空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

外形的・客観的な判断を問うことこそ文明の進歩だと思うの

2019-05-30 20:48:16 | ノート


 ということで「ぐお」氏には、すくなくとも二つのトリガーがあるので、「不同意性交は悪であると認める倫理を持っているかどうか」だけで「ぐおはレイプするかどうか」が決定されないことが明らかである。



 少なくとも存在が明らかな二つ目のトリガーの問題がある。「もし感じたら?」だが、それ、この「ぐお」氏が現に性的欲求を欠きぎみのひとである可能性を無視してもいる。この場合、LGBTQIの類への理解の不足を問われる―”男の身に生まれたからといって、生身の女の体にのみ性的欲求を感じると断じる理由は何?”と。



 その倫理観なり利己的な理由なりの範囲をいちいち任意に伸び縮みさせるのはよくない。
「お前には倫理観があるか」
 と問われれば
「あるであろう」
 くらいに答えるかな。
「男性であるお前には女性に対する性的欲求があるか」
 と問われれば
「あるであろう」
 と答えるであろうか。
「ではお前は女性に対する性的欲望に敗北して女性に痴漢をする反倫理的な存在なのだな?!」
 と問われるなら―どうかという。
「それはしない。なぜなら私は二次元への欲望がつよく、その享受を喜びとしているからだ」
 と答えたことに対して
「と言うことは、お前には倫理観はないのだ。個人的な欲望を充足しようとするだけの存在なのだ。ならばその二次元の供給が少なくなれば、快楽を求めて生身の女に手を出す恐れがあるのだ」
 と断じられれば―
 ―まあ、ああ、うん、世界を痴漢と非痴漢とに分断する二元論ならそうなるかなーと。



 そーゆー制度設計にはなってないわけですよね。なる予定でもありますか。

 どこぞの国では型落ちゲーム機なら自由に使える素敵な個室つきで刑務所暮らしをエンジョイできるとか、そんな話を聞きもしますが。しかしだからといってその国でそうまで無差別大量殺人が行われていないのは、みんな素敵な倫理観を持ち合わせているからだろうか。となると、ひとが「無敵の人」になっちまうには、いくつもいくつもトリガーがあるのだ。



 そりゃ無茶だよ。それで外部倫理判定装置を全開でかましていいというなら―身の安全が怪しいのは「こっち」じゃないか。つーか私より確実に有村先生のほうが血祭り順位、高い。こうした人民裁判はマズイ、というのが歴史的経験じゃないかなあ、とりあえずビビットな名前で行けばセイレムとか。

 ということでケーススタディをしよう:



 この場合、「被害者」の主観によって、「25歳キモオタブサメン童貞」が若い女性への接触を狙ってディズニーランドを訪れ、首尾よく非積極的行動による環境型痴漢行為に成功したわけで、この「25歳キモオタブサメン童貞」は疑いなく計画的痴漢犯である―と判定される可能性があるわけですが(だって、ついいまのいままで喧嘩してた「彼氏の方に無言で抱きつく」一方、その彼氏はなにやらこの「25歳キモオタブサメン童貞」の悪事を抑止するが語と行くに睨むわけですよ)、宜しいでしょうか。

 僕は宜しくないと思う。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ヴィーガン非難とオタク非難... | トップ | ここで予定されているのは理... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown ()
2019-05-30 20:55:43
ああうん
ヘイトスピーチの犯罪化もあって、日常的言行もそれに準じて判定される道が開かれているわけだ
あまり上手い道ではなさそうだがなあ
返信する

コメントを投稿

ノート」カテゴリの最新記事