかったのだと思う。
@binbin1956 小谷敏 「ぼくの亡くなった両親は北朝鮮のテレビで映像が流されると、「なに、戦前の日本もこんなもんだったわいや」というのが常であった。 」(2011/12/21)
この点,恐らくその通りで―彼らの経験した・知った「近現代国家」といえば大日本帝国であって,良くも悪くもそこからスタートせざるを得なかったのだろう。あとは独裁時代のソ連と(共産)中国とだものな。
@Perfect_Insider シータ(N-Shiraishi) 「取り壊し前の学生会館にあった革マル系のサークルのビラに「クリスマスに原宿を謳歌する資本主義の手先であるプチブルカップルを粉砕せよ」という、現在の「リア充爆発しろ」の先駆けが書かれていたことをふと思い出した。 」(2011/12/23)
為参考:
pettazzonianoの日記 本気で宗教学を学びたい人のための文献リスト(2011年版) 2011-11-13
「北朝鮮の朝鮮中央通信は21日、金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去の当日や発表日に、中朝国境にある白頭山で湖の氷が割れるなど「特異な自然現象」が起きたと伝えた」
「同通信によると、金総書記が死去した17日の朝、白頭山山頂のカルデラ湖「天池」で氷が割れ、大音響が響き渡った。気温は零下22.4度まで下がり、周辺は吹雪。「天地を揺るがすような大音響が発生したのは観測以来初めて」という。 また、死去が発表された19日には、白頭山一帯にある金総書記の名を冠した「正日峰」の上空が「観測が始まって以降一度もあったことがない赤い夕焼け」に染まったという」
おいまて世俗国家。奇跡なんぞ起きるな。
@binbin1956 小谷敏 「北朝鮮は金正日の死んで泣かないと処罰される国だから怖いと学生が言うので、日本でもディズニーランドやマクドナルドで働いている人は、笑わないと処罰されるじゃないかとぼくがいうと、みんな固まってしまった。 」(2011/12/21)
上手い質問だと思った。
@binbin1956 小谷敏 「いま2年生のゼミで、『ディズニー化する社会』という本を読んでいる。ディズニーランドのビジネスモデルが広く世を覆っているというお話。学生たちは一様にバイト先での「感情労働」の圧力が大きなストレスの元だと言っていた。やはりこの国の勤労者は、いつもニコニコ笑っていないと処罰されるらしい 」(2011/12/22)
まあうまい皮肉にはなってるかな。
朝鮮民主主義人民共和国の国民も,ディズニーランド従業員も,少なくとも理念的にはある種の契約を”相手”と結んでそこにいる点では同様。
しかし,ディズニーランド従業員の場合,「プライベート」があること,契約解除がより容易であること…で朝鮮民主主義人民共和国の場合と異なるものと思われる。
ディズニーランド従業員の場合,(まあ建前上かもしれないが)8時間の勤務時間を終え,私服に着替えれば「勤労者」の”身分”から解放される。コンビニでブティックでレストランで料亭で,彼(女)はそこにいる「勤労者」からの「感情労働」のサービスを享受できる。
朝鮮民主主義人民共和国の場合,「勤務時間」の概念がない。寝ても覚めても朝鮮民主主義人民共和国国民でありつづける。
―そうであることに対する給付が存在する点では同様である。ディズニーランド従業員の場合,お給料が貰える。北朝鮮(以下略称で)国民の場合,主権国家の国民として,まあその,社会保障なりなんなりがあるわけだ。なお私はこの二つの立場を経験したことがなく,経験者が身近にいないのでそれらをどー評価するかは論評を避ける。
契約に違反した場合,その契約から放逐されるという点でも同様である。ディズニーランド従業員の場合,勤務時間中,目の前の任意の客に『ッだらァこゥのだァラッしゃッコノ!』とかメンチ切る?とかしたら,まあその,最も厳しい処罰としては従業員としての資格を剥奪されるのだろう。クビだな。北朝鮮国民の場合,偉大なる領導者に適切な真情からの思いを捧げない場合,最も厳しい処罰としては生命―ないし市民権,生存権―を剥奪される恐れがある(と我々は想像している。いや実情はどうか知らんが)。
契約解除の点。ディズニーランドから解雇されれば,そりゃあお給料なくなって苦労するでしょう。そんな大企業から懲戒解雇とか喰らえば,事実上の奉公構状態になるかもしれません。でも他で職を見つけることは原則可能だよね。それに自らの意思で『やめまーす』というのはいつでも可能だ。
北朝鮮の社会契約から自分を離脱させようとすれば―…どんな様であるかは,我々は報道で時折見るわけである。
プライベートということなら,ディズニーランド従業員の場合,家に帰って家族等々に上司の悪口とかなんとかすることはできる。してもとがめられるということはあるまい。別にその家族は,党中央もといディズニーランドに『うちの娘は勤務先の悪口を言っているのです!』と密告はするまい。
北朝鮮の場合―あれ,もしかして,『そんな娘を育てた親も悪い!』と一族郎党纏めて処罰されたりするかな,もしかして。それなら密告もしないか。もしそうなら,『密告しない』という結果にかけては,双方同じということになる。
―で,これ,パラレルなんだろうか,本当に?
―件の学生さんは,その点を指摘できるとよかったのだと思う。
@binbin1956 小谷敏 「ぼくの亡くなった両親は北朝鮮のテレビで映像が流されると、「なに、戦前の日本もこんなもんだったわいや」というのが常であった。 」(2011/12/21)
この点,恐らくその通りで―彼らの経験した・知った「近現代国家」といえば大日本帝国であって,良くも悪くもそこからスタートせざるを得なかったのだろう。あとは独裁時代のソ連と(共産)中国とだものな。
@Perfect_Insider シータ(N-Shiraishi) 「取り壊し前の学生会館にあった革マル系のサークルのビラに「クリスマスに原宿を謳歌する資本主義の手先であるプチブルカップルを粉砕せよ」という、現在の「リア充爆発しろ」の先駆けが書かれていたことをふと思い出した。 」(2011/12/23)
為参考:
pettazzonianoの日記 本気で宗教学を学びたい人のための文献リスト(2011年版) 2011-11-13
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